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打倒、物語の強制力

お子様はオハナシアイには参加できません。え、できるの?

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悪党どもも排除できましたし、にイチミ達だけでなくヒサギ様も加わってます。
私はお邪魔してはいけないと先生に言われています。
でも、ただ馬車に乗ってるだけも飽きてきたので、この辺を散策しましょう。

「セリ、馬車飽きちゃったの。歩きたい。先生も一緒にお散歩しましょう?
3人一緒なら良いわよね?
ねぇ、先生なら薬草お詳しい?この辺りでも育てられそうなの、わかる?」

「まぁ、そうですな。セリが周りに気を配ってくれれば大丈夫ですかの。
課外授業と参りましょうか」

馬車から降りてお散歩を開始。

「まぁ、わしは植物にそこまで詳しくないのですが、だいたいどこにでも生えてるのが…」

ドッドッドッド

地響きのような音が聞こえますわ。この世界、地震ってありますの?

「……ィ---」「…ガ……シィ---」

ん?

「ディーーーー!!」「我が天使よ!!」
「「無事か?!」」

ドンッ!!パカラッ!!ヒヒィーーン!!

「お兄様!!!おかえりなさいませ!シラヌイ様もお疲れ様でしたわ!
でもなぜ、シラヌイ様、走ってますの?お馬さんは?」

ドンッ!!が、文字通り飛んで来たシラヌイ様が着地した音。
パカラッ!が、お馬さんが止まった音。
ヒヒィーーン!が、急ブレーキかけさせられたお馬さんの嘆きですわね?

「あぁ、ディと一緒に向かった兵士が走って来て、息も絶え絶えに、あの伯爵の素行を次々と訴えて、助けに行ってくれっていうんだよ。

兵士達は良心的な普通の兵士が多くて良かったわー。
兵士まで粛清対象だったら、どうしようかと思ったよ。

んで、誰か場所を案内してくれ、ってなった時、馬が足りなくてさ。
シラヌイ様が走っても馬より早いって言うから、シラヌイ様の乗ってた馬を誰かに乗ってもらおうとしたら、
この馬、自分より弱いヤツは乗せない、っていう暴れ馬だったらしくてさ。

歩兵は誰も乗れないっていうんだよ。

しょうがないから、僕とサンショウが乗ってた馬を兵士に貸して、
僕がウィンドカッターで木を1本切り倒して、サンショウが地面に1つクレーターを作って、
こうなりたい?
って言ったら、大人しく乗せてくれたよ。

いやぁ、馬って、賢くて良いよね!!
純粋な実力がわからない人間より、よっぽど賢い!!」
ワハハハと高笑いのお兄様。

兵士さんは「無事で良かった、何かあったら、領が滅んでた。怖かった」と軽く涙ぐんでるし。

シラヌイ様は「貴女に何かあったら、俺は生きていけない」そう言って、跪いて、手を握ってこようとしたけど

「シ・ラ・ヌ・イ・さ・ま?」
パシンとお兄様に手を叩かれて、私は、いつの間にかお兄様の腕の中。

「婚約者……」シラヌイ様がつぶやいてるけど
「候補です、こ・う・ほ!」お兄様は私をぎゅうぎゅう抱きしめて離しません。

「お兄様、ちょっと苦しいですわ」「わ、ごめん!」「でも、良いんですの、お兄様からの愛情ですもの!」
今度は私からぎゅっとしましたわ。

そして、隣で跪いて項垂れてるシラヌイ様に
「お疲れ様でしたわ。お兄様を守ってくださってありがとうございます!!」
とお兄様を抱きしめていた手を片方伸ばして、頭なでなでしてみましたわ。

「て、天使……」と感動するシラヌイ様の頭にあった私の手を、お兄様がむんずとつかんで、ご自分の頭の上に乗せましたわ。
「ディ?シラヌイ様にそれ以上のご褒美はいらないんじゃないかな?」
「お兄様がそう言うなら?では、お兄様も、お疲れ様でございました!」
お兄様もなでなでしましょう。
さ、次は私の番ですわ♪

「うん。頭を差し出すディ。世界一可愛い」そう言って撫でながら

「で、悪党どもは?」状況確認も忘れないお兄様、素敵です。

「イチミ達が連れて行きましたの。で、ヒサギ様もに参加するって、行きましたの。
私はお邪魔しちゃダメって。先生とセリとお散歩してましたの」

「それは僕も行かなくちゃ!!
シラヌイ様はディと先生のそばにいて。
セリ、案内して?そのあとすぐ戻っていいから。
サンショウ、ついてきて」

「あれ、お兄様、ワサビは?」

「ああ、ワサビは元の場所で、伯爵の子飼いと、落馬狙いで森に隠れてたヤツ、尋問してるから、後で合流。
先生、シラヌイ様、ディをお願いしますね。
あ、兵士くん、馬お願いね!
馬!大人しくしてろよ?ディに何かしてみろ?わかってるな?」

お馬さんが、首を縦に振ってますわ。

お兄様、ワンちゃんの時もそうでしたけど、動物従えるの上手すぎません?
この世界、テイマーっているのかしら?
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