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学園へ
幕間 後始末
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エミリオ視点
さて、殿下との決闘騒ぎ、引き分けに出来たのは、良しとするべきか?
あの後、医師の診断を受けたが、肋骨など折れていない、転がった際に出来た擦り傷があるが、洗って治療を受け、他に傷もないから大丈夫だろう、と言うことになった。
あの最後の一撃、本当は、大怪我するはずの衝撃だった。
だから、「立ち上がりますか?!」って驚かれたんだろうな。
まぁ、ネタバラシをすると、ヤベェと思ったホネが、衝撃をほぼ吸収してくれたんだよな。
ソレが無かったら、肋骨折れて内蔵に突き刺さってたかも?
10歳のガキにそんな大人げない攻撃すんじゃねーよ。
だから、俺だって、ウィンド・カッター出したっつーの。
かすっただけだったけど。腹立つ。
ディにはものすごく心配をかけてしまった。
もっと、楽に勝ちたかったんだけどな、さすがに、ディ命名〝くびチョンパ〞は、やっちゃダメだろうと思ったからやらなかったら、引き分けまでもってこられてしまった。
はぁー、生け捕りって、大変なんだな。
あの人もエリートを目指してるって言ってただけあって、良い腕してたんだよな。
今回のことで、道が断たれてなきゃいいけど。
「ハジカミ!」「はっ」
「あの決闘代理人、俺と引き分けちゃって、理不尽な目に遭ってたら、スカウトしてきて」
「えー、エミリオ様を殴ったヤツを、ですかぁ?」
「こちとら万年人手不足、優秀な人間はいっくらでもほしいんだよ」
「ハイハイ、使える駒に育てるのも、オレのお役目♪」
「お前が理不尽な目に遭わせてどうする」
「そんなことしませんよぅ、人材育成は趣味です♪」
「センバの人間じゃないからな?手加減しろよ?」
「了解です♪」
そこに、ミツバが上から降ってきた。
「報告します」
「おおぅ、びっくりしたぁ!普通に来いって!」
「男子寮なので、無理です」
「なるほど?って納得しないからな?!」
「戦闘の後ですからね、高ぶってるのもわかります」
「したり顔でうなずくのやめれ。で、どうだった?」
「あの泥船殿下を唆してたクソガキですが、最近力をつけてきた商会の次男で平民です。
優秀な長男にコンプレックスがあって、殿下に取り入って自分とこの商会をアピールして、オレ優秀、ってしたかったみたいですけどね、
商会そのものは健全です、あのクソガキだけがねじ曲がってます」
「うーん、センバに吸収…あ、うちの領地の元締め、一応平民だよな?ギダルに吸収してもらおうか。
センバに吸収してもらって、センバは身内ーとか、貴族の仲間入りーとか、調子づきそうじゃね?
それは困るから、ギダルに頼もう。
資金は、俺の絵売れたやつと、屋敷の調度品売っ払って使って良い。
足りない時は、相談して。
まぁでも、泥船殿下に乗って、センバが後見の侯爵にケンカ売った次男、命があるだけましじゃねぇ?
って言ったら、賢い商人ならすぐうなずくと思う。
んで、あのクソガキは、平民の学校に転入してもらおう」
「では、そのように。来週にはお目に入ることはないかと」
「うん、ディも不愉快そうだったからね、目に入らなきゃそれで良いよ」
「「あとは、泥船殿下、改め、もうヘドロでよくないですかね、ヤりますか?」」
「声を揃えるな、声を。
シィベリ、使えないかなぁ。
ああいうヤツはシィベリ苦手そうだよな。でもな、あれに借りを作るのもなぁ」
「あ、ヘドロの婚約者候補、3人いるって話じゃないですか。
で、同学年の候補者2人の他にもう1人いるはずなんですけど
だから、闇のブライン家のお嬢さんだと思ってたら、あのヘドロ、イチイ様だと思ってるみたいなんですよ」
「「は???」」
ハジカミも驚いてる。そりゃそうだ、どうしてそうなる?
「ヘドロを監視してて、なんか、センバから連絡が来ないだの、なぜ俺をないがしろにするだのブツブツ言ってるんで、ちょっとアイシア家のご令嬢の口真似して聞いてみたんですよ。
〝なぜ、センバからの連絡を?〞って。
そしたら〝私の婚約者候補だから、当然だろう?〞って言うんですよ。
その後、キョロキョロしてましたが無視しました。
セイラー夫人とエアトル家、両方から王家に圧かけてみません?」
「それでいってみようか。
イチイの婚約者発表してないの、こんなところで影響出るのかぁ。
イチイ、怒るよなー」
「ヘドロの婚約者候補になんかなってたら、確実に暴れますね」
「魔獣暴走起こりますね。
いっそのこと、そのまま、王家に向かわせちゃいません?」
「やめぃ!!国が終わるわ!!!」
ハジカミ、俺の領地も終わるから!!
オレはディとの平穏な生活を望んでンだよ!!
さて、殿下との決闘騒ぎ、引き分けに出来たのは、良しとするべきか?
あの後、医師の診断を受けたが、肋骨など折れていない、転がった際に出来た擦り傷があるが、洗って治療を受け、他に傷もないから大丈夫だろう、と言うことになった。
あの最後の一撃、本当は、大怪我するはずの衝撃だった。
だから、「立ち上がりますか?!」って驚かれたんだろうな。
まぁ、ネタバラシをすると、ヤベェと思ったホネが、衝撃をほぼ吸収してくれたんだよな。
ソレが無かったら、肋骨折れて内蔵に突き刺さってたかも?
10歳のガキにそんな大人げない攻撃すんじゃねーよ。
だから、俺だって、ウィンド・カッター出したっつーの。
かすっただけだったけど。腹立つ。
ディにはものすごく心配をかけてしまった。
もっと、楽に勝ちたかったんだけどな、さすがに、ディ命名〝くびチョンパ〞は、やっちゃダメだろうと思ったからやらなかったら、引き分けまでもってこられてしまった。
はぁー、生け捕りって、大変なんだな。
あの人もエリートを目指してるって言ってただけあって、良い腕してたんだよな。
今回のことで、道が断たれてなきゃいいけど。
「ハジカミ!」「はっ」
「あの決闘代理人、俺と引き分けちゃって、理不尽な目に遭ってたら、スカウトしてきて」
「えー、エミリオ様を殴ったヤツを、ですかぁ?」
「こちとら万年人手不足、優秀な人間はいっくらでもほしいんだよ」
「ハイハイ、使える駒に育てるのも、オレのお役目♪」
「お前が理不尽な目に遭わせてどうする」
「そんなことしませんよぅ、人材育成は趣味です♪」
「センバの人間じゃないからな?手加減しろよ?」
「了解です♪」
そこに、ミツバが上から降ってきた。
「報告します」
「おおぅ、びっくりしたぁ!普通に来いって!」
「男子寮なので、無理です」
「なるほど?って納得しないからな?!」
「戦闘の後ですからね、高ぶってるのもわかります」
「したり顔でうなずくのやめれ。で、どうだった?」
「あの泥船殿下を唆してたクソガキですが、最近力をつけてきた商会の次男で平民です。
優秀な長男にコンプレックスがあって、殿下に取り入って自分とこの商会をアピールして、オレ優秀、ってしたかったみたいですけどね、
商会そのものは健全です、あのクソガキだけがねじ曲がってます」
「うーん、センバに吸収…あ、うちの領地の元締め、一応平民だよな?ギダルに吸収してもらおうか。
センバに吸収してもらって、センバは身内ーとか、貴族の仲間入りーとか、調子づきそうじゃね?
それは困るから、ギダルに頼もう。
資金は、俺の絵売れたやつと、屋敷の調度品売っ払って使って良い。
足りない時は、相談して。
まぁでも、泥船殿下に乗って、センバが後見の侯爵にケンカ売った次男、命があるだけましじゃねぇ?
って言ったら、賢い商人ならすぐうなずくと思う。
んで、あのクソガキは、平民の学校に転入してもらおう」
「では、そのように。来週にはお目に入ることはないかと」
「うん、ディも不愉快そうだったからね、目に入らなきゃそれで良いよ」
「「あとは、泥船殿下、改め、もうヘドロでよくないですかね、ヤりますか?」」
「声を揃えるな、声を。
シィベリ、使えないかなぁ。
ああいうヤツはシィベリ苦手そうだよな。でもな、あれに借りを作るのもなぁ」
「あ、ヘドロの婚約者候補、3人いるって話じゃないですか。
で、同学年の候補者2人の他にもう1人いるはずなんですけど
だから、闇のブライン家のお嬢さんだと思ってたら、あのヘドロ、イチイ様だと思ってるみたいなんですよ」
「「は???」」
ハジカミも驚いてる。そりゃそうだ、どうしてそうなる?
「ヘドロを監視してて、なんか、センバから連絡が来ないだの、なぜ俺をないがしろにするだのブツブツ言ってるんで、ちょっとアイシア家のご令嬢の口真似して聞いてみたんですよ。
〝なぜ、センバからの連絡を?〞って。
そしたら〝私の婚約者候補だから、当然だろう?〞って言うんですよ。
その後、キョロキョロしてましたが無視しました。
セイラー夫人とエアトル家、両方から王家に圧かけてみません?」
「それでいってみようか。
イチイの婚約者発表してないの、こんなところで影響出るのかぁ。
イチイ、怒るよなー」
「ヘドロの婚約者候補になんかなってたら、確実に暴れますね」
「魔獣暴走起こりますね。
いっそのこと、そのまま、王家に向かわせちゃいません?」
「やめぃ!!国が終わるわ!!!」
ハジカミ、俺の領地も終わるから!!
オレはディとの平穏な生活を望んでンだよ!!
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