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学園へ
高位貴族の義務とは
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食堂フィーバーしてる大盛況な場所で、
殿下という一番悪目立ちする人物が、
あんなに大々的に宣言してしまったのです。
お兄様と殿下の決闘という名の試合が行われる事が決定してしまいました。
行う人物が大物なだけに、先生の監視のもと、何を求めるための決闘か、日時、ルールや禁止事項などが決められました。
まず、殿下が勝った場合、求める事は、私達が殿下を敬い従う事、だそうです。
なんです?そのフワッとした、いくらでも拡大解釈出来ちゃう命令。
そんなの、殿下が言っちゃえば無条件で何でも従わせられる、体の良い従者とか最悪奴隷じゃないですか。
なので、イラっとしたお兄様。
自分が勝った場合、金輪際、エクリューシ殿下に関わらなくても許される権利をくれ、でしたわ。
一応、王家じゃなく、第三王子個人にしましたのね。
まぁ、学園内で行われることだし、ここが限界だろ、というお兄様の談でしたわ。
場所は学園の訓練場、学園が用意する刃を潰した模造刀と魔法を使った試合を行う。
勝敗は、相手の降参、もしくは審判が続行不可能と判断した場合。
禁止事項は、即死魔法(そんなのあったの?)、魔道具の使用、それと、学園が用意した以外の武器を使う事、です。
日時は来週末の午後の授業が終わったら。
怪我しても、週末で休めるね、って事みたいですわ。
…まぁ、一応表面上は普通の試合ですわ。
それに、観客がめっちゃいて、勝ち負けにお兄様と私の自由がかかってるんですけどね。
懲りもせず?朝の殿下行列が続き
殿下がやたら睨んできたりとか、殿下のシンパが変に絡んできたりとか、無駄なストレスにさらされる日々の中、
食堂の肝っ玉母さんが、頑張って!のメッセージと共にそっと大盛りを渡してきたり
バストン様が、放課後に手伝える事ある?!と言ってくれたり、
マンドル様が、申し訳なさそうに食堂でこっちを見て会釈したり。
やっとストレスからの解放、
じゃなくて、
いよいよお兄様と殿下の決闘の日となりました。
控え室でお兄様と、ハジカミとセリとミツバが付き添ってくれてます。
「お兄様、力加減、頑張って下さいませね!」
「うん?イチイと同レベルの応援なの?」
「だって、魔物ならスパっと一撃くびチョンパですけど、それ、今回は禁止じゃないですか」
「まさかの討伐対象扱い?!」
「嫌悪感は同レベルですわ」
「激しく同意します」セリが眉間にシワ寄せ言い切ります。
「えー、ディが不愉快なら、もういっそのことヤっちゃう?」
「「それはダメです!!」」
ハジカミとミツバの声が揃いましたわ。
「なら、私が?」セリ立候補しなくていいです。
「それをしちゃうと、お兄様との平穏な暮らしがアレのせいで壊されるので、もっとイヤです。
お兄様が穏便に勝てば、アレから解放されるんですのよね?」
「ああ、そうだった、普通に勝とう」
「「ヤらない理由が、なんか違う…」」
ハジカミ達、違うくないですわ?
そんなこんなで時間となり、訓練場へ向かいます。
私とハジカミ達には身内席が用意されてましたわ。
間近で観戦できます。
殿下の方の席にいるのはAクラスの皆さんとマンドル様です。
心なしか、皆さんの顔が青いような?
そして、沢山の観客の皆さん。
一般課程の3学年全部どころか、別棟の皆さんもいません?
さて、客席の一角にアナウンス席が設けられており、そこから先生のアナウンスが入ります。
最初に審判をする魔法科の先生と騎士科の先生が紹介されました。
試合をするのが大物ですからね、万全を期すためだそうです。
そして、今回の決闘でお互いの求める権利の宣言、勝敗の決め方、禁止事項が伝えられ、
さぁ、選手の入場で…す…?
ざわざわと会場からざわめきが広がります。
登場したのは、お兄様と、明らかに困惑したガタイの良い青年。少年では、ないですね。
でも、商工会議所の青年部とかって、中高年じゃ?って人もいますわよね。
どっからどこまでが青年なのかしら。
そこに、殿下の声が響きます。
「おいエアトル!なぜ決闘代理人を出さない!!!」
あら、殿下、アナウンス席に乱入です。
「は?」
「高位貴族が決闘する場合、決闘代理人をたてて、素晴らしい戦いを披露し、皆を楽しませるのも我らの義務であろう!!
決闘代理人を出す金を惜しむのか!!探す人脈がないのか!!
それでも高位貴族だと言うのか!!!」
「えーーーーー……」
お兄様、額に手をあて、天を仰ぎます。
Aクラス皆さん大丈夫?
バストン様は頭を抱えて「違う、違う」言ってるし、
膝から崩れ落ちてる方も「そうじゃ、そうじゃない」って、あ、マンドル様ですわ。
えーっと、殿下?
果たすべき高位貴族の義務、の、方向性が間違ってません?
殿下という一番悪目立ちする人物が、
あんなに大々的に宣言してしまったのです。
お兄様と殿下の決闘という名の試合が行われる事が決定してしまいました。
行う人物が大物なだけに、先生の監視のもと、何を求めるための決闘か、日時、ルールや禁止事項などが決められました。
まず、殿下が勝った場合、求める事は、私達が殿下を敬い従う事、だそうです。
なんです?そのフワッとした、いくらでも拡大解釈出来ちゃう命令。
そんなの、殿下が言っちゃえば無条件で何でも従わせられる、体の良い従者とか最悪奴隷じゃないですか。
なので、イラっとしたお兄様。
自分が勝った場合、金輪際、エクリューシ殿下に関わらなくても許される権利をくれ、でしたわ。
一応、王家じゃなく、第三王子個人にしましたのね。
まぁ、学園内で行われることだし、ここが限界だろ、というお兄様の談でしたわ。
場所は学園の訓練場、学園が用意する刃を潰した模造刀と魔法を使った試合を行う。
勝敗は、相手の降参、もしくは審判が続行不可能と判断した場合。
禁止事項は、即死魔法(そんなのあったの?)、魔道具の使用、それと、学園が用意した以外の武器を使う事、です。
日時は来週末の午後の授業が終わったら。
怪我しても、週末で休めるね、って事みたいですわ。
…まぁ、一応表面上は普通の試合ですわ。
それに、観客がめっちゃいて、勝ち負けにお兄様と私の自由がかかってるんですけどね。
懲りもせず?朝の殿下行列が続き
殿下がやたら睨んできたりとか、殿下のシンパが変に絡んできたりとか、無駄なストレスにさらされる日々の中、
食堂の肝っ玉母さんが、頑張って!のメッセージと共にそっと大盛りを渡してきたり
バストン様が、放課後に手伝える事ある?!と言ってくれたり、
マンドル様が、申し訳なさそうに食堂でこっちを見て会釈したり。
やっとストレスからの解放、
じゃなくて、
いよいよお兄様と殿下の決闘の日となりました。
控え室でお兄様と、ハジカミとセリとミツバが付き添ってくれてます。
「お兄様、力加減、頑張って下さいませね!」
「うん?イチイと同レベルの応援なの?」
「だって、魔物ならスパっと一撃くびチョンパですけど、それ、今回は禁止じゃないですか」
「まさかの討伐対象扱い?!」
「嫌悪感は同レベルですわ」
「激しく同意します」セリが眉間にシワ寄せ言い切ります。
「えー、ディが不愉快なら、もういっそのことヤっちゃう?」
「「それはダメです!!」」
ハジカミとミツバの声が揃いましたわ。
「なら、私が?」セリ立候補しなくていいです。
「それをしちゃうと、お兄様との平穏な暮らしがアレのせいで壊されるので、もっとイヤです。
お兄様が穏便に勝てば、アレから解放されるんですのよね?」
「ああ、そうだった、普通に勝とう」
「「ヤらない理由が、なんか違う…」」
ハジカミ達、違うくないですわ?
そんなこんなで時間となり、訓練場へ向かいます。
私とハジカミ達には身内席が用意されてましたわ。
間近で観戦できます。
殿下の方の席にいるのはAクラスの皆さんとマンドル様です。
心なしか、皆さんの顔が青いような?
そして、沢山の観客の皆さん。
一般課程の3学年全部どころか、別棟の皆さんもいません?
さて、客席の一角にアナウンス席が設けられており、そこから先生のアナウンスが入ります。
最初に審判をする魔法科の先生と騎士科の先生が紹介されました。
試合をするのが大物ですからね、万全を期すためだそうです。
そして、今回の決闘でお互いの求める権利の宣言、勝敗の決め方、禁止事項が伝えられ、
さぁ、選手の入場で…す…?
ざわざわと会場からざわめきが広がります。
登場したのは、お兄様と、明らかに困惑したガタイの良い青年。少年では、ないですね。
でも、商工会議所の青年部とかって、中高年じゃ?って人もいますわよね。
どっからどこまでが青年なのかしら。
そこに、殿下の声が響きます。
「おいエアトル!なぜ決闘代理人を出さない!!!」
あら、殿下、アナウンス席に乱入です。
「は?」
「高位貴族が決闘する場合、決闘代理人をたてて、素晴らしい戦いを披露し、皆を楽しませるのも我らの義務であろう!!
決闘代理人を出す金を惜しむのか!!探す人脈がないのか!!
それでも高位貴族だと言うのか!!!」
「えーーーーー……」
お兄様、額に手をあて、天を仰ぎます。
Aクラス皆さん大丈夫?
バストン様は頭を抱えて「違う、違う」言ってるし、
膝から崩れ落ちてる方も「そうじゃ、そうじゃない」って、あ、マンドル様ですわ。
えーっと、殿下?
果たすべき高位貴族の義務、の、方向性が間違ってません?
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