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1章 王子サマの日常
叫喚地獄 ②
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連れて行かれたエリアは
分別苦処。
「ココは、使用人など、身分の低い者に無理やり酒を飲ませ、動物を殺させた者が落ちます。
その罪自体、いまいち意味が分かりませんが。
何がしたかったんでしょう、ココに落ちる罪人」
「「「さぁ?」」」
「って言うか、なんでそんな罪のエリアがあるんだろう?」
「「「「さぁぁぁ?」」」」
「んんっ、根本的な疑問は、残りますが、置いといて、
このエリアの責め苦が………責め苦が………ううううっ」
案内の班長が嗚咽をもらす。同時に、他の班長達も目頭を押さえ始める。
「え?え?
獄卒達にとっても、そんなに辛い責め苦なの?!何するの?!」
途切れ途切れ、嗚咽をもらしながら語る班長。
「釜茹で、の、あと、ヒック、このエリアで
説教して、改心させろって!
我々に説教しろってぇぇぇ
ムリですよぉ~おぉいぃおぉぃおぉ~」
「「「「「は?????」」」」」
班長達が、肩を抱き合って泣いている。
王子サマ達は、意味が分からず混乱する。
「ですから、釜茹でのあと、罪人が復活したら、自分がどんな酷いことをしてきたか、説教しろっていうんですよ。説教って、説いて教えろってことでしょう?罪人がなんでこんな罪をおかしてるのか、我々も意味が分からないのに、何をどう説教しろっていうんですか。何故ココにきて、精神論なんですか、他は全部身体に刻み付けるのに、ココだけ精神論って、おかしいでしょう?!そもそも、我々、説教とか向いてません、身体を動かして責め立てるのが得意なんですからぁぁ。王子、なんとかしてくださいよぉぉぉ」
オイオイと泣き崩れる。
「えぇっと、今まで、どうしてたんですか?」
「声のデカイ者に、怒鳴りちらせてます。
それだけで、萎縮はしますが、反省はしません。
月に1度の祭りの時に、あ、わざと酒を飲ませる日を、祭りと言ってます。我々にとっても、能力全開の日なんで。その時に、本性を現した罪人が、「デケエ声で怒鳴りゃ、言うこと聞くと思ってんだろうが意味ねぇ怒鳴り声に付き合ってやってるんだよぉ!」とか、抜かしやがりますし、全力で実力の差を見せてやりますが、地味に精神に来るんですよぉぉぉ」
「「・・・」」
剛磨と焔矢があんぐりと口を開けて呆けている。
樹魅は頭を抱えている。
「これはもう〝話の長い昭和の小学校の校長先生〞とかじゃなきゃ、ムリじゃない?」
「紀伊助、冴えてますね。菅公あたり、そんなツテありそうですね。
もし、説教要員をこちらから派遣できたとして、ちなみに、その祭りの日は免除してもらえます?
多分、そういう方は、戦闘には向かないんで」
「ぜんっぜん構いません!!説教だけ担当してくだされば!!!
ちなみに、祭りは毎月1日にやりますので、その日は来ない、と初めからしてもらえれば!!」
「では、人材を探してみます。見つけたら、ご連絡しますので」
「「「ありがとうございます!!!!」」」
班長達は、抱き合って喜んでいる。
役に立ったなら、よかったのかな?と無理やり自分を納得させる王子サマ達であった。
分別苦処。
「ココは、使用人など、身分の低い者に無理やり酒を飲ませ、動物を殺させた者が落ちます。
その罪自体、いまいち意味が分かりませんが。
何がしたかったんでしょう、ココに落ちる罪人」
「「「さぁ?」」」
「って言うか、なんでそんな罪のエリアがあるんだろう?」
「「「「さぁぁぁ?」」」」
「んんっ、根本的な疑問は、残りますが、置いといて、
このエリアの責め苦が………責め苦が………ううううっ」
案内の班長が嗚咽をもらす。同時に、他の班長達も目頭を押さえ始める。
「え?え?
獄卒達にとっても、そんなに辛い責め苦なの?!何するの?!」
途切れ途切れ、嗚咽をもらしながら語る班長。
「釜茹で、の、あと、ヒック、このエリアで
説教して、改心させろって!
我々に説教しろってぇぇぇ
ムリですよぉ~おぉいぃおぉぃおぉ~」
「「「「「は?????」」」」」
班長達が、肩を抱き合って泣いている。
王子サマ達は、意味が分からず混乱する。
「ですから、釜茹でのあと、罪人が復活したら、自分がどんな酷いことをしてきたか、説教しろっていうんですよ。説教って、説いて教えろってことでしょう?罪人がなんでこんな罪をおかしてるのか、我々も意味が分からないのに、何をどう説教しろっていうんですか。何故ココにきて、精神論なんですか、他は全部身体に刻み付けるのに、ココだけ精神論って、おかしいでしょう?!そもそも、我々、説教とか向いてません、身体を動かして責め立てるのが得意なんですからぁぁ。王子、なんとかしてくださいよぉぉぉ」
オイオイと泣き崩れる。
「えぇっと、今まで、どうしてたんですか?」
「声のデカイ者に、怒鳴りちらせてます。
それだけで、萎縮はしますが、反省はしません。
月に1度の祭りの時に、あ、わざと酒を飲ませる日を、祭りと言ってます。我々にとっても、能力全開の日なんで。その時に、本性を現した罪人が、「デケエ声で怒鳴りゃ、言うこと聞くと思ってんだろうが意味ねぇ怒鳴り声に付き合ってやってるんだよぉ!」とか、抜かしやがりますし、全力で実力の差を見せてやりますが、地味に精神に来るんですよぉぉぉ」
「「・・・」」
剛磨と焔矢があんぐりと口を開けて呆けている。
樹魅は頭を抱えている。
「これはもう〝話の長い昭和の小学校の校長先生〞とかじゃなきゃ、ムリじゃない?」
「紀伊助、冴えてますね。菅公あたり、そんなツテありそうですね。
もし、説教要員をこちらから派遣できたとして、ちなみに、その祭りの日は免除してもらえます?
多分、そういう方は、戦闘には向かないんで」
「ぜんっぜん構いません!!説教だけ担当してくだされば!!!
ちなみに、祭りは毎月1日にやりますので、その日は来ない、と初めからしてもらえれば!!」
「では、人材を探してみます。見つけたら、ご連絡しますので」
「「「ありがとうございます!!!!」」」
班長達は、抱き合って喜んでいる。
役に立ったなら、よかったのかな?と無理やり自分を納得させる王子サマ達であった。
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