96 / 327
打倒、物語の強制力
なにがでるかな?なにがでるかな♪
しおりを挟む
そしてやって来ました、とある森の入り口。
ココは瘴気が溜まりやすく、兵士達が定期的に見回りしているらしい。
昨日確認した時には1体だけ魔物が居たのでちょうど良いと思って討伐せずにおいた、とのこと。
森の中、1体だけ、なんて事あるわけなかろうに。
素人でもわかりますわよ?
馬車では進めないので、私達はここで待機、お兄様と討伐隊が向かうという。
伯爵様が大義名分を述べます。
「普段、実際に討伐しているベテランの者達が討伐をご覧にいれます。
エミリオ様は安心してご同行くださいませ。
ご令嬢には刺激が強すぎましょう。我々と共にエミリオ様の帰りを待ちましょう」
そう言って、馬車の周りを囲みだす兵士。
お兄様に付いていく人数より多くない?
あら?イチミ?ウィンク飛ばしてきましたわ。
シチミもどっかに混ざってるのかしら?
「え、アイツ行かないの?」
御者との会話が出来る小窓を開けているのでヒサギ様と会話が可能です。
「行くわけないじゃないですか。
自分は安全な所にいて、戦闘が始まったらお嬢様を伯爵自ら誘導しながら避難して誘拐するって事じゃないです?」
セリが、クズが!と吐き捨てるように言います。
「ユーディリア、行ってくるね!」
「お兄様!!御武運を!お話、楽しみにしてますわ!」
私は馬車の小窓を開けてお兄様に答えます。
お兄様はサンショウの前面に抱えられるようにして馬に跨がり、ニコニコ手を振って行きます。
お兄様、めっちゃ楽しそうなんですけど?
「エミリオくん、輝くばかりの笑顔ねぇ」
ヒサギ様がやれやれと首を振ります。
「ストレス、溜まってたんでしょうなぁ」
先生も遠い目をして答えます。
しばらくすると、森の中がザワザワし始めました。
「始まったかしらね?」ニヤっとヒサギ様が笑います。
「あっさり片付くんでしょうなぁ」先生ものんびりしています。
「お嬢様の誘拐事件はどうするので?」セリ、地味にワクワクしてます?
「ああ、そうね、わざとモタつくかもしれないわね?
それはそれで、エミリオくん激怒しそうだわぁ」
ヒサギ様は相変わらずニヤニヤしています。
そこに、1人の兵士が森から飛び出してきました。
「予想外に多くの魔物が出ました!ご令嬢の避難をお願いします!!!」
「ウソでしょう?
援軍要請じゃないの?
現場の報告もなく、司令官でもないヤツが安全地帯に居る人間の退避命令って、おかしすぎるでしょ!?」
ヒサギ様があまりの非常識っぷりにびっくりしています。
が。
「なんだと?!それは一大事だ!!
さぁ!ご令嬢!!我々がお守り致しますので、こちらに御移動願います!!」
そう言って、伯爵様は馬車のドアを開けようとします。
どっかでもありましたわ、いきなりドアを開けようとしたヤツ、いましたわ。
が、こっちだって開けませんよ、そんなもん。
思いっきり叫んでやりましたわ。
「安全なここの退避より先に、お兄様への援軍を出す方が先でしょう!!
討伐軍の意味をわかっていらっしゃるの?!
ここに居るのは兵士ではないのですか?!
現場の確認もなく、未来の侯爵を犠牲に逃げるのが、この軍の兵士という役目ですか?!」
お兄様が疑惑の種を植えていましたからね、少々芽吹かせましょう。
私達の馬車を囲んでいた兵士達に、「確かに、何で先に援軍要請じゃないんだ?」ってイチミが誘導してますわ。
あらあら、一言出たら次から次へと。
「軍隊長なら、救助に向かうよな?」「ここ、避難するほど危険か?」「ご令嬢自身が助けに行けって言ってるのに、指示、でないな?」「避難しろ、って出てきたやつ、どこ行った?」「半分、救助に行けば良くね?」「行きたいけど、この場を指示するの、伯爵様だよな?」
兵士達が一斉に伯爵様を見ます。
「ぐっ、ご令嬢の安全を確保しないことには、援軍を出せません!避難をお願いします!」
伯爵様も苦し紛れの言い訳をしてますわ。
「私達が動かないと援軍をださないと?!なんと横暴な!
そんな人間は信用出来ません。
避難しないと援軍が出ないというのなら、この馬車のまま避難します。
ヒサギ!馬車を出しなさい!」
「かしこまりました!」
「勝手に動かれては困ります!我々の後についてきてください!!
お前達!馬車をお守りしろ!!」
兵士の皆さんが「え?全員で?」って顔してますわよ?
いや本当に、全員でどこ連れてく気ですか?
ココは瘴気が溜まりやすく、兵士達が定期的に見回りしているらしい。
昨日確認した時には1体だけ魔物が居たのでちょうど良いと思って討伐せずにおいた、とのこと。
森の中、1体だけ、なんて事あるわけなかろうに。
素人でもわかりますわよ?
馬車では進めないので、私達はここで待機、お兄様と討伐隊が向かうという。
伯爵様が大義名分を述べます。
「普段、実際に討伐しているベテランの者達が討伐をご覧にいれます。
エミリオ様は安心してご同行くださいませ。
ご令嬢には刺激が強すぎましょう。我々と共にエミリオ様の帰りを待ちましょう」
そう言って、馬車の周りを囲みだす兵士。
お兄様に付いていく人数より多くない?
あら?イチミ?ウィンク飛ばしてきましたわ。
シチミもどっかに混ざってるのかしら?
「え、アイツ行かないの?」
御者との会話が出来る小窓を開けているのでヒサギ様と会話が可能です。
「行くわけないじゃないですか。
自分は安全な所にいて、戦闘が始まったらお嬢様を伯爵自ら誘導しながら避難して誘拐するって事じゃないです?」
セリが、クズが!と吐き捨てるように言います。
「ユーディリア、行ってくるね!」
「お兄様!!御武運を!お話、楽しみにしてますわ!」
私は馬車の小窓を開けてお兄様に答えます。
お兄様はサンショウの前面に抱えられるようにして馬に跨がり、ニコニコ手を振って行きます。
お兄様、めっちゃ楽しそうなんですけど?
「エミリオくん、輝くばかりの笑顔ねぇ」
ヒサギ様がやれやれと首を振ります。
「ストレス、溜まってたんでしょうなぁ」
先生も遠い目をして答えます。
しばらくすると、森の中がザワザワし始めました。
「始まったかしらね?」ニヤっとヒサギ様が笑います。
「あっさり片付くんでしょうなぁ」先生ものんびりしています。
「お嬢様の誘拐事件はどうするので?」セリ、地味にワクワクしてます?
「ああ、そうね、わざとモタつくかもしれないわね?
それはそれで、エミリオくん激怒しそうだわぁ」
ヒサギ様は相変わらずニヤニヤしています。
そこに、1人の兵士が森から飛び出してきました。
「予想外に多くの魔物が出ました!ご令嬢の避難をお願いします!!!」
「ウソでしょう?
援軍要請じゃないの?
現場の報告もなく、司令官でもないヤツが安全地帯に居る人間の退避命令って、おかしすぎるでしょ!?」
ヒサギ様があまりの非常識っぷりにびっくりしています。
が。
「なんだと?!それは一大事だ!!
さぁ!ご令嬢!!我々がお守り致しますので、こちらに御移動願います!!」
そう言って、伯爵様は馬車のドアを開けようとします。
どっかでもありましたわ、いきなりドアを開けようとしたヤツ、いましたわ。
が、こっちだって開けませんよ、そんなもん。
思いっきり叫んでやりましたわ。
「安全なここの退避より先に、お兄様への援軍を出す方が先でしょう!!
討伐軍の意味をわかっていらっしゃるの?!
ここに居るのは兵士ではないのですか?!
現場の確認もなく、未来の侯爵を犠牲に逃げるのが、この軍の兵士という役目ですか?!」
お兄様が疑惑の種を植えていましたからね、少々芽吹かせましょう。
私達の馬車を囲んでいた兵士達に、「確かに、何で先に援軍要請じゃないんだ?」ってイチミが誘導してますわ。
あらあら、一言出たら次から次へと。
「軍隊長なら、救助に向かうよな?」「ここ、避難するほど危険か?」「ご令嬢自身が助けに行けって言ってるのに、指示、でないな?」「避難しろ、って出てきたやつ、どこ行った?」「半分、救助に行けば良くね?」「行きたいけど、この場を指示するの、伯爵様だよな?」
兵士達が一斉に伯爵様を見ます。
「ぐっ、ご令嬢の安全を確保しないことには、援軍を出せません!避難をお願いします!」
伯爵様も苦し紛れの言い訳をしてますわ。
「私達が動かないと援軍をださないと?!なんと横暴な!
そんな人間は信用出来ません。
避難しないと援軍が出ないというのなら、この馬車のまま避難します。
ヒサギ!馬車を出しなさい!」
「かしこまりました!」
「勝手に動かれては困ります!我々の後についてきてください!!
お前達!馬車をお守りしろ!!」
兵士の皆さんが「え?全員で?」って顔してますわよ?
いや本当に、全員でどこ連れてく気ですか?
89
お気に入りに追加
275
あなたにおすすめの小説
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
転生したら攻略対象者の母親(王妃)でした
黒木寿々
恋愛
我儘な公爵令嬢リザベル・フォリス、7歳。弟が産まれたことで前世の記憶を思い出したけど、この世界って前世でハマっていた乙女ゲームの世界!?私の未来って物凄く性悪な王妃様じゃん!
しかもゲーム本編が始まる時点ですでに亡くなってるし・・・。
ゲームの中ではことごとく酷いことをしていたみたいだけど、私はそんなことしない!
清く正しい心で、未来の息子(攻略対象者)を愛でまくるぞ!!!
*R15は保険です。小説家になろう様でも掲載しています。
悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました
toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。
一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。
主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。
完結済。ハッピーエンドです。
8/2からは閑話を書けたときに追加します。
ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。
12/9の9時の投稿で一応完結と致します。
更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。
ありがとうございました!
モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?
狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?!
悪役令嬢だったらどうしよう〜!!
……あっ、ただのモブですか。
いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。
じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら
乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる
レラン
恋愛
前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。
すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?
私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!
そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。
⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎
⚠︎誤字多発です⚠︎
⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎
⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる