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溺愛に、振り回される?振り回す?

学園のこと

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「斡旋しておいてなんだけど、ハジカミ、頑張ってるのね?」
夫人が聞いてきました。

「はい。学園の事を良く知らないイチイ嬢のためにも少し説明しましょうか」
荒ぶるお兄様から、冷静なお兄様に戻ってきました。

「貴族と試験を突破した平民は、10歳になったら王都の学園に入学します。

平民は、この学園じゃなくても平民用の学校もありますが、箔がつくし、貴族とコネが作れるかもしれませんからね、裕福な商人や、上昇志向の高い者なんかは受験するようです。

10歳から3年は一般教養、その後2年は専門科へ進みます。

そこに、飛び級制度があり、テストで合格すれば3年じゃなく、1年でも2年でも短縮できて、専門科に進めます。

その専門科は、領地経営科、淑女科、従者科、メイド科、官吏科、騎士科、魔法科。

専門科でもテストに合格すれば飛び級できて、卒業してもいいし、違う科への転属も認められます。

僕の従者として来てくれたハジカミは、1年で一般教養を終えて、今年、官吏科へ進むそうです。
一応、従者科も取っておくべきか悩んでるみたいですが、もう、従者の仕事はキチンと出来るんだから要らなくない?と言ったら、それこそ箔付けのために、従者科と騎士科取っとこうかと言ってました。

ちなみに、夫人。要ります?箔付け?」

「ハジカミ的に、その後の高等学園には、入るつもりなの?」

「迷ってるみたいです。あ、イチイ嬢に説明すると
15歳で学園卒業するじゃないですか。
そうすると、年齢的に仮成人なわけです。
そうなると、見習いとして働いてもいいし、高等学園と言って一つ上の学園へ入ってもいいんです。

そこは、学園の専門科の上級と他国の語学やマナーのより実践的なものが入ります。

そこで3年学んで、成人として卒業するわけですね」

「ハイ、質問です!」

「はい、イチイ嬢、どうぞ」

「飛び級があるのなら、私も頑張ったら天使さま達と一緒に学園行けますか?」

「残念ながら、学園は10歳からです。その前からは入れないです。
そこのスタートだけは同じにしたいようです。
多分、王家の思惑じゃないですか?
自分の所の子供より幼い子が入ったら、はなっから、そっちの子の方が優秀ってなっちゃいますから。
ただ、努力の成果は認めようって感じで、飛び級した者は高等学園なら、15歳より前に入れます。
分かりやすく優秀ってなったら、幼い方が、スカウトする方も安心安全、口先三寸で騙しやすいんでしょう」

「王家が騙してかっさらう前提かよ」

「あながち間違ってないわねぇ。
まぁ、高等学園に入るなら、さっさと入って専門取っちゃって卒業した方が箔つくわよ?
人材の争奪戦をかわせるならね。
ハジカミなら、のらりくらりとやるかしら?
入らないなら、まぁ、15歳まで色んな科を取っても良いかもね?」

「エミリオくん、実際通ってるシラヌイより詳しいって、すごいわね。
シラヌイ、こりゃ、大変よぉ」
ヒサギ様がうなずいていますが、面白がってません?
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