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打倒、物語の強制力

めざせ、く◯モン

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私とチィちゃんがマスコット化した商店街の視察後、元締めさんとの会合です。

「ようこそお越しくださいました、ここの元締めをしておりますギダルと申します。
どうぞお見知りおき下さい」
と、深々と挨拶をしてくださいました。

「顔を上げて欲しい。僕が今現在、侯爵から代理を任されているエミリオ・エアトル。
そしてこっちが妹の」

「ユーディリア・エアトルですわ」最初の印象大事!ニッコリスマイル0円ですわ!

「僕が居ない時で、緊急を要する時など彼女に話をしてもらって構わない。
そして、ユーディリアの隣に居るのが」

「イチイ・センバです!」チィちゃん、元気にご挨拶、満点ですわ。

「彼女は名前でわかる通り、センバ辺境伯様の縁者で、僕の婚約者兼ユーディリアの護衛として今こちらに滞在してもらっている。ユーディリアと話す時は、彼女が近くに居る事を覚えておいて欲しい」

「これはこれは、ご丁寧にご紹介いただきましてありがとうございます。
えーっと、これからはエミリオ様を侯爵代理として、陳情などを上げていく、という事でよろしいのでしょうか…」

「うん、構わないよ、もしくは、イチミ!「ハイ!」彼が僕の従者をしてくれている。
まず、彼に連絡を取って相談して欲しい」

「はい、はい、えーっと、ハイ、承知致しました…」
元締めさんの顔が微妙に曇っておりますわ?

「ああ。きっと、侯爵家の者が視察に来るといって、期待していたのに
やって来た僕達があまりにも子供で不安なんだろう?

腹を割って話そう。

侯爵がここに居たって、こんな風に視察など来なかっただろう?
物が不作になりそうな今年、だから期待したんだろう?
でも結局、侯爵や僕達の父親は王都に行って戻ってこない。

だから、僕達を頼ってくれ。

僕達は今後治めていく領地を良いものにしたい。
早くから皆に僕達を知ってもらって、共に成長したいと考えている。
だから、正直に教えて欲しい、どんな不満がある?」
というか、不満しかないと思うが、とお兄様は苦笑いしています。

元締めさんは驚いているのか、目を大きく見開き、フリーズしています。

「「ギダル殿?」」
お兄様と2人、コテンと首をかしげて元締めさんに問いかけます。

「「グフォ!!」」
元締めさんの後ろに立っていた2人が顔を背けてぷるぷるしています。

「「え?なに、大丈夫?」」お兄様とさらに問いかけます。

2人とも、口を押さえてお顔が真っ赤です。

「エミリオ様、ユーディリア様。
お二方ともご自分の顔の良さをいい加減自覚してくださいって…」
イチミがため息混じりにつぶきます。
なぜかチィちゃんと元締めの後ろの2人が高速でうなずいてますわ。

「んんっ、失礼しました」あ、元締めさん復活しましたわ。
「エミリオ様の真摯なお姿、ユーディリア様とのお優しいお姿。
このギダル、感銘を受けました。
エミリオ様達が本当にこの領地の事を思ってくださると信じて、ご要望がございます。
これからも、たまにでかまいません。
お姿を皆に見せてください。
出来たら、その際に、この土地の物を身につけて頂きたいのです。
領主がここを愛してくれていると、目に見えると嬉しいものです。

ああ、その麗しいお姿を姿絵で売ってもかまいませんか?
ああ、その際に土地の物を一緒に書き込んでもかまいませんかね?
こんだけ顔が良いんです、その物も売れます!
新しい領主が土地を大事にしてくれている!
やっと、やっと明るい話題が出た!新しい商売の兆し!!」
うおーーー!!と握り拳で、だんだん熱く早口で語り出しましたわ。


私達、地産地消のピーアール大使ゆるキャラ扱いになりますの?
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