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学園へ

お揃いで

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せっかくライ様もいらっしゃったので、一緒に合わせます。

「フルオーダーなら、もっと良いものできるんだがなぁ」
伯父様が残念そうです。

「では!作って頂いても良いですか!!」
ライ様が乗り気ですが

「今回がイレギュラーなんです。この先、当分茶会の招待なども無いですよ。
成長期なんです。
今作っても、もったいないですよ。
なら、ディにネックレスでもプレゼントしてくださいよ。高いヤツ」
お兄様がニヤっと笑います。

「リア!!その!!宝飾品を贈ったら、身につけて貰えるだろうか?!」

「学園では無理ですが、お休みの日でしたら。
なら、高いものじゃなく、普段使い出来るものをくださいね?
…あら、ライ様のセンスってどんなものかしら?
まずは、お店の人の意見聞いてくださいね?」

「僭越ながら!!!
ご一緒にお買い物に行かれてはどうでしょう?!」
ミツバが興奮したように申し出ます。

「俺も行くぞ!!」

「じゃぁ、皆でココで買えば良くないです?
ミツバ、チィちゃん、早めにこっちに来るのかしら?」

「おそらくそうかと!来た鳥に書いて飛ばしたので、2~3日後にはお返事が来るかと!」

「では、お返事が来たら決めましょう」

「お願いがあるのだが!せっかくおおおおおおお揃いのモノを誂えたのだ。
私は第三王子殿下の茶会には呼ばれて居ないが、
迎えに行く!!
城までのエスコートをさせて貰えないだろうか!!」

「まさかと思うが、キチンと馬車で来いよ?!
少しでも長く、とか言って城までディを歩かせるなよ?!」

「ならば、私が抱っこして行こう!!」

「「論外です!!!」てめぇの欲望重視すんじゃねぇ!!!」
ミツバとお兄様の声が揃いましたわ。

「ライ様?
そんな破廉恥な姿、町中の人に見せびらかして歩きたいんですの?
お揃いの礼服、取り上げますわよ?」

「はっ!!!すまない!!!
そうだ!!リアの足を町中にさらすなど、有ってはならない!!!」

「訓練着なら良いって訳じゃねぇからな?!!!
街中で、緊急事態以外!!女性を抱いて連れ歩いたら、警備隊に通報されるからな?!」

「確かに…」

「確かに、じゃねぇよ!
常識を、普通を!!もっと学べよ!!!」
うがーー、と、お兄様がけっこう本気で怒ってますわ。

「センバの恋愛脳筋猪突猛進って、こういうことかぁ」

「シラヌイ様は奥手の方なんで、まだマシだと思います」
ミツバがウンウンうなずきながら、伯父様に答えます。

「でも、やっぱりライ様は招待されてませんでしたね?」

「バストン様に誰が招待されてるか、聞いておくか?」

「一応?」「備えあればなんとやら、だし?」「ですわね」

そして、基本のドレスを選び、アレンジを考え、あとはチィちゃんからの返事待ち、と言うことで、この日は解散、かと思いきや。
「シラヌイ様!!今です!!!」
ミツバのかけ声と共にライ様が真っ赤な顔で話しかけてきました。

「もももももし、まだお時間があるのなら、この後、お茶でもどうだろう!」 

「俺も一緒だからな?!」

「ももももちろん、リオ殿にもご同行願う!!」

「ご同行願うって、連行されるみたいですわ、言葉選び、もう少し頑張ってくださいまし」

「すまない…この場合、どう言えば良いのだ?」

「リオ殿も一緒にどうだろうか、とかじゃないかしら?」

「そんなもんだな」

「すまない、では、リオ殿も一緒にどうだろうか!」

「ええ、お誘いありがとうございます、お受け致しますわ。
でもね、ライ様?私、謝って欲しい訳じゃないんですのよ?」

「ああー、ディの性格なら、〝教えてくれてありがとう〞の方が良いな。
でも、年上の男性で、年下のしかも女性から言われて、こんなに素直に言うこと聞くヤツも居ないよなー」

「そうか?私に足りないモノを2人とも教えてくれてるからな、聞いておけば間違いはないだろう?」

「うん、良いヤツには間違いないんだよ!これ以上ないほど、優良物件なんだよ!!
しかぁし!!!
お前にディはまだやらん!!!」
ビシィっとお兄様がライ様に人差し指を突きつけます。

「君たち!!お茶に行くんだろう!
日が暮れる前に、さっさと行って来なさい!!
シラヌイ様?最後までキチンとこの子達を送り届けてくださいよ!!」

「「「「ハイ、申し訳ありません」」」もちろん、責任を持って送り届けます」
全員、伯父様に怒られました。

でも、心配からの言葉って、嬉しいものですわね。
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