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打倒、物語の強制力
幕間 セバスの業務連絡
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アスビル商会との交渉を報告いたします。
これまで商会は奥様のお父上である子爵様ご自身が大旦那様、奥様の兄上のご子息様が若旦那として商会の手助けをなさっていました。
ですので、この報告書では便宜上、大旦那様、若旦那様と呼ばせていただきます。
奥様は商会の一部、ドレス部門のデザイナーとして携わるも、純粋にデザイナーとしてのみ、縫製や販売などは商会に丸投げ。
そのため、デザイン料などは受け取っておらず、必要経費として奥様の遊興費、奥様のドレス、エミリオ様ユーディリア様お二人の衣装代などを商会が負担。
(つまり、我が侯爵家で奥様、そしてお二人の衣装代を支出したことはございません)
それでも、奥様のデザインは人気、ドレス部門は黒字経営。
今回奥様の死亡で、人気デザイナーが居なくなった事により、ドレス部門の収益は減少。
現在デザイナーの確保に勤しんでいるということです。
奥様が亡くなられたことで、大旦那様が気落ちしており、最近では、若旦那様が手腕をふるっておりますが、大旦那様ほどの強引さはなく、少々右肩下がりと言われております。
(が、私にはわざとそうしているようにも見受けられます)
今回、今までの融資金、今後の事を詰めるということで、話し合いが持たれました。
大旦那様はあまり口を挟まず、若旦那様主導で話し合いが行われました。
商会としての要求は、
今後の融資、援助は行わない。
今までの融資・利息の返金は、これまで通りエミリオ様(もしくはユーディリア様)が侯爵家を継ぐ事で催促は無し。
今後の侯爵家の跡取りとしてエミリオ様達との交流を月1で設ける。
というものでした。
理由として、
奥様が居ることで、衣装代金などを出して来たが、居ない上に、すでに新しい夫人予定が侯爵家に入っている今、衣装代などの援助をする必要も義理も感じられない。
10年程融資を行ってきた。もう侯爵領の税収も元通りになっていなければおかしい。
侯爵家と繋がるから利息も返金も求めなかった。
しかし、奥様の死亡、次世代の侯爵であるエミリオ様との繋がりが、ひとつも作れていない今、本当にそれは商会にとって利益となるのか?
ならば今後、月1でも交流を図り、エミリオ様が確実に侯爵家を継ぐのであれば、今まで通り利息や融資自体の返金も求めない事にする。
と、まぁ、あまりにも真っ当な意見でございます。
これに対し、侯爵様は
今現在、エミリオ様に侯爵領を継がせるべく、領地にて勉強をしていること。
そのため、手腕がまだ拙く、融資はもう少し続けて欲しいこと。
エミリオ様、ユーディリア様は成長期であり、すぐ衣装も使えなくなる上、侯爵家という格を見せるためにお茶会などで1度でも着用したものは使用出来なくなることから、成長期の2人の衣装代は援助して欲しいこと。
領地での勉強に障りがあるため、月1で王都にやって来てアスビル商会と会うのは難しいこと。
と、非常にツッコミ所満載、いくらでもつつける回答でした。
案の定。
貴殿方大人が指導中で、少々手がかかる、というならまだしも、
まだ6~7歳という幼い子供に領地経営をさせて〝拙い〞などと宣うか。
というか、できるわけがない。
なのに子供にさせて、領地がうまくいきません、融資してください、は、詐欺じゃないか、領地を潰したいのかと疑うレベルである。
エミリオ様、ユーディリア様の衣装代の援助が欲しい、でも二人は王都まで来れない、というのはどういうことか。
王都に来ないのならばお茶会などに出席するはずもなく、ドレスが必要というはずもない。
ならば我々が交流するために、お二人の普段お召しになる衣装を持って月1で領地へ伺い、そこでお二人に現物支給をさせていただきます。
それで交流も持てますし、なにより美しいと噂の二人に会えば、デザインのインスピレーションも湧き、ドレス部門の再起も計れるかもしれません。
商会にも利益が出るのであれば、お二人のお召し物の他に少々の援助も可能になるかもしれません。
とまぁ、こうなったわけです。
援助も可能になるかもという言葉にあっさり食いついた侯爵様。
なるかもですのに、若旦那がエミリオ様達と月1で会うことをお認めになられました。
なんのために、葬式にも出席させず、エミリオ様達を領地へ押し込めたのか、忘れておられるようです。
ということで、再来月から、毎月1日にアスビル商会の者が領地にお伺いするとのことです。
初回は若旦那様が伺うとの事でした。
そこで、これからどういった交流ならば可能か、ご本人とお話したいとのことです。
もし、心配ならば侯爵様もその場にお越しください、とおっしゃっていました。
が、侯爵様が領地にお戻りになるかは微妙だと思います。
私の所見ではございますが、若旦那様はエミリオ様達と何らかの相談事があるものと思われます。
若旦那様は食えない方のような気がいたしますが、それでも、子供に詐欺紛いの事を仕掛けるような方ではないと思われます、思いたいです、思わせて欲しいです。
以上、ご報告と連絡でございました。
早くエミリオ様にお仕えしたいセバスより
これまで商会は奥様のお父上である子爵様ご自身が大旦那様、奥様の兄上のご子息様が若旦那として商会の手助けをなさっていました。
ですので、この報告書では便宜上、大旦那様、若旦那様と呼ばせていただきます。
奥様は商会の一部、ドレス部門のデザイナーとして携わるも、純粋にデザイナーとしてのみ、縫製や販売などは商会に丸投げ。
そのため、デザイン料などは受け取っておらず、必要経費として奥様の遊興費、奥様のドレス、エミリオ様ユーディリア様お二人の衣装代などを商会が負担。
(つまり、我が侯爵家で奥様、そしてお二人の衣装代を支出したことはございません)
それでも、奥様のデザインは人気、ドレス部門は黒字経営。
今回奥様の死亡で、人気デザイナーが居なくなった事により、ドレス部門の収益は減少。
現在デザイナーの確保に勤しんでいるということです。
奥様が亡くなられたことで、大旦那様が気落ちしており、最近では、若旦那様が手腕をふるっておりますが、大旦那様ほどの強引さはなく、少々右肩下がりと言われております。
(が、私にはわざとそうしているようにも見受けられます)
今回、今までの融資金、今後の事を詰めるということで、話し合いが持たれました。
大旦那様はあまり口を挟まず、若旦那様主導で話し合いが行われました。
商会としての要求は、
今後の融資、援助は行わない。
今までの融資・利息の返金は、これまで通りエミリオ様(もしくはユーディリア様)が侯爵家を継ぐ事で催促は無し。
今後の侯爵家の跡取りとしてエミリオ様達との交流を月1で設ける。
というものでした。
理由として、
奥様が居ることで、衣装代金などを出して来たが、居ない上に、すでに新しい夫人予定が侯爵家に入っている今、衣装代などの援助をする必要も義理も感じられない。
10年程融資を行ってきた。もう侯爵領の税収も元通りになっていなければおかしい。
侯爵家と繋がるから利息も返金も求めなかった。
しかし、奥様の死亡、次世代の侯爵であるエミリオ様との繋がりが、ひとつも作れていない今、本当にそれは商会にとって利益となるのか?
ならば今後、月1でも交流を図り、エミリオ様が確実に侯爵家を継ぐのであれば、今まで通り利息や融資自体の返金も求めない事にする。
と、まぁ、あまりにも真っ当な意見でございます。
これに対し、侯爵様は
今現在、エミリオ様に侯爵領を継がせるべく、領地にて勉強をしていること。
そのため、手腕がまだ拙く、融資はもう少し続けて欲しいこと。
エミリオ様、ユーディリア様は成長期であり、すぐ衣装も使えなくなる上、侯爵家という格を見せるためにお茶会などで1度でも着用したものは使用出来なくなることから、成長期の2人の衣装代は援助して欲しいこと。
領地での勉強に障りがあるため、月1で王都にやって来てアスビル商会と会うのは難しいこと。
と、非常にツッコミ所満載、いくらでもつつける回答でした。
案の定。
貴殿方大人が指導中で、少々手がかかる、というならまだしも、
まだ6~7歳という幼い子供に領地経営をさせて〝拙い〞などと宣うか。
というか、できるわけがない。
なのに子供にさせて、領地がうまくいきません、融資してください、は、詐欺じゃないか、領地を潰したいのかと疑うレベルである。
エミリオ様、ユーディリア様の衣装代の援助が欲しい、でも二人は王都まで来れない、というのはどういうことか。
王都に来ないのならばお茶会などに出席するはずもなく、ドレスが必要というはずもない。
ならば我々が交流するために、お二人の普段お召しになる衣装を持って月1で領地へ伺い、そこでお二人に現物支給をさせていただきます。
それで交流も持てますし、なにより美しいと噂の二人に会えば、デザインのインスピレーションも湧き、ドレス部門の再起も計れるかもしれません。
商会にも利益が出るのであれば、お二人のお召し物の他に少々の援助も可能になるかもしれません。
とまぁ、こうなったわけです。
援助も可能になるかもという言葉にあっさり食いついた侯爵様。
なるかもですのに、若旦那がエミリオ様達と月1で会うことをお認めになられました。
なんのために、葬式にも出席させず、エミリオ様達を領地へ押し込めたのか、忘れておられるようです。
ということで、再来月から、毎月1日にアスビル商会の者が領地にお伺いするとのことです。
初回は若旦那様が伺うとの事でした。
そこで、これからどういった交流ならば可能か、ご本人とお話したいとのことです。
もし、心配ならば侯爵様もその場にお越しください、とおっしゃっていました。
が、侯爵様が領地にお戻りになるかは微妙だと思います。
私の所見ではございますが、若旦那様はエミリオ様達と何らかの相談事があるものと思われます。
若旦那様は食えない方のような気がいたしますが、それでも、子供に詐欺紛いの事を仕掛けるような方ではないと思われます、思いたいです、思わせて欲しいです。
以上、ご報告と連絡でございました。
早くエミリオ様にお仕えしたいセバスより
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