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1章 王子サマの日常
視察の後の大叫喚地獄
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詐欺師が落ちてくる大叫喚地獄。
死活等処では、青蓮花や極楽の、
唐悕望処では、ご馳走の、
それぞれのプロジェクションマッピングの開発が行われた。
それ自体はできたのだが。
投影するのに、やはり問題が出た。
ホドホドの煙では映らないのである。
なので、最初は大型スクリーンのように白い布を吊るしてみたが、
白い布が明らかに周りの景色から浮いていて、不自然だった。
もう、そこで、大幅に地形を変えてみる?という話になり、紀伊助が呼ばれた。
そこでやって来たのが、紀伊助を肩に乗せた剛磨と、変なことをやらないように監視する樹魅の3人である。
「地形を変えるって、どう言うことなの?」
コテン、と首をかしげた紀伊助が尋ねる。
「罪人達を火炙りにする火は、少し窪んだ所から吹き出していて、それを利用して突き落とす的な感じにしてるじゃないですか。
いっそのこと、罪人が落ちる所を、洞窟のようにして、向こうに光が!ってなった方が、罪人達も勢い良く突進してくれるのでは?と。
で、少し傾斜を付けて、下り坂にすれば、より一層、ダイブしてくれるのではないか?と。」
「しかも、洞窟的にすれば、出口の見える景色が限られるじゃないですか。
それなら、そこから見える部分に白い布を張れば周りの景色から浮こうが、洞窟の中から見て、違和感なければOKかな、と」
「さらに、ほの暗い場所で獄卒に責められたら、明るい所へ逃げやすくなると」
「ふ~ん。洞窟掘るって、やったことないの。できるかなぁ。
落とす場所、どこ?
そこに向けて横穴掘る感じ?たぁ~」
相変わらず気の抜けた気合いを入れて地面に手をつく紀伊助。
すると、地面に穴があき、斜め下に向かっている。
「うん。穴が不自然だね」
「山のトンネルなら分かるけど、地面に横穴ってやっぱ無理があったか」
「ああ、山にしちゃう?
そこに罪人を追い立てる?土地はあるんだし?」
「あのさぁ、キミ達、試しにやってみて、って、やめてくれない?!
計画とシュミレーションしてから、僕達の所にあげてよ。
僕達もそこまで暇じゃないからね?!」
「「「何事もやってみなきゃ分からんでしょう!」」」
「ある程度の予想は出きるでしょう?!
開発部、それこそグラフィックデザインとかCADとか、使えるよね?!専門だよね?!」
樹魅がキレ気味である。
「あ、コイツら過程も遊んでやがるの?埋めるのよ?」
紀伊助も、ニッコリ笑って脅している。
「「「計画のやり直ししてきます!」」」
逃げ足の早い開発部であった。
死活等処では、青蓮花や極楽の、
唐悕望処では、ご馳走の、
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投影するのに、やはり問題が出た。
ホドホドの煙では映らないのである。
なので、最初は大型スクリーンのように白い布を吊るしてみたが、
白い布が明らかに周りの景色から浮いていて、不自然だった。
もう、そこで、大幅に地形を変えてみる?という話になり、紀伊助が呼ばれた。
そこでやって来たのが、紀伊助を肩に乗せた剛磨と、変なことをやらないように監視する樹魅の3人である。
「地形を変えるって、どう言うことなの?」
コテン、と首をかしげた紀伊助が尋ねる。
「罪人達を火炙りにする火は、少し窪んだ所から吹き出していて、それを利用して突き落とす的な感じにしてるじゃないですか。
いっそのこと、罪人が落ちる所を、洞窟のようにして、向こうに光が!ってなった方が、罪人達も勢い良く突進してくれるのでは?と。
で、少し傾斜を付けて、下り坂にすれば、より一層、ダイブしてくれるのではないか?と。」
「しかも、洞窟的にすれば、出口の見える景色が限られるじゃないですか。
それなら、そこから見える部分に白い布を張れば周りの景色から浮こうが、洞窟の中から見て、違和感なければOKかな、と」
「さらに、ほの暗い場所で獄卒に責められたら、明るい所へ逃げやすくなると」
「ふ~ん。洞窟掘るって、やったことないの。できるかなぁ。
落とす場所、どこ?
そこに向けて横穴掘る感じ?たぁ~」
相変わらず気の抜けた気合いを入れて地面に手をつく紀伊助。
すると、地面に穴があき、斜め下に向かっている。
「うん。穴が不自然だね」
「山のトンネルなら分かるけど、地面に横穴ってやっぱ無理があったか」
「ああ、山にしちゃう?
そこに罪人を追い立てる?土地はあるんだし?」
「あのさぁ、キミ達、試しにやってみて、って、やめてくれない?!
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僕達もそこまで暇じゃないからね?!」
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「ある程度の予想は出きるでしょう?!
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樹魅がキレ気味である。
「あ、コイツら過程も遊んでやがるの?埋めるのよ?」
紀伊助も、ニッコリ笑って脅している。
「「「計画のやり直ししてきます!」」」
逃げ足の早い開発部であった。
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