地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

大焦熱地獄 ②

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「では、あらためて、今日の視察は大焦熱地獄です!!」
樹魅が無理矢理立ち直った。

「では、ご案内させて頂きます!
大焦熱地獄第一班班長、極メル鬼と書きまして、極鬼キキと申します!よろしくお願いします!!」

「字面はスゴいけど、音はカワイイ」紀伊助がボソっとつぶやくと

「良く言われます!
字面だけ見てゴキと言ったら、G虫っぽいので、殴ります!
条件反射ですので、お気をつけ下さい!」

「「「おおぅふ」」」
びっくりする樹魅、紀伊助、剛磨と
「濃ゆいなぁ」
ケタケタ笑う焔矢。

ちなみに、焔矢の猪頭は、麦わら帽のように紐で肩に掛かっている。
視界が悪くて邪魔だったに違いない。
それを見越して、紐を着けてくれたのは、篁さんである。
地味にオカン2号である。

「続けます!!
ご存知かとは思いますが、大焦熱地獄は、今までの罪に加え、犯持戒人はんじかいじんという、特に清らかな者を犯した者が落ちます!

特に清らかな者とは、子供、あと仏教的に男女供に僧侶であります!

つまり、一時期流行った〝イエスロリータノータッチ!〞破った愚か者が来ます!!

あと、恩人の家族を襲った者、レイプ犯なども対象です!」

「「「「うん、そんな奴ら落ちて当然」」」」

「自分もそう思います!
で、ココの責め苦は、基本火炙りです。
焔矢殿と母上殿がこちらで演習をなさっているので、ご存知かと思いますが、
ココは常にどこかで火を噴いてます。
一応、その周期も分かっていますので、火を噴く時間前にそのエリアに罪人を縛って放り込みます。
そうすると、勝手にこんがりローストされます。
我々の仕事は、その周期に合わせて、罪人を捕まえ縛り上げ、そこに運ぶ事です!」

「困っている事はありますか?」

「一度に大量には運べない事でしょうか。
縛り上げても暴れますからね、台車等に乗せても落っこちるんですよ。
でも、我々も、手が2本しかありませんから、2人しか運べませんし。
引きずればもっと運べますが、縄は切れますし」

「ココですねっ!」
樹魅が嬉々として言う。

「何がココなんでしょう?」

「等括地獄で、牛頭馬頭さんのご親戚が働いてらっしゃったんですが、
そんな生ぬるい所じゃ申し訳ないと思いまして、
もっと下の地獄で働きませんか?とお誘いしましたら、ご承諾頂けましてねぇ、
何処か良いところ無いかと思ってたんですよ!
ココなら牛頭馬頭さんのご親戚も、思う存分走れましょう!!」

「と、言いますと?」

「獄卒の皆さんは、罪人を有刺鉄線で縛っていただき、それを牛頭馬頭ファミリーズに取り付けた器具にセットして頂きます。
あとは、現場まで、牛頭馬頭ファミリーズに市中引き回ししながら走って頂きましょう!!
で、現場で獄卒さん達に放り投げていただく、と。
現場に番号振っても良いかもですね。3番までお願いします、的な。
こんな感じで、牛頭馬頭ファミリーズと連携して頂いて、実際のやり方は現場の皆さんに任せます」

「運ぶのは専門の方にお任せして、我々は、荷物の積み込み、積み降ろし作業というわけですねっ!!!」

「イエス!!あ、有刺鉄線にはお気をつけください。
ただの針金の方が良ければ、それでも大丈夫です。
消耗品ですから、針金の方が良いですかね」

「「「オオオオ!!!解決だァァァァ!!!」」」


班長さんも牛頭馬頭ファミリーズも一挙に解決しそうである。
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