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打倒、物語の強制力

助けて、セラえもん!

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「ハイ!冬になったら、シラヌイが来るんですよね?
うちで探し物が一番得意なのはシラヌイです!
一度シラヌイに見に行って貰うのがいいと思います!」
チィちゃんが、元気いっぱい答えます。

「ああ、あの神掛かった幸運の坊主か。
うん、良いかもしれない。
あの坊主に調べて貰おう」
ホネマントが同意します。

「よし、じゃぁ、この件はライ様が来るまで保留。
ライ様には手紙でお知らせだけしておく。
次!!
僕が居ない間にあった事の報告!!」

「では、こちらは、私から」
シチミが語りだします。

「きっかけは、ユーディリア様がお気づきになった事です。
天候不順でしたので、ご両親の政略結婚のきっかけになった自然災害に洪水も含まれてなかったか、
その対策はしたのか?
ということで、書庫にある過去の記録を見直しました。
結果。
洪水の対策をした、という記録は出ませんでした。「は?」
エミリオ様もそうなりますよねぇ。
ですので
洪水が起こったんですが場所、その後、どうしたのか、
町の元締めギダルに聞き取り調査を行いました。「してくださったんですの?」
はい。
その結果がこちらです。
後程対策が必要ですが、今年は冷害の対策にお金が必要です。洪水対策まで手が回らないとお思いください。
ただ、来年以降にやるよ、というスタンスは見せるべきかと。

そして、ここからが面倒な案件です。

過去の記録を見直す際、イチイお嬢様が発見しました。

この家にお金がない理由です。どうぞ」

そう言ってお兄様に差し出したあの証券?債券でいいか。

「オイオイオイオイオイオイオイオイ…」

「結論から申します。

侯爵様は投資詐欺にあってます。

2年ほど、これらの債券の年利の支払いはありません。
侯爵様は、投資した人間を探したようですが見つかっていません。
侯爵がカモという噂は広まっているのでしょう。
王都でも投資の話を持ちかけられていますが、使えるお金がないので、まだ手は出していないようです。

で。
こっからですが。
どうしますか、これを証拠に詐欺グループを訴えることも可能です。
もし、捕まれば、お金も少々戻るかもしれません。
が。
侯爵が横領の罪に問われるかもしれません」

「災害の支援金を投資に使ってんだもんな。
んで、受け取った利息は何に使ってた?」

「多分、そこは家を回すのに使っていたかと。
この家の使用人の給料や屋敷で使う物の支払い等は滞りなく行われていたので」

「でも、公共工事や、復旧にはほぼ行われていないと」

「本当に災害が起こった初期の、食料支援と、苗の支給はしています。3年ほどです。
軍を派遣して橋が仮使用出来るまで、はしています。
というか、その支援の記録しかありません」

「3年…
そっから先6~7年の金は詐欺師に持ってかれてると。
…悔しいなぁ。
でも、今、侯爵が捕まると、クソ親父が侯爵に繰上げ?
ってか、公金横領なら、爵位剥奪までいくか?」

「…今、エミリオ様が頑張っていますので、剥奪まではいかないかとは思いますが、なんとも。
降格は確実でしょう。

どうでしょう、セイラー夫人にご相談申し上げては?」

「正直、貴族の世渡りも何もわからん僕たち子供の手に余るなぁ。
………ほぉっておくのが一番なんだろうけど、ここまで調べてくれたって事は、センバ商会使ってるよね?
…んもう、ご報告がてら、洗いざらいぶちまけてきてくれる?」

「さっすがエミリオ様!かしこまりました!!!」
いい笑顔でシチミが返事してますわ。


辺境伯様ばりに、セイラー夫人に丸投げですわ。
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