51 / 116
1章 王子サマの日常
叫喚地獄 ①
しおりを挟む
「だから、誰なんだよ、紀伊助をコスプレさせるヤツはァァァァァァ!」
視察4日目。
今日も朝から集合場所で樹魅が崩れ落ちている。
今日の着ぐるみは、黄色い電気ネズミだ。
小さい紀伊助にとても良く似合ってしまっている。
そう、似合ってしまっている。
今日も野次馬獄卒達からおやつを貰い、白と赤のボール型リュックにしまっている。
ニッコニコのご機嫌である。
獄卒達も、メロメロである。
「諦めろ」
柊路が樹魅の肩に手をおき、つぶやく。
「今日も焔矢は半裸だ」
「はぁぁぁ?!」
「オハヨー!」
「「はぁぁぁぁぁぁ?!」」
樹魅と紀伊助が驚愕の声をあげる。
「鬼じゃん?!」
レジェンドマンガ、うる星○つらの〝じゃり○ん〞である。
「よく、その格好出来たな!!」
「ハーフパンツをトラ柄にしただけじゃん?
頭、叩いたら口から火吐くんよ!凄くない?!
オレ、口からは火まだ出ないし!!」
「リスペクトすべきは、そこじゃない!!!」
「樹魅のツッコミは楽しけど、半裸はイヤ」
「絶対するなよ?!」
「え?それは、フリ?」
「芸人じゃねぇぇぇぇぇ!!!」
今日も朝から樹魅の血管は、はち切れそうである。
「ご存知かと思いますが、叫喚地獄は、殺生、盗み、邪淫に、酒絡みの罪が加わります。
というか、酒でやらかしたヤツが落ちて来ます」
無事(?)叫喚地獄へ到着し、視察を開始した〝王子サマご一行〞
叫喚地獄は酒でやらかした罪人なので、酒がなければ、わりと大人しい。
「罪人を逃がし、追いかけ捕まえて、釜茹でです」
「追いかける必要が?」
「我々に迫られ、捕まえられる恐怖も精算になります。まぁ、我々も鍛えられると思えば。
罪人、そこまで俊足でもないので。
あと、ここの罪人は、酒の威力がないと、何も出来ない小心者が多かったりします。
なので、月に1度、わざと酒を与えて、本性をさらけ出させて、その鼻っ柱を砕きます。
その時が、我々獄卒も本領発揮の時とも言えます」
「なるほど。では、問題のある箇所はないと?」
「あります!!2箇所!!
1つは、我々獄卒が、どうしても苦手としているエリアです!!
明らかに、我々には向いてません!!!獄卒にだって、向き不向きがありますが、
あそこは獄卒という存在に向いてません!!!」
「「「「????」」」」
「ご案内します!!!」
そう言われて連れて行かれたエリアは、
確かに
獄卒達には荷が重いエリアだった。
視察4日目。
今日も朝から集合場所で樹魅が崩れ落ちている。
今日の着ぐるみは、黄色い電気ネズミだ。
小さい紀伊助にとても良く似合ってしまっている。
そう、似合ってしまっている。
今日も野次馬獄卒達からおやつを貰い、白と赤のボール型リュックにしまっている。
ニッコニコのご機嫌である。
獄卒達も、メロメロである。
「諦めろ」
柊路が樹魅の肩に手をおき、つぶやく。
「今日も焔矢は半裸だ」
「はぁぁぁ?!」
「オハヨー!」
「「はぁぁぁぁぁぁ?!」」
樹魅と紀伊助が驚愕の声をあげる。
「鬼じゃん?!」
レジェンドマンガ、うる星○つらの〝じゃり○ん〞である。
「よく、その格好出来たな!!」
「ハーフパンツをトラ柄にしただけじゃん?
頭、叩いたら口から火吐くんよ!凄くない?!
オレ、口からは火まだ出ないし!!」
「リスペクトすべきは、そこじゃない!!!」
「樹魅のツッコミは楽しけど、半裸はイヤ」
「絶対するなよ?!」
「え?それは、フリ?」
「芸人じゃねぇぇぇぇぇ!!!」
今日も朝から樹魅の血管は、はち切れそうである。
「ご存知かと思いますが、叫喚地獄は、殺生、盗み、邪淫に、酒絡みの罪が加わります。
というか、酒でやらかしたヤツが落ちて来ます」
無事(?)叫喚地獄へ到着し、視察を開始した〝王子サマご一行〞
叫喚地獄は酒でやらかした罪人なので、酒がなければ、わりと大人しい。
「罪人を逃がし、追いかけ捕まえて、釜茹でです」
「追いかける必要が?」
「我々に迫られ、捕まえられる恐怖も精算になります。まぁ、我々も鍛えられると思えば。
罪人、そこまで俊足でもないので。
あと、ここの罪人は、酒の威力がないと、何も出来ない小心者が多かったりします。
なので、月に1度、わざと酒を与えて、本性をさらけ出させて、その鼻っ柱を砕きます。
その時が、我々獄卒も本領発揮の時とも言えます」
「なるほど。では、問題のある箇所はないと?」
「あります!!2箇所!!
1つは、我々獄卒が、どうしても苦手としているエリアです!!
明らかに、我々には向いてません!!!獄卒にだって、向き不向きがありますが、
あそこは獄卒という存在に向いてません!!!」
「「「「????」」」」
「ご案内します!!!」
そう言われて連れて行かれたエリアは、
確かに
獄卒達には荷が重いエリアだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合系サキュバス達に一目惚れされた
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる