地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

その頃の執務室 ④

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そんな優しいわしらも、本気で、コイツどうしてくれよう、と思った出来事が起きた。

柊路に弟が生まれると言う。

聞いた瞬間、あまりの怒りで、閻魔大王に本気の雷を落としたったわい。
あの男、ちょっとぷすぷすと焦げた程度でピンピンしとったんじゃ。

腹立つ。

柊路でさえ、キチンと面倒みておらんのに、
まだ、柊路の属性が発現しとらんのに、
弟が生まれるって!!
なんっつー節操なしじゃ!!!
子供を責任もってキチンと面倒見れんのなら、
作るな、アホンダラ!!!

あ、思い出しても腹が立つ。

閻魔の言い分は、柊路も一緒に面倒見てくれそうな情の深い女性を見つけた。
そして、計画にもちょうどいい、と、ぬかしおった。
あんのクソ閻魔、息子の人生なんだと思っとるんじゃ。
生まれ育っていけば、意思を持つ大人になるんじゃ。
道具として生まれてくるやつなぞおらんわい!
そして、雪女の姫さんでさえ、ココでの出産と育児はやり遂げれられなかったのに、
普通の妖が、できるわけないじゃろうて!!!
それをなんじゃ、
100年、代々人に大事にされた椿が、人格を持った。
そんな人の営みを見てきた古椿の精だから、情に厚いし、閻魔自ら名を与え、ネームドにしたから大丈夫だって、
どんだけ他力本願だと思っとるんじゃ!!
丸投げする気、マンマンじゃろうが!!!
オマエが育ててみろと言うんじゃぁぁッぁ!!!


ゴロゴロゴロゴロ  バキィーーッ

ハァハァハァハァ

すまん、当時の怒りがよみがえってきた。

あのクソ閻魔に雷、落としてやったわい。
今頃、
訳も分からず焦げとるじゃろ。
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