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打倒、物語の強制力

エアトル家ぱわーあっぷ。さて何が?

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センバ商会から派遣されて来た使用人の皆さんの優秀なこと!

あっという間に私達の部屋を調えてくれて、食事も大変美味しゅうございました。

その日は疲れたから休もう、ということになり、これまたあっという間に夢の中でしたわ。

そしたら次の日から、熱が出ましたの。
なんと、お兄様も一緒に。
こんなところで双子のシンクロしなくてもいいと思いますのに。
疲れが溜まったんでしょうな、と、先生。
んもう、本当に、先生に同行していただいて良かったと心から思いましたわ。

お兄様と顔を合わせたのは、もう5日も経ってからでしたわ。
「ディ、大丈夫?」
「お兄様こそ、大丈夫でしたの?」
「僕は1日で熱は下がったんだ。その後2日はベットから出して貰えなかっただけ。
でも、ディは3日も下がらなかったでしょう?
シラヌイ様なんて部屋の前でオロオロしてたんだ」
「見てたんですか?!」
「バッチリ」
シラヌイ様の顔が赤くなりました。

「お兄様、私も熱が下がって2日経ちました。
どうなったか、教えてくださいませ」

「気になるよねぇ。
まず、ここの家令は、普通に横領?なんか他の使用人の給料、ちょろまかしてやがったから、証拠品とともに、王都の裁判所に突き出してやった」
ああ、家令問題もあったんでしたわね。

「次に、使用人はヒサギ様達の尽力により解決。
あと、イチミとシチミっていたでしょ。
彼ら兄弟で、ハジカミが来るまでの従者。
ハジカミがきたら本来の役割に戻るって」
「本来の役割?」
「元々、影とか暗部っていうのかな、探るのが大好きなんだって。
趣味と実益を兼ねてます!って断言しちゃうんだよ。おかしくって。
スルッと人の懐にも入れちゃうから、すごいよねぇ。
何か、調べて欲しい事があったら、彼らに頼むといいよ」
「イチミです」「シチミです」「「末長くよろしくお願いします!!」」
綺麗なお辞儀をしてくれましたわ。
「こちらこそ、是非よろしくお願いいたしますわ」
にっこり笑って手を振ってみましたの。
「「ブフォ」こんなお貴族サマなかなか居ないね」
好感触って思って良いのよね?

「あと、王都に連れてったヤツらは、王都の屋敷で一応働いてる」
「一応?」
「王都の屋敷の使用人って質が高かったでしょう?
それに慣れだしてた侯爵が、こっちから行った使用人の出来の悪さに気づいて、クビにしたヤツも居るらしい。
大人しくこっちで紹介状貰っとけば良かったのにね。
特に、メイド。
王都っていうきらびやかな響きに憧れたんだろうね。
で、王都から、こっちに来た使用人もいるよ。
料理人なんかは結構来たよ。あと庭師やフットマン。
こっちに来たいってメイドや従者が居たんだけど、侯爵が許さなかったらしい。
快適で手放したくなかったんだったんだろうね。
で、アンに、一緒に僕達への報告書作ろうって、なだめられて、
あんまりな侯爵やクソ親父の態度をぜーーんぶ報告してやるって、新たな使命感に燃えてるらしい」

「報告書作りがストレス発散になってますの?」

「こんなことがあった、あんなことしやがった、って吐き出すのが良いらしい。
ちょっと申し訳ないから、お給料に色つけてやれって、セバスに伝えたよ。
セバスもこっちに来れなかったんだ。
ギャリクソンが居るからって、あのクズ、セバスを自分の従者にしやがった。
家令を従者に降格させておいて、侯爵直々に仕えるのは光栄だろう、だって、アホか?!
でもセバスは、侯爵の近くに居たらアスビル商会とのやり取りが良くわかるからって、僕達のために受け入れちゃっててさぁ、もう、悔しくて。

そうそう、やっぱりクソ親父は屋敷に住みだしたよ。
セバスによると、侯爵が屋敷に到着した次の日、葬式の話だ、つってクソ親父を呼び出したら、そのまま居着いたんだって。
で、その次の日には、愛人と娘も屋敷に呼んだらしい。
葬式前だよ。
あげく、参列させようとしたから、それだけは全力で止めた、とセバスが言ってた。
全力で止めるのは侯爵の役目じゃないかと思うんだが、セバスが止めたって、相変わらず頭オカシイ。
ってか、クズ具合が上がってる。
親子そろったら加速してないか?」

お兄様が一息ついて

「そして、ディ。こっから、大事な話だ」

真面目な顔しておっしゃいました。
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