109 / 116
3章 王子サマの帰省
あら、こんなところに……カブトムシ?
しおりを挟む
「獲ったどぉぉぉぉーー!!……う“ぉぁーー?!」
獲ったど、の声が聞こえた途端、紀伊助は能力を解除したため、柊路の氷柱の真ん中が空洞となり、氷柱自身の重さも相まって、氷柱がポッキリ折れた。
そのため、獲ったど、の後に変な叫び声も追加された。
柊路が慌てて新雪を2メートル近く出し、剛磨自身も金属で身体強化したため、とりあえず、事なきを得た。
「ッチ」
紀伊助の地味ぃな舌打ちが聞こえたのは、並男だけだった。
「で、何を獲って来たんです?」
篁さんが興味津々で剛磨に尋ねる。
「これです!!!」
「「「……はぁ?!」」」
紀伊助、篁さん、並男の声が揃った。
それもそうだろう。
剛磨の手に握られていたのは、胴体が金色に輝くカブトムシだった。
「え?ココ、ヘラクレスオオカブトの生息地じゃないのよ?!」
「逃げ出したのが、野生化したんでしょうか?
ってか、ヘラクレスオオカブトったって、胴体、金色になります?!」
「逃げ出した所で、生き延びられるもんでしょうかねぇ?
よくまぁ、こんな目立つ色合いで、良く生き残ったもんですねぇ?」
紀伊助、並男、篁さんもあまりの事にびっくりしている。
しかし、回りが驚いてると、冷静になったのか、
「……ってか、カブトムシのために、こんなに大騒ぎしたの?
ムキムキマッチョのいい大人なのよ、剛磨?」
紀伊助が、目の笑っていない笑顔を剛磨に向ける。
「いや、違うのだッ、いや、違わなくないのだが、そのだな、これには、その、あの……」
剛磨がすぐさま地べたに正座し、しどろもどろになっていると
「小さいダンナぁ、そう怒らねぇでくだせぇまし」
どっかから声が聞こえた。
今度は全員がビックリし、辺りを見回すが誰も居ない。
すると「もっきゅ!」六華が一声鳴いた。
「へい、すいやせん、姐さん、礼儀のなってない新参者でやんす。堪忍してくだせぇまし」
ギギギギギと音がしそうな程、ぎこちない動作で
全員が剛磨の手に握られたカブトムシを見る。
「へい、どちらの皆さまも、お初にお目にかかりやす。
まずは、ご挨拶からさせておくんなせぇ。
今日からこの大きいダンナの相棒を務めさして頂きたく、罷り越しやした、
ヘラクレスオオカブトでやんす。名前はまだ無ぇでござんす。
大きいダンナに是非とも付けて頂けりゃ、これに勝る幸せはございやせん」
「「「カブトムシがしゃべったぁ!!!」」」
紀伊助、篁さん、並男の叫び声が響く。
本日2度目、鳥達が一斉に羽ばたいた 。
獲ったど、の声が聞こえた途端、紀伊助は能力を解除したため、柊路の氷柱の真ん中が空洞となり、氷柱自身の重さも相まって、氷柱がポッキリ折れた。
そのため、獲ったど、の後に変な叫び声も追加された。
柊路が慌てて新雪を2メートル近く出し、剛磨自身も金属で身体強化したため、とりあえず、事なきを得た。
「ッチ」
紀伊助の地味ぃな舌打ちが聞こえたのは、並男だけだった。
「で、何を獲って来たんです?」
篁さんが興味津々で剛磨に尋ねる。
「これです!!!」
「「「……はぁ?!」」」
紀伊助、篁さん、並男の声が揃った。
それもそうだろう。
剛磨の手に握られていたのは、胴体が金色に輝くカブトムシだった。
「え?ココ、ヘラクレスオオカブトの生息地じゃないのよ?!」
「逃げ出したのが、野生化したんでしょうか?
ってか、ヘラクレスオオカブトったって、胴体、金色になります?!」
「逃げ出した所で、生き延びられるもんでしょうかねぇ?
よくまぁ、こんな目立つ色合いで、良く生き残ったもんですねぇ?」
紀伊助、並男、篁さんもあまりの事にびっくりしている。
しかし、回りが驚いてると、冷静になったのか、
「……ってか、カブトムシのために、こんなに大騒ぎしたの?
ムキムキマッチョのいい大人なのよ、剛磨?」
紀伊助が、目の笑っていない笑顔を剛磨に向ける。
「いや、違うのだッ、いや、違わなくないのだが、そのだな、これには、その、あの……」
剛磨がすぐさま地べたに正座し、しどろもどろになっていると
「小さいダンナぁ、そう怒らねぇでくだせぇまし」
どっかから声が聞こえた。
今度は全員がビックリし、辺りを見回すが誰も居ない。
すると「もっきゅ!」六華が一声鳴いた。
「へい、すいやせん、姐さん、礼儀のなってない新参者でやんす。堪忍してくだせぇまし」
ギギギギギと音がしそうな程、ぎこちない動作で
全員が剛磨の手に握られたカブトムシを見る。
「へい、どちらの皆さまも、お初にお目にかかりやす。
まずは、ご挨拶からさせておくんなせぇ。
今日からこの大きいダンナの相棒を務めさして頂きたく、罷り越しやした、
ヘラクレスオオカブトでやんす。名前はまだ無ぇでござんす。
大きいダンナに是非とも付けて頂けりゃ、これに勝る幸せはございやせん」
「「「カブトムシがしゃべったぁ!!!」」」
紀伊助、篁さん、並男の叫び声が響く。
本日2度目、鳥達が一斉に羽ばたいた 。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
オレは視えてるだけですが⁉~訳ありバーテンダーは霊感パティシエを飼い慣らしたい
凍星
キャラ文芸
幽霊が視えてしまうパティシエ、葉室尊。できるだけ周りに迷惑をかけずに静かに生きていきたい……そんな風に思っていたのに⁉ バーテンダーの霊能者、久我蒼真に出逢ったことで、どういう訳か、霊能力のある人達に色々絡まれる日常に突入⁉「オレは視えてるだけだって言ってるのに、なんでこうなるの??」霊感のある主人公と、彼の秘密を暴きたい男の駆け引きと絆を描きます。BL要素あり。
鬼の御宿の嫁入り狐
梅野小吹
キャラ文芸
▼2025.2月 書籍 第2巻発売中!
【第6回キャラ文芸大賞/あやかし賞 受賞作】
鬼の一族が棲まう隠れ里には、三つの尾を持つ妖狐の少女が暮らしている。
彼女──縁(より)は、腹部に火傷を負った状態で倒れているところを旅籠屋の次男・琥珀(こはく)によって助けられ、彼が縁を「自分の嫁にする」と宣言したことがきっかけで、羅刹と呼ばれる鬼の一家と共に暮らすようになった。
優しい一家に愛されてすくすくと大きくなった彼女は、天真爛漫な愛らしい乙女へと成長したものの、年頃になるにつれて共に育った琥珀や家族との種族差に疎外感を覚えるようになっていく。
「私だけ、どうして、鬼じゃないんだろう……」
劣等感を抱き、自分が鬼の家族にとって本当に必要な存在なのかと不安を覚える縁。
そんな憂いを抱える中、彼女の元に現れたのは、縁を〝花嫁〟と呼ぶ美しい妖狐の青年で……?
育ててくれた鬼の家族。
自分と同じ妖狐の一族。
腹部に残る火傷痕。
人々が語る『狐の嫁入り』──。
空の隙間から雨が降る時、小さな体に傷を宿して、鬼に嫁入りした少女の話。

夢の中でもう一人のオレに丸投げされたがそこは宇宙生物の撃退に刀が重宝されている平行世界だった
竹井ゴールド
キャラ文芸
オレこと柊(ひいらぎ)誠(まこと)は夢の中でもう一人のオレに泣き付かれて、余りの泣き言にうんざりして同意するとーー
平行世界のオレと入れ替わってしまった。
平行世界は宇宙より外敵宇宙生物、通称、コスモアネモニー(宇宙イソギンチャク)が跋扈する世界で、その対策として日本刀が重宝されており、剣道の実力、今(いま)総司のオレにとってはかなり楽しい世界だった。
皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜
菰野るり
キャラ文芸
皇帝陛下はお年頃。
まわりは縁談を持ってくるが、どんな美人にもなびかない。
なんでも、3年前に一度だけ出逢った忘れられない女性がいるのだとか。手がかりはなし。そんな中、皇太后は自ら街に出て息子の嫁探しをすることに!
この物語の皇太后の名は雲泪(ユンレイ)、皇帝の名は堯舜(ヤオシュン)です。つまり【後宮物語〜身代わり宮女は皇帝陛下に溺愛されます⁉︎〜】の続編です。しかし、こちらから読んでも楽しめます‼︎どちらから読んでも違う感覚で楽しめる⁉︎こちらはポジティブなラブコメです。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる