地獄の王子サマ

犬丸大福

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3章 王子サマの帰省

だから実家に帰省するの!

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「格を上げるじゃと?」
「何故、今?」
菅公と篁さんが顔を見合せる。

「ってか、どうやって?」
「それで、何故、紀伊助の実家に?」
「なぁなぁ、カクってナニ?」
樹魅、剛磨、焔矢も首をかしげる。

「疑問しかない説明……」
「ソレな!ってヤツですね」
「また篁さん、中途半端な若者言葉を仕入れてきて……」
柊路、篁さん、樹魅である。

「だから、実家に帰るの!!」

「「「「いやどこが、だから、なの???」」」」
菅公、篁さん、樹魅、剛磨の声が揃った。

「なぁなぁ、だから、カクって何なの?」
焔矢だけは我が道を往く。
わちゃわちゃトリオはお菓子に夢中のようだ。


「ひとまず、落ち着くことにしようの」
「えぇ、紀伊助には、こちらの質問に答えてもらった方が良さそうです。」
菅公と篁さんが、場を仕切り直す。

「まず、焔矢が言った、格を上げるとは、
まぁ、ものすごく単純で、極端に言えば、妖からランクアップして神格を持つということじゃの」
「そこまでは一気に上がらないでしょうけどねぇ」
「まぁ、無理じゃな。
でも、まぁ、なんというかなぁ、化け狐から、稲荷神社の遣いになるようなもんかの」
菅公が説明すると、焔矢も「なんとなくわかった!」と返す。

「で、なんで今なんでしょうねぇ」
篁さんが言うと
「そんなの、あのクソ婆ぁのいつもの気まぐれに決まってるの。きっと、どっかの妖に何か言われて、カチンと来たから上位に立とうとしただけじゃないの。あれは、自分の欲に忠実だもの!!」
紀伊助が切って捨てるように言い放つ。

「そんなことより!!
本来なら徳を積んで長い時間をかけて上げていくものを、アホの閻魔がアレにズルを教えたのが問題なの!!
アレの格なんて上がったら、未熟な思考に拍車がかかって、頭の中がお花畑じゃ済まないよ!百花繚乱咲き乱れるよ?!」
紀伊助が、真っ赤に怒って叫んでいる。

「頭の中が百花繚乱……」
「わかる気がするのぅ…」
樹魅と菅公が遠い目をする。

「え?ズルする方法があると?」
篁さんが驚いて尋ねる。

「本来なら無理なの!知ってても出来ないの!
でも、あのクソ婆ぁに関しては出来てしまうの!
自分と違う属性で格上のモノの身体の一部を自分に取り込むこと。
母さまとイワママの、髪の毛1本でも自分で燃やして取り込めばいいんだもの!!」

「「「マズイじゃろうが?!」でしょうが?!」」
菅公、篁さん、樹魅の声が揃った。
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