上 下
16 / 327
幼少期

お兄様との幸せのために

しおりを挟む
目覚めた日は、お勉強もお休みしなさいと、お兄様からの通達により、その日はゆっくりして、
夕食後になって、初めてお兄様とお話することが出来た。



「ディ、鑑定式のあと、馬車の中で倒れたでしょう。もう大丈夫?それと、話したい事と、関係ある?」

さすがお兄様、話が早い。

「お兄様、これから話す事は、誰にも、アンにも話していないことです。そして、今後の私達の将来にも関わって来ると思います。お願い、私を見捨てないで」

「当たり前だ!ディは僕の全てなんだ!!なんでも話して?」

お兄様の優しさが改めて嬉しくて、私は話し始めた。

「まず、鑑定式で、私の属性が表示された時に、模様がついてると言われました。
その模様ですが、自分の事だからでしょうか、意味がわかったのです。
無属性で、浄化と、鑑定がありました。
つまり私は、鑑定式を行わなくても、その人の属性などがわかるのです」

「……は?」

「そして、馬車の中で、動揺していた私をお兄様は慰めようと、手を握って下さいました。
そしたら、お兄様の魔力を感じて、勝手に鑑定が発動して、私にお兄様の情報が流れ込んできたのです。
その情報に耐えられなくて、私は倒れました」

「……は?」

「ごめんなさい、お兄様、わた…」「ちょっと待って!!ディ!!知らない情報が多すぎる!!一度僕に整理をさせて!!」
そう言って、お兄様は、口元を押さえて、ブツブツとつぶやきだした。

「ねぇ、ディ、僕の聞き間違えじゃなければ、
ディは、風属性の他に、無属性が使える、と言った?」
「はい」
「しかも、無属性は、浄化が使えて、しかも未知の鑑定というものも使えると?」
「未知ですか?鑑定式があるんですから、未知じゃなくないです?」
「いや、未知っていう言葉が悪かったの?そうじゃなくて、前代未聞でしょう!
鑑定の水晶じゃなく、個人的に鑑定が使えるなんて、どんな奴らに目をつけられるか!!
ディ、絶対、ぜぇぇぇったい、他の誰にも、しゃべっちゃダメだからね!!」
「は、はい」
「で?」
「…で?」
「いや、ごめんなさいって、謝ってたから、どうしたの?」
「あ、はい、お兄様を勝手に鑑定して見えてしまったものですから、ひとまず謝っておこうと思いましたの」
「あぁ、別にディに見られても困るものって、ないと思うけど。
ディは、僕の何が見えたの?」
「はい、お兄様は風属性で、風魔法が使えました。
その後に、グレーの文字で、竜巻、嵐、ホワイトアウトが見えました」

「…は?」

「ですから、風魔法が使えて、訓練次第で、何か条件とか満たせば、竜巻と嵐とホワイトアウトが使えるみたいです。さすがお兄様です!嵐やホワイトアウトなんて」「ちょっと待って!!」「…はい」
お兄様は再び、ブツブツつぶやき始めた。

「どうしよう、僕のディがヤバすぎる。
ディ、危機感を持って?
ディは、これから使えるかもしれない魔法もわかるってこと?その条件もわかるの?そんなこと世に知られたら、王族に飼い殺しだよ?」
「絶対イヤです!!お兄様と離れません!!」
「そうだね、僕もディと引き離されたりしたら、相手が国だろうとなんだろうと潰すもん」


…あ、これ、私の屍は越えちゃダメなヤツに引っ掛かるわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる

千環
恋愛
 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

転生したら攻略対象者の母親(王妃)でした

黒木寿々
恋愛
我儘な公爵令嬢リザベル・フォリス、7歳。弟が産まれたことで前世の記憶を思い出したけど、この世界って前世でハマっていた乙女ゲームの世界!?私の未来って物凄く性悪な王妃様じゃん! しかもゲーム本編が始まる時点ですでに亡くなってるし・・・。 ゲームの中ではことごとく酷いことをしていたみたいだけど、私はそんなことしない! 清く正しい心で、未来の息子(攻略対象者)を愛でまくるぞ!!! *R15は保険です。小説家になろう様でも掲載しています。

悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました

toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。 一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。 主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。 完結済。ハッピーエンドです。 8/2からは閑話を書けたときに追加します。 ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ 応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。 12/9の9時の投稿で一応完結と致します。 更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。 ありがとうございました!

モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?

狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?! 悪役令嬢だったらどうしよう〜!! ……あっ、ただのモブですか。 いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。 じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら 乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?

実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~

空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」 氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。 「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」 ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。 成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後

有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。 乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。 だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。 それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。 王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!? けれど、そこには……。 ※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる

レラン
恋愛
 前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。  すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?  私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!  そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。 ⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎ ⚠︎誤字多発です⚠︎ ⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎ ⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎

処理中です...