地獄の王子サマ

２章 王子サマと愉快な仲間達

ゾウはいつの間にか入会済 ③

ケーキも並べられ、新しいお茶も淹れられた。

「いやもうねぇ、焔矢を真人間ならぬ真獄卒にしたい、というか、しないと獄卒達に示しがつかないわけですよ！女房役の焔朱さん、そこんところ、どうお考えで？僕達は獄卒の上に立つ者として役職手当もついてるし、仕事しない奴になんて誰もついていきたくないじゃないですか！ハッキリいって今のアイツに役職手当をつけたくない！というか、一回一般獄卒からやり直して欲しいぐらいだけど、無駄に能力値高いんだよ！馬鹿火力ありやがるでしょう？感情高ぶって変な所で火吹かれちゃ獄卒が怪我するでしょう！ただでさえ、クレーマーな罪人達を相手にするんだから。アイツ絶対キレると思うんだよね、いやむしろ罪人の罪の精算にアイツの火力使っちゃう？！んもう、そっちに回すべき？！」

「樹魅ちゃん、息継ぎして！！」

「ハッ！」

「樹魅、溜め込んでるの～」

「パ、パオぉン」
(も、申し訳ないわ)

「焔朱ちゃんが謝ることないのよぉん。
だって、自分を律するのはぁやっぱ自分自身よぉ。
大事なものが出来たとき、どうなるかでその人の価値が分かると思うわぁ。
そうなると、今の焔矢ちゃんは落第よねぇ。
今、それを分からせるべきよぉ。
ってことで、焔朱ちゃん、女房役の見せ所よぉん！！」

「パ、パオ？」
(え、何をすれば良いの？)

「焔朱さんは、なんと言ってるので？」

「何をすれば良い？ですって！んもう、健気で可愛いんだからぁ♡」

「焔矢矯正計画にご協力頂けるってことで、良いですね？！言質取りましたよ！！」

「こんな可愛い子を困らせるなんて、焔矢ちゃん、んもう、
メッ(キラン)だわぁ」

メッの時の牛頭マムの顔が肉食動物の捕獲者の目だったことに気づいたのは紀伊助だけだった。