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幼少期
エアトル家、風前の灯
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同じテーブル内では、わりと好印象で始まったんじゃないかと思われる〝私達はマトモですよアピール作戦〞。
そうこうしてる内に、今日の主役である王族の登場となり、全員が頭を下げる。
王妃様から最初のご挨拶があった。
「皆さん、楽になさって。今回は第三王子であるエクリューシのお茶会によくお越しくださいましたわ。
エクリューシも5歳になり、鑑定式も受け、これからのために、今日はみなさんと交流を深めて行きたいと思いますわ。
さ、エクリューシ、ご挨拶なさい。」
「ハイ!母上!
ワタシは第三王子であるエクリューシ・プロシェードです。
今日は皆と仲良くなりたいとおもいます!」
「では、お茶会を始めましょう」
まずは、公爵家の皆様がいるテーブルに王子殿下が座る。
そこでひとしきり公爵家と交流した後、殿下が動くので、そしたら自由(と言う名の序列)に挨拶が始まるらしい。
お子様でも高位貴族の仲間入りのための最初の試練なのねぇ。
「まずは殿下が動くまで、のんびりしましょう」夫人にそう言われ、お茶を飲もうとした時、
何か入り口付近でザワザワしはじめた。
「困ります!第三王子殿下のお茶会が、既に始まっております。
それに、招待客は、全員出席されております!」
「ええい、子供が先に行ってしまったのだと言ってるだろう!」
怒鳴り声が響いてきた。
「ですから、招待状もきちんと確認してお通しております!人数も間違いありません!」
「そんなわけなかろう!エアトル家の保護者がここに居るのだぞ!別の人間を入れたのであろう!
父親である俺の意向を確認しないなど、エアトル家の者ではない!保護者である私に成り代わって入っている者とエアトル家の双子をつまみ出して、本来の招待客である我々を入れるべきであろう!」
怒鳴っている内容が聞こえてくるにつれ、驚愕の表情でこちらを見る招待客の皆さん。
「ウソだろ、クソ親父、招待状も無しに乗り込んで来やがったのか?!」
「お兄様…」
「アイツ、今〝我々〞って言わなかったか?
もしかして、愛人の子供連れてきたとか言わないよな?
アリエナイ……
これは、僕達が出るしかないよな…」
お兄様は、額に手を当てて、天を仰いだ。
「ディ、まずは、ここに居る皆様にお詫びをしよう。ディには、苦労させたくなかったんだけどなぁ、不甲斐ない兄でごめんね。僕の後にカーテシーで続いてね」
「お兄様、一蓮托生というものですわ。一緒に怒られましょう」
「あら、貴方達だけを矢面に立たせる訳ないでしょう?」
「へ、辺境伯夫人……」
「ええ、ここまで怒りが込み上げて来るのは、久しぶりだわ。
まずは、エミリオくん、貴方が皆様にご挨拶なさい。
出来るわね?
それで、あそこで騒いでる馬鹿とは違うのだと皆様に見せつけましょう」
「ハイ」
お兄様は一度、深呼吸をして、覚悟を決めた。
「お集まりの皆様、王家のお茶会をお騒がせするという醜態をお見せして、申し訳ございません」
ここで、お兄様はお辞儀を、私はカーテシーをする。私は顔をあげない。
「あそこで騒いでるバ、大人は私達の父親だと思われます。
これ以上、せっかくの場を乱してしまわないよう、中座させて頂きたく思います。
あれも、もれなく回収して参ります。
後日、エアトル家よりお詫びの品をお送りさせて頂きたく存じます。
何卒、本日はこれにてご容赦賜ります様、お願い申し上げます」
ここで、またお兄様はお辞儀をするのにあわせて、私も深く頭を下げる。
「センバが後見につくという意味を理解出来ない者が居ることに驚きを禁じ得ません。
この度は、これにてお暇させていただきたく。
王妃さま、後程、しっかりとご説明に伺いますわ」
辺境伯夫人の圧がスゴい。
これに王妃様も悪い笑みを浮かべて
「ええ、センバ辺境伯夫人、後日、楽しいお話を期待しているわ。
エアトル家の双子達、しっかりした挨拶を受け取ったわ。
中座を許します」
「「御慈悲に感謝致します」」
お兄様と私は、辺境伯夫人の後について席を離れた。
そうこうしてる内に、今日の主役である王族の登場となり、全員が頭を下げる。
王妃様から最初のご挨拶があった。
「皆さん、楽になさって。今回は第三王子であるエクリューシのお茶会によくお越しくださいましたわ。
エクリューシも5歳になり、鑑定式も受け、これからのために、今日はみなさんと交流を深めて行きたいと思いますわ。
さ、エクリューシ、ご挨拶なさい。」
「ハイ!母上!
ワタシは第三王子であるエクリューシ・プロシェードです。
今日は皆と仲良くなりたいとおもいます!」
「では、お茶会を始めましょう」
まずは、公爵家の皆様がいるテーブルに王子殿下が座る。
そこでひとしきり公爵家と交流した後、殿下が動くので、そしたら自由(と言う名の序列)に挨拶が始まるらしい。
お子様でも高位貴族の仲間入りのための最初の試練なのねぇ。
「まずは殿下が動くまで、のんびりしましょう」夫人にそう言われ、お茶を飲もうとした時、
何か入り口付近でザワザワしはじめた。
「困ります!第三王子殿下のお茶会が、既に始まっております。
それに、招待客は、全員出席されております!」
「ええい、子供が先に行ってしまったのだと言ってるだろう!」
怒鳴り声が響いてきた。
「ですから、招待状もきちんと確認してお通しております!人数も間違いありません!」
「そんなわけなかろう!エアトル家の保護者がここに居るのだぞ!別の人間を入れたのであろう!
父親である俺の意向を確認しないなど、エアトル家の者ではない!保護者である私に成り代わって入っている者とエアトル家の双子をつまみ出して、本来の招待客である我々を入れるべきであろう!」
怒鳴っている内容が聞こえてくるにつれ、驚愕の表情でこちらを見る招待客の皆さん。
「ウソだろ、クソ親父、招待状も無しに乗り込んで来やがったのか?!」
「お兄様…」
「アイツ、今〝我々〞って言わなかったか?
もしかして、愛人の子供連れてきたとか言わないよな?
アリエナイ……
これは、僕達が出るしかないよな…」
お兄様は、額に手を当てて、天を仰いだ。
「ディ、まずは、ここに居る皆様にお詫びをしよう。ディには、苦労させたくなかったんだけどなぁ、不甲斐ない兄でごめんね。僕の後にカーテシーで続いてね」
「お兄様、一蓮托生というものですわ。一緒に怒られましょう」
「あら、貴方達だけを矢面に立たせる訳ないでしょう?」
「へ、辺境伯夫人……」
「ええ、ここまで怒りが込み上げて来るのは、久しぶりだわ。
まずは、エミリオくん、貴方が皆様にご挨拶なさい。
出来るわね?
それで、あそこで騒いでる馬鹿とは違うのだと皆様に見せつけましょう」
「ハイ」
お兄様は一度、深呼吸をして、覚悟を決めた。
「お集まりの皆様、王家のお茶会をお騒がせするという醜態をお見せして、申し訳ございません」
ここで、お兄様はお辞儀を、私はカーテシーをする。私は顔をあげない。
「あそこで騒いでるバ、大人は私達の父親だと思われます。
これ以上、せっかくの場を乱してしまわないよう、中座させて頂きたく思います。
あれも、もれなく回収して参ります。
後日、エアトル家よりお詫びの品をお送りさせて頂きたく存じます。
何卒、本日はこれにてご容赦賜ります様、お願い申し上げます」
ここで、またお兄様はお辞儀をするのにあわせて、私も深く頭を下げる。
「センバが後見につくという意味を理解出来ない者が居ることに驚きを禁じ得ません。
この度は、これにてお暇させていただきたく。
王妃さま、後程、しっかりとご説明に伺いますわ」
辺境伯夫人の圧がスゴい。
これに王妃様も悪い笑みを浮かべて
「ええ、センバ辺境伯夫人、後日、楽しいお話を期待しているわ。
エアトル家の双子達、しっかりした挨拶を受け取ったわ。
中座を許します」
「「御慈悲に感謝致します」」
お兄様と私は、辺境伯夫人の後について席を離れた。
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