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打倒、物語の強制力

領地軍の建て直し

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「よし、人類の危機も回避された事だし、あとは、あのクソグラフ家をどうやって潰すかよね!!」
ヒサギ様が握り拳で熱弁します。

「潰しても良いんですけど、軍がどうなってるのか、確認してからじゃないと、潰して終わりじゃないですからねぇ」
はぁーとお兄様がため息まじりに話します。

「普通、子供の仕事じゃないですけどねぇ。
まず、シチミが探って来ましょう。
私はエミリオ様の領地の仕事の手伝いで残った方が良いでしょう」
イチミが提案すると「うっし、じゃ、行ってきます♪」と嬉しそうにシチミが部屋を出ていきます。

「ヒサギ様はいつまでここに居れますの?」
「そう!エミリオくん、領主代行で良いのかしら?!」
「ええ、仕事しとけ、って丸投げされてます」
「じゃぁ、出店許可ちょうだい。ココにセンバ商会の支部出そうかと思って♪
それでしばらくココに居ようかなぁと思ってるの」
「あのー、地味に考えてた事があるのですが」
「ディ、どうしたの?」
「もし、可能なら、ダミー商会の設立って出来ます?で、私達、あんまりセンバに頼りきりじゃないですか。
お金稼ぎたいな、と思って」
「何売るの?」
「薬草とか、お薬に興味があって。いやまだ、全然これからなんですけど。
でも、将来的にお兄様の個人資産作っておかないと、イチイ嬢にドレスのプレゼントも出来ないんじゃないかと思って」
「…あのクズ共、予算全部使いそうだな」
「予算どころか、資産も減ると思いますの」
「あり得る…」
お兄様が額に手を当て天を仰ぎます。

「しかも僕達がセンバ商会にすごく良くして貰ってるの知ったら、あのクズ共、自分達もと、ツケだと言いつつ、踏み倒して、それこそ商会を潰す勢いで買い物しまくりそうだな」
「踏み倒すっていうか、私達に支払いを命じる気がしません?」
「「あり得る……」」お兄様とヒサギ様が落ち込んでしまいました。
「この領地に支店出すの諦めるわ」
「「賢明なご判断です」」お兄様も私も同意しかありません。

「でも、ディが薬草とかやりたいなら庭の一角使ったら?無駄に広いし?」
「良いんですの?」
「侯爵、もう来ない気がするし、良いんじゃね。
イチミ、後でディが庭師と話せるようにしてくれる?
ヒサギ様、苗とかお願い出来るもんです?」
「出来るわよ!成果がでそうになったら相談して。それから考えましょう」
「何から何までお世話になります」
「いいのよぉ、将来の義娘のためだと思えば♪」
「「ああ、そうだった……」」
「シラヌイ!!貴方、存在忘れられてるわよ!
前から思ってたけど、影が薄いのよ!!
センバでしょう、アピールしなさい!!
しっかりユーディリアちゃんのハートを掴んでおきなさいよっっ!!」
ヒサギ様が今度はシラヌイ様をガクガク揺らし始めました。

「あ、いや、いい意味でそばに居てくれたのが自然だったということで。
普通に頼って居ましたし。ね、お兄様?」

「ぐぬぬぬぬ、悔しいけど、戦力とか、普通に頭数に入って居たのは確かです。
が!
まだ、ディは嫁にやらん!!!
そうだ!辺境伯様を超えてからです!!」

「わかりました!
まず始めに、この領地の魔物を殲滅してきます!!
そしたら軍も必要なくて、クソグラフ家を潰しても困らないでしょう!!
お二人のためにこれほど有効な手だてがあったとは!!
行ってきます!!」

「「待って!!」」お兄様と顔を見合わせます。

「その手があったわ。
シラヌイ様、学園まであと1ヶ月、めっちゃこき使って良いんですよね?」

お兄様がニヤっと悪い笑顔で笑いました。
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