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幼少期

辺境伯御当主様 2

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先生の「お二人の希望を聞け!!」という言葉で我に返った辺境伯様が「君達はどうしたいのだ?」と意見を聞いて下さった。

お兄様の顔をみるとお兄様が一瞬、顔をくしゃっとして
「初めて自分達の希望を聞いてくれたのが、今日初めて会った赤の他人という事実に打ちのめされています」
と言った後、深呼吸して
「辺境伯様は、先生からどのように聞いていますか?」

私は、ここで頼らなきゃ、お兄様が潰れてしまう、と直感的に思ってしまって、ぶちまけた。
「私達は、親に頼った事がありません。何処まで頼っていいのですか?線引きがわかりません。結局は助けられないなら、それは無理だと後でいうのなら、希望を持たせないで!
お兄様、お兄様!」
私は感情が抑えられなくて、辺境伯様の肩に乗ってるのも、頭に掴まっていたのも忘れて、泣きながらお兄様を求めてしまった。

「ちょっと待て、頭で暴れるな、降ろすぞ!
テン爺!!俺はこの子らを連れて帰るぞ!!!」
辺境伯様は、私達を降ろしたあと、しゃがんだまま、お兄様と私を抱き締めて言い放った。

「ダメです!それは誘拐にあたります!!」

「何が来ようともセンバ一族の総力を持って迎え撃つ!!」

「戦争する気ですか?!」

「それも辞さない!!」

「無駄に問題を大きくしないで下さい!!」

「アハハハ」「ウフフフ」

「テン爺!二人が笑ったぞ!!」
そう言って私達の顔をマジマジと見ると、

「……おい、テン爺!!なんだコイツら、目茶苦茶顔が良いぞ?!」

「は?!今頃ですか?!」

「「アハハハ!!」」
お兄様と私は、物心ついて以来、初めて大声で笑った。
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