107 / 116
3章 王子サマの帰省
ボケ回収要員
しおりを挟む
先頭を歩いていた紀伊助だったが、いかんせん幼児の歩みである。
後ろが詰まる。
安定の剛磨の肩に乗り、行き先を示すと剛磨が進む。
バツグンの進行速度である。
剛磨の隣を懐にオコジョを入れた柊路が歩き
後ろに篁さんと並男が並んで歩いている。
「篁さん、なぜ、なぜ自分はココに居るんでしょう……」
「え?並男くん、キミ、まだ諦めてなかったの?」
「諦めたら、そこで試合終了じゃないですか?!」
「人間、いや、獄卒だって、諦めが肝心な時もある。今がまさにそうなんだよ。
それに、ココに1人で置いていかれたって、キミ、どうしようもないでしょう?
それこそサバイバルだよ?」
「ド正論?!」
「うん、やっぱ並男連れてきて正解なの。樹魅が居ない分のツッコミ不足解消なの」
「え、自分、まさかのツッコミ要員?!」
「ああ、本当だねぇ、ちゃんと欲しい所でツッコミがあると安心するねぇ。
樹魅が居なくて、ボケの流し打ちか状態かと思ったけど、大丈夫そうだねぇ」
篁さんがクツクツ笑う。
「いやいや、樹魅サマ、連れてくれば良いだけですよね、ね?!」
「それこそ何言ってるの。菅公1人で、焔矢の面倒見ながら通常業務させるって、
鬼なの? あ、鬼なの。獄卒なの。
やだ、1人ノリツッコミしちゃったの。並男、もっとしっかりするの」
「いやいやいやいや、ムリです!!」
焦る並男と、並男で遊ぶ紀伊助を見ながら、篁さんが
「確かに、菅公1人に焔矢の面倒見させたら、きっと焔矢の泣き落としに負けて連れてくるでしょうねぇ。
今回は炎乃香が関わってますから、焔矢に来られると、厄介ですねぇ」
「そうなの!!北の大地が炎の大地に変わるの!!環境が殺戮されつくすの!!不毛の砂漠地帯になるの!!」
「炎乃香の地という前例が有りますからねぇ」
「「あーー……」」
並男と、思わず剛磨も遠い目になるのだった。
後ろが詰まる。
安定の剛磨の肩に乗り、行き先を示すと剛磨が進む。
バツグンの進行速度である。
剛磨の隣を懐にオコジョを入れた柊路が歩き
後ろに篁さんと並男が並んで歩いている。
「篁さん、なぜ、なぜ自分はココに居るんでしょう……」
「え?並男くん、キミ、まだ諦めてなかったの?」
「諦めたら、そこで試合終了じゃないですか?!」
「人間、いや、獄卒だって、諦めが肝心な時もある。今がまさにそうなんだよ。
それに、ココに1人で置いていかれたって、キミ、どうしようもないでしょう?
それこそサバイバルだよ?」
「ド正論?!」
「うん、やっぱ並男連れてきて正解なの。樹魅が居ない分のツッコミ不足解消なの」
「え、自分、まさかのツッコミ要員?!」
「ああ、本当だねぇ、ちゃんと欲しい所でツッコミがあると安心するねぇ。
樹魅が居なくて、ボケの流し打ちか状態かと思ったけど、大丈夫そうだねぇ」
篁さんがクツクツ笑う。
「いやいや、樹魅サマ、連れてくれば良いだけですよね、ね?!」
「それこそ何言ってるの。菅公1人で、焔矢の面倒見ながら通常業務させるって、
鬼なの? あ、鬼なの。獄卒なの。
やだ、1人ノリツッコミしちゃったの。並男、もっとしっかりするの」
「いやいやいやいや、ムリです!!」
焦る並男と、並男で遊ぶ紀伊助を見ながら、篁さんが
「確かに、菅公1人に焔矢の面倒見させたら、きっと焔矢の泣き落としに負けて連れてくるでしょうねぇ。
今回は炎乃香が関わってますから、焔矢に来られると、厄介ですねぇ」
「そうなの!!北の大地が炎の大地に変わるの!!環境が殺戮されつくすの!!不毛の砂漠地帯になるの!!」
「炎乃香の地という前例が有りますからねぇ」
「「あーー……」」
並男と、思わず剛磨も遠い目になるのだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
【完結】パンでパンでポン!!〜付喪神と作る美味しいパンたち〜
櫛田こころ
キャラ文芸
水乃町のパン屋『ルーブル』。
そこがあたし、水城桜乃(みずき さくの)のお家。
あたしの……大事な場所。
お父さんお母さんが、頑張ってパンを作って。たくさんのお客さん達に売っている場所。
あたしが七歳になって、お母さんが男の子を産んだの。大事な赤ちゃんだけど……お母さんがあたしに構ってくれないのが、だんだんと悲しくなって。
ある日、大っきなケンカをしちゃって。謝るのも嫌で……蔵に行ったら、出会ったの。
あたしが、保育園の時に遊んでいた……ままごとキッチン。
それが光って出会えたのが、『つくもがみ』の美濃さん。
関西弁って話し方をする女の人の見た目だけど、人間じゃないんだって。
あたしに……お父さん達ががんばって作っている『パン』がどれくらい大変なのかを……ままごとキッチンを使って教えてくれることになったの!!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる