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打倒、物語の強制力

嫌な予感はしてたけど

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やっぱりですわ。

姿絵を描く人物の都合がついたので、お屋敷へ行くと元締めさんから連絡がありましたの。
お兄様は居ないですよ?と言いましたけど
とりあえず、描いて欲しいのは私とチィちゃんとロアなのでこちらは構わない、と言われてしまいましたわ。
仕方なくお迎えしたら
やって来たのは、元締めさんと変態シィベリ様。
もう、変態様でいいですかね?

「今!妹ちゃん!変なこと考えたでしょう?!」
挨拶も無しに、いきなり何言うんですかこの変態様。

「え、シィベリ様、ユーディリア様とお知り合いでいらっしゃる?」
元締めさんが不思議がっているじゃないですか。

「うん、妹ちゃんもイチイちゃんも、なんだったらお兄ちゃんも知ってるよ」

「流石シィベリ様、お顔が広うございますな。
ご存知でしたら話は早い。
今回、ユーディリア様達の姿絵を売りに出すべく、シィベリ様にご協力頂く事になっ「チェンジで!!」は??」

「私とお兄様、この方、嫌いなんですの。
なんだったら、ロアもこの方嫌いですわ。
ね、ロア?」
「ウーーーー、ワン!!」
ほら、ロアも私に合わせて警告音出してくれてるじゃないですか。

「え?リア様は、しーおじ様の事、お嫌いでした?」
チィちゃんは私達に見入ってて、それ以外、どうでも良かったですものね?

「逆に、チィちゃんは変態様の事、平気ですの?」

「「変態さま…」って、妹ちゃん、そんな事考えてたんだね?って、いや、違うぞ!!僕は変態じゃない!!」

「しーおじ様は変態じゃないですよ?」

「ほら!ありがとう、イチイちゃん!!」

「うちのお母様以外の女性というか人間に興味がないだけです」
「グファ!!」
チィちゃん、変態様にクリティカルヒットしましたわ。

「お母様のいろんな顔を妄想して描くから画家になった、お母様限定の変態です。
だから、それ以外の人間に、大した害は無いですよ?」
「フゴッ!!」「え?そうなんですか?」って、元締めさんにもバレましたわ。

…チィちゃん、的確にトドメを刺しましたわ。
ロアでさえ、可哀相なモノを見る目をしてますわ。


「では、害は無いという事で、シィベリ様に姿絵を描いていただいて良いですかね?!」
元締めさん、立ち直り早いですね?さすが商魂たくましいですわ。

「えーー、実害がなくても、悪意はあるんですわ、この人」

「大丈夫です!お貴族様なら、この位、はねのけないと!その練習台にお使いください!」

「ええ?!僕、練習台なの?!」

「え?今までの様子から察するに、シィベリ様ご自身も嫌われてるとの自覚がお有りですよね?
その上でこちらにお邪魔したんですよね?
練習台になるくらいの気骨を見せるおつもりだったのでは?!」

「いやー、からかって遊ぼうと思っただけで…」

「イチイ様に見事に返り討ちに合いましたな!!」

「グファ!」

「ユーディリア様!こんなに丈夫な上に、まだまだ遊ぶ気でおりますぞ!練習台には持ってこいです。
コテンパンにしてやってください!
ほら!
ユーディリア様は悪意のそらし方の練習、シィベリ様は遊びながら、絵を描いてお金をもらえて、たまにイチイ様に返り討ちにあって、ユーディリア様の仇を取ってユーディリア様もスカッとする。そして、商店街も活気づく!!
いやはや、一石二鳥どころか四鳥も五鳥もございますぞ!!
ね!!そうしましょう!!」

ガハハハハと、元締めさんに押し切られましたわ。

でも日中、ずっと変態様がうろつくのは耐えられないし、
私にもお兄様の代役のお仕事があるんですわ。
だから、1日1時間5日間お相手をする、で手を打ちましたわ。

ううう、円形脱毛症になったら、元締めさんも同じ目に合わせますわ。
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