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打倒、物語の強制力

幕間 チーム最終兵器ができるまで 2

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「ハジカミ、セリの相棒はワサビ、サンショウのどちらだ?」
テン爺がハジカミに確認する。

「ワサビです」

「では、御者をワサビにしようか。
エミリオ様、本当に領地の本邸に連れていかれるのか、別荘とかなのか、確認してワサビを知らせに戻します。
ハジカミ、手紙はわしがサンショウに渡してセンバ商会に走ってもらう。
お前さんは、エミリオ様が出掛けるまで側にお仕えしてる様子を見せておくべきだ。
あの伯爵、なぁんか、胡散臭いぞ?
できる事なら、サンショウに馬車を尾行させたいところだが、
……人間が2~3日一人で馬車の尾行って、できるもんかの?」

「サンショウなら、ヤル、っていうと思いますよ?」

「…じゃ、話してみるかの。エミリオ様、お嬢様、手紙は書き終わりましたか?」

「「はい」」

「では、わしがお預り致します。馬車とワサビ達の手配をしてきましょう。
お二人は、お仕事の確認もございましょう?」

「先生、ただのお医者さまですのに、いろいろ申し訳ないですわ」

「私もこの屋敷の使用人達も、みなが、貴方達を慕っております。出来ることはしたいのです。
頼れる大人を目指しておりますからな!」
そう、テン爺が胸を張った時だった。

使用人の一人が部屋に飛び込んできた。
「ぼっちゃま!シラヌイ様が突然お越しになりました!!」

「え?来る予定ないよね?」「はい、お約束などはしておりませんわ」エミリオとユーディリアは互いに顔を見合せる。

「はい、シラヌイ様もお約束はしてないと。
でも、どうしてもイヤな感じがして、お嬢様は無事かと確認に来られたと。
お顔を見たらすぐ帰るから会わせて欲しいと、いらっしゃいました」

「あーー!センバの野生の勘ってヤツ!
シラヌイ様は特に強いと辺境伯様はおっしゃってました」
ハジカミが思い出した、と言っている。

「野生の勘、で済ませていいレベルじゃなくないか?」エミリオは頭を抱えている。

「エミリオ様、お嬢様、いっそのこと、シラヌイ様も巻き込みませんか?
お嬢様の婚約内定者だと。
何か、胡乱な雰囲気を持ってはいますが、センバが目をつけている人間に手を出す程の馬鹿をする人間じゃないと思うのですが、どうでしょう?」
テン爺がエミリオに提案します。

「僕も最初そう思ったんです。ディだけでも安全の確保を、と。
でも、何か、引っ掛かったんです。双子を、と一括りにする言い方が。
先生は、アレは常識人である、という方に賭けますか?エアトル家の親戚でも?」

「…そうきましたか。
では、シラヌイ様に御者の真似事をして頂けないか、頼んでみましょう。
で、ワサビとサンショウの両方を尾行につけます。
こっちの方が格段に安全は確保されると思います」
テン爺は額に手を当て諦めたように言う。

「馬車の物理的な安全は確保されますが、周りの安全までは確保されなさそうですね?」

「ハジカミ、僕は周りの安全より、ディの安全を取るよ?」

「もちろんです♪
さりげなく、あの伯爵が巻き込まれても、それはそれは不幸な出来事でした!」

「キリっと良いこと言ったみたいな雰囲気出して、物騒なこと言うんじゃないわい。
では、シラヌイ様には、ユーディリア様の顔を見せて、後はわしが説明しましょう」

「では、各自準備怠りなくね?」
「「「「ハイ!」」」」エミリオの掛け声に全員がいい返事を返し、それぞれ動き出した。










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