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1章 王子サマの日常
衆合地獄 ④
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樹魅のストレスマックス状態を見て、
視察しなくても、問題ないのなら、帰ってあげた方がいいのかな?
とか、
樹魅、今日、血管切れんじゃね?
とか、
オネェさんキレイだけど、メンドクサイ人種?
とか、
剛磨、紀伊助、焔矢も、関わりを避けようかな、なんてうっすら思っていると、
「アナタ達が絶対に帰らない、いえ、帰れない事を知っているわ!
それはね、
今日の昼食は、松阪牛のすき焼きよ!!!」
「「「イヤッホーーーーォ!!!」」」
焔矢達はあっさり花魁に陥落した。
「その金を仕事に回せェェェ!!!」
樹魅の心の叫びが届かない。
柊路が、樹魅の肩に手を当ててボソリとつぶやいた。
「焔矢達置いて帰ったら、ヤツらの餌食だ。
紀伊助一人じゃ無理だ」
樹魅はガックリ膝をついた。
「知ってると思うけど、衆合地獄は殺生、盗みの他に、邪淫の業を持った罪人が落ちてくるわ」
「素朴な疑問ですが、邪淫のみの罪人はいますか?」剛磨が尋ねる。
「ん~見たことないかな。
性癖がマチガッタ方向にいくと、大抵ばれないように隠れてするじゃない、
そんで、ばれないと、どんどんエスカレートしてくでしょう。
途中で我に反ってしまった小物は来ないわねぇ。
なんせ、突き抜けてるから。
我慢出来るほど理性が仕事するなら、邪淫の業なんて背負わないわよぉ」
なるほど、と、なんか納得してしまった一同である。
「な・の・で、ココではチラリズム程度で、罪人が釣れるのです!」
「なら、こんなに金かける事、ないだろうがァァァァ!!!!」
樹魅の叫びがこだまするここは、
ポン引きが闊歩する昭和のネオン街によく似ていた。
よく、ココまで再現したな、と一同が感心していたのだ。
「様式美よぉ。懐かしさと哀愁が、Vシネマみたいでしょう?!
じゃん、コワオモテのチンピラ役もキチンとご用意できています♡」
そう言って出てきたのが、
派手なシャツにソリコミの入ったパンチパーマ、サングラスを鼻にずり落としながら上目遣いでメンチ切る、
絵に描いたような、昭和のチンピラだった。
「しゃーッス!!姐さん達にお世話になってます!!」
高校球児も真っ青な直角90度のお辞儀で挨拶してくるチンピラ。
「いやもう、獄卒を配役に染め上げるの止めてくれないっ?!
なんなの、もう、コイツらの私物化なんて言葉じゃ済まなくない?」
「だからぁ、映画村みたいに観光資源化。お客さん入れて、ガッポガッポ」
「ココは地獄なんだよぉぉ!!!
観光地にする必要はなぁぁぁぁい
ってか、オマエラ、この町並みの金、どっから出したぁぁぁ?!」
「獄卒達の休日の歓楽街になってます♡」
「はぁぁぁ?知らねェェゾォォォ」
「大丈夫、パパに許可もらったから」
「あんの、クソ閻魔アァァァァァ!!!」
「「「はぁぁぁぁ?パパぁ?!」」」
4兄弟の叫びがこだました衆合地獄で、
柊路は目に手をあてて天を仰いでいる。
どこかで、雷の音が鳴った。
視察しなくても、問題ないのなら、帰ってあげた方がいいのかな?
とか、
樹魅、今日、血管切れんじゃね?
とか、
オネェさんキレイだけど、メンドクサイ人種?
とか、
剛磨、紀伊助、焔矢も、関わりを避けようかな、なんてうっすら思っていると、
「アナタ達が絶対に帰らない、いえ、帰れない事を知っているわ!
それはね、
今日の昼食は、松阪牛のすき焼きよ!!!」
「「「イヤッホーーーーォ!!!」」」
焔矢達はあっさり花魁に陥落した。
「その金を仕事に回せェェェ!!!」
樹魅の心の叫びが届かない。
柊路が、樹魅の肩に手を当ててボソリとつぶやいた。
「焔矢達置いて帰ったら、ヤツらの餌食だ。
紀伊助一人じゃ無理だ」
樹魅はガックリ膝をついた。
「知ってると思うけど、衆合地獄は殺生、盗みの他に、邪淫の業を持った罪人が落ちてくるわ」
「素朴な疑問ですが、邪淫のみの罪人はいますか?」剛磨が尋ねる。
「ん~見たことないかな。
性癖がマチガッタ方向にいくと、大抵ばれないように隠れてするじゃない、
そんで、ばれないと、どんどんエスカレートしてくでしょう。
途中で我に反ってしまった小物は来ないわねぇ。
なんせ、突き抜けてるから。
我慢出来るほど理性が仕事するなら、邪淫の業なんて背負わないわよぉ」
なるほど、と、なんか納得してしまった一同である。
「な・の・で、ココではチラリズム程度で、罪人が釣れるのです!」
「なら、こんなに金かける事、ないだろうがァァァァ!!!!」
樹魅の叫びがこだまするここは、
ポン引きが闊歩する昭和のネオン街によく似ていた。
よく、ココまで再現したな、と一同が感心していたのだ。
「様式美よぉ。懐かしさと哀愁が、Vシネマみたいでしょう?!
じゃん、コワオモテのチンピラ役もキチンとご用意できています♡」
そう言って出てきたのが、
派手なシャツにソリコミの入ったパンチパーマ、サングラスを鼻にずり落としながら上目遣いでメンチ切る、
絵に描いたような、昭和のチンピラだった。
「しゃーッス!!姐さん達にお世話になってます!!」
高校球児も真っ青な直角90度のお辞儀で挨拶してくるチンピラ。
「いやもう、獄卒を配役に染め上げるの止めてくれないっ?!
なんなの、もう、コイツらの私物化なんて言葉じゃ済まなくない?」
「だからぁ、映画村みたいに観光資源化。お客さん入れて、ガッポガッポ」
「ココは地獄なんだよぉぉ!!!
観光地にする必要はなぁぁぁぁい
ってか、オマエラ、この町並みの金、どっから出したぁぁぁ?!」
「獄卒達の休日の歓楽街になってます♡」
「はぁぁぁ?知らねェェゾォォォ」
「大丈夫、パパに許可もらったから」
「あんの、クソ閻魔アァァァァァ!!!」
「「「はぁぁぁぁ?パパぁ?!」」」
4兄弟の叫びがこだました衆合地獄で、
柊路は目に手をあてて天を仰いでいる。
どこかで、雷の音が鳴った。
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