10 / 327
幼少期
元気になりました
しおりを挟む
3日たつと体のこわばりがとれ、お医者様からも、無理しないなら歩いて大丈夫でしょう、というお言葉を頂いたので、今日からベットを離れられます。
ただ一人、ベットで寝てるだけって、幼児にはツラい。
ってか、よく幼児を一人にしといたな?!と、若干の驚きと共に、私の扱いの悪さを目の当たりにしたわけで。
一応、お父様には、私が怪我をして寝込んでいると報告はしたらしい。
そうしたら、私が動けないなら、たいした世話など必要ないだろうから、アンはお兄様についているように、とお父様に命令されたらしい。
アンが、私から離れる事を、不甲斐ない使用人で申し訳ないと謝りながら、教えてくれた。
アンは悪くないけどさ、ないんだけどさ、
怪我した幼児を一人で放置させる親ってどうよ?!!
いやぁ、前世の記憶を思い出してなかったら、ただの4歳児にこの境遇は耐えられなかったろうなぁ、なんて、軽く現実逃避しながらも、私達の背景を早急に知らなければ、とマジで思った3日間だった。
まぁ、動いていい許可も出た事だし、とりあえず、書庫に行って、文字が読めるのかどうかの確認と、読めるなら、我が家の歴史なんかを調べてみようかしら、と、ベットから降りようとした時、バーンと扉が開いて、お兄様がタックルしてきて、私は再びベットに転がる事になった。
「ディ、動いていいとお医者様から聞いたよ。体はもう全然辛くないの?
ってか、なんで一人?一人でベットから降りようとしてるの?え、ディの侍女は何してるの?」
お兄様は、私に抱きつきながらも、最後は声を荒らげながら、後ろから付いてきた男性に声をかけた。
「お嬢様には、まだ侍女がついておりません」
「は?!」
「アンが乳母としてついておりますれば…」
「はぁぁぁぁ?!アンしか居ないって、どーゆー事?!」
「旦那様の方針でし……」「はぁぁぁぁ?!!あんのクソオヤジ、ぜってぇシメ…」「おぼっちゃま!!それ以上はなりません!!」
「アン……」
「おぼっちゃまが悔しいのは分かりますが、おぼっちゃま達はまだ子供なのです。親の庇護が必要な…」
「庇護も、養育もしてもらっていない!育ててくれたのは、屋敷の者達だ!親達ではない!!」
「おぼっちゃま……」
「ゴメンね、ディ、僕にもっと力があれば、ディも守れるのに、ゴメンね、ディ、ディ」
「お兄様は、何も悪くありません。
お兄様がいなければ、私はとっくにおかしくなっています。
お兄様、私はお兄様の妹で幸せです。
ですから、どうか、私にも教えてくださいませ。
お兄様が、戦っているもの、私にも分けてくださいませ。
何も知らずに居るのが辛いのです」
「ディ、ディは僕の妹なんだ、たった一人の家族なんだ。僕が守りたいんだ」
「お兄様、私もお兄様が一番大事です。お兄様が私を守りたいと思ってくれてるけれど、私はお兄様の隣に立ちたい。お兄様のお役に立ちたい。私では足手まといですか、お兄様のように、完璧でない私では、お兄様と一緒に居られませんか。何を努力すればいいですか。お兄様、お願い、遠くへ行かないで、行くなら一緒に連れてって、わだ、わだじを置いて、い、い"か"な"い"て"ぇぇぇ」
そう言って私はお兄様にすがり付いて泣き出してしまった。
「ディ、ディ、置いていかない、一緒だよ、ディに嫌な思いをさせたくなかったけど、そうだね、ディはこんなに分かっているんだもの、知らないって不安だよね。
僕の知ってる範囲で教えるよ。どんだけうちの親がクズ「おぼっちゃま?!!」いや、ディには知る権利がある」
そしてお兄様は話してくれたのだ。
うちの両親のクズっぷりを。
ただ一人、ベットで寝てるだけって、幼児にはツラい。
ってか、よく幼児を一人にしといたな?!と、若干の驚きと共に、私の扱いの悪さを目の当たりにしたわけで。
一応、お父様には、私が怪我をして寝込んでいると報告はしたらしい。
そうしたら、私が動けないなら、たいした世話など必要ないだろうから、アンはお兄様についているように、とお父様に命令されたらしい。
アンが、私から離れる事を、不甲斐ない使用人で申し訳ないと謝りながら、教えてくれた。
アンは悪くないけどさ、ないんだけどさ、
怪我した幼児を一人で放置させる親ってどうよ?!!
いやぁ、前世の記憶を思い出してなかったら、ただの4歳児にこの境遇は耐えられなかったろうなぁ、なんて、軽く現実逃避しながらも、私達の背景を早急に知らなければ、とマジで思った3日間だった。
まぁ、動いていい許可も出た事だし、とりあえず、書庫に行って、文字が読めるのかどうかの確認と、読めるなら、我が家の歴史なんかを調べてみようかしら、と、ベットから降りようとした時、バーンと扉が開いて、お兄様がタックルしてきて、私は再びベットに転がる事になった。
「ディ、動いていいとお医者様から聞いたよ。体はもう全然辛くないの?
ってか、なんで一人?一人でベットから降りようとしてるの?え、ディの侍女は何してるの?」
お兄様は、私に抱きつきながらも、最後は声を荒らげながら、後ろから付いてきた男性に声をかけた。
「お嬢様には、まだ侍女がついておりません」
「は?!」
「アンが乳母としてついておりますれば…」
「はぁぁぁぁ?!アンしか居ないって、どーゆー事?!」
「旦那様の方針でし……」「はぁぁぁぁ?!!あんのクソオヤジ、ぜってぇシメ…」「おぼっちゃま!!それ以上はなりません!!」
「アン……」
「おぼっちゃまが悔しいのは分かりますが、おぼっちゃま達はまだ子供なのです。親の庇護が必要な…」
「庇護も、養育もしてもらっていない!育ててくれたのは、屋敷の者達だ!親達ではない!!」
「おぼっちゃま……」
「ゴメンね、ディ、僕にもっと力があれば、ディも守れるのに、ゴメンね、ディ、ディ」
「お兄様は、何も悪くありません。
お兄様がいなければ、私はとっくにおかしくなっています。
お兄様、私はお兄様の妹で幸せです。
ですから、どうか、私にも教えてくださいませ。
お兄様が、戦っているもの、私にも分けてくださいませ。
何も知らずに居るのが辛いのです」
「ディ、ディは僕の妹なんだ、たった一人の家族なんだ。僕が守りたいんだ」
「お兄様、私もお兄様が一番大事です。お兄様が私を守りたいと思ってくれてるけれど、私はお兄様の隣に立ちたい。お兄様のお役に立ちたい。私では足手まといですか、お兄様のように、完璧でない私では、お兄様と一緒に居られませんか。何を努力すればいいですか。お兄様、お願い、遠くへ行かないで、行くなら一緒に連れてって、わだ、わだじを置いて、い、い"か"な"い"て"ぇぇぇ」
そう言って私はお兄様にすがり付いて泣き出してしまった。
「ディ、ディ、置いていかない、一緒だよ、ディに嫌な思いをさせたくなかったけど、そうだね、ディはこんなに分かっているんだもの、知らないって不安だよね。
僕の知ってる範囲で教えるよ。どんだけうちの親がクズ「おぼっちゃま?!!」いや、ディには知る権利がある」
そしてお兄様は話してくれたのだ。
うちの両親のクズっぷりを。
106
お気に入りに追加
275
あなたにおすすめの小説
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました
toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。
一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。
主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。
完結済。ハッピーエンドです。
8/2からは閑話を書けたときに追加します。
ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。
12/9の9時の投稿で一応完結と致します。
更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。
ありがとうございました!
転生したら攻略対象者の母親(王妃)でした
黒木寿々
恋愛
我儘な公爵令嬢リザベル・フォリス、7歳。弟が産まれたことで前世の記憶を思い出したけど、この世界って前世でハマっていた乙女ゲームの世界!?私の未来って物凄く性悪な王妃様じゃん!
しかもゲーム本編が始まる時点ですでに亡くなってるし・・・。
ゲームの中ではことごとく酷いことをしていたみたいだけど、私はそんなことしない!
清く正しい心で、未来の息子(攻略対象者)を愛でまくるぞ!!!
*R15は保険です。小説家になろう様でも掲載しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?
狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?!
悪役令嬢だったらどうしよう〜!!
……あっ、ただのモブですか。
いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。
じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら
乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?
なんでそんなに婚約者が嫌いなのかと問われた殿下が、婚約者である私にわざわざ理由を聞きに来たんですけど。
下菊みこと
恋愛
侍従くんの一言でさくっと全部解決に向かうお話。
ご都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる