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打倒、物語の強制力

領地軍の建て直し 2

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「イチミ、エアグラフ家に、今後のために実際の魔物討伐の見たいって、要請しておいて。
そしたら、嬉々として僕達を危険に晒しそうだよねー」
お兄様が嬉しそうに言うと、ヒサギ様が怒ります。

「なんで自分を囮に使うのよ?!
ダメよ!
そんなんなら、プチっとヤってくるわよ!
シラヌイが!!」

「お任せください。では」

「「いやいやいやいやいや」早まるな!」
お兄様と全力でシラヌイ様を止めます。

「ワサビも連れて行けば、僕を危険に晒すことなく事にあたれるでしょう?
僕がそこに居ることも重要です。
物見遊山で、高笑いしてやる!!
借りはキッチリ返してやる!!
ディと、先生とセリの分も合わせて4倍返しだ!!」
ワハハハハ!とお兄様が仁王立ちで高笑いしていると、

「シラヌイ、また忘れられてるわよ?ガンバレ?」
ヒサギ様に慰められてるシラヌイ様が居ました。

「お兄様、私も行きたい!」
「「「ダメ!!!」」」
お兄様、ヒサギ様、シラヌイ様、即答です。
セリなんて、高速で首を横に振ってます。

「お兄様が居ても安全なんですよね?
じゃぁ、私も安全ですよね?」

「ディには、魔物討伐なんて近づいて欲しくないんだ。わかって?」

「ならば、私もお兄様に危険な事して欲しくないです!
それにほら、魔物がどういうものか知らないと、いざという時対処も出来ないです!
セリと一緒に!セリに手を握ってて貰えば良いですか?」

「手を握ってると、それこそ、いざというとき両手が使えません。
……おんぶなら?」

「おんぶもやぶさかではありませんわ!」

「ダメでしょう!!」
ヒサギ様がツッコミます。

「ディ?ご令嬢が、使用人におんぶされて登場って、ナイって!
セリもなんっつー提案してくれちゃってるの?!」
お兄様が慌てています。

「でもほら、おんぶならイケルとか、何か手だてがあれば大丈夫って事ですよね!」
「ほらぁ、ディがその気になっちゃったぁ」
お兄様が頭を抱えています。

「あのー、お嬢様を擁護するわけではないのですが…」
イチミがおずおずと口を出します。
お兄様が、お前まで何言うんだよ?と目で訴えてますが、私はキラキラと期待して先を促します。

「この家の使用人ですが、うちの商会で教育したものなので、優秀ではあります。
ありますが、普通の人間なんです。

センバの人間じゃないんです。

エミリオ様が魔物討伐に向かう時、主な戦力の皆さんはご一緒されるのですよね?

もし、エアグラフの人間が、お屋敷に残ったお嬢様を狙ってきたら、セリしかいないんですよ。

確かに警備の人間はいますが、先ほど言ったようにセンバじゃないんです。
あんまり多勢に無勢だと、厳しいかと。
ならば、センバでお二人の周りを固めた方が安全かも?

それとも
お屋敷はお屋敷で、罠にかけますか?

…シチミの報告を待ってからにした方がよろしいかと」

イチミさんが、一番冷静な常識人だった!!
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