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1章 王子サマの日常
衆合地獄 ①
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「今日は誰がどんな服を着ていようと、何も言いません」
視察3日目、衆合地獄に行く日である。
「ッチ」
あからさまに、舌打ちをする紀伊助。
今日の出で立ちは、はちみつ大好き黄色いクマの着ぐるみである。
リュックまでコーディネート、はちみつ壺型である。
どこで買ったんだ。
今日はどんなツッコミが来るかとワクワクしながら待っていたというのに、
樹魅に覇気がない。
期待はずれの紀伊助だった。
「オハヨー!」
そこに焔矢がやって来た。
「「「何故、ボクサー?」」」
樹魅、紀伊助、剛磨の声が揃った。
紀伊助はハッとして
「樹魅、誰が何着ても何も言わないって言ったのに!焔矢にはツッコミするの?!」
「いや、アンタも思わず声出たでしょ!普段ツッコミなんてしない、剛磨でさえ出たんだよ?!
ってか、焔矢、昨日に続き、今日も半裸って、アンタ露出狂?」
樹魅の心の声が出ると、焔矢は
「燃え尽きるボクサーと、燃え尽くせるオレ、カッコいい!」
「燃え尽きるの意味が違ぁぁう!!
今日行くのは衆合地獄なんだよ、そんな格好して、どうなっても知らんよ。
もう、あそこの地獄、行かなくてもいい気がしてきた。
仕切ってる奴らがヤツらだし。はぁ~、メンドクサイ」
紀伊助は、可哀想なモノを見る目で焔矢を見ていた。
地獄の第三階層、衆合地獄である。
ココは、殺生、盗みに加えて、性嗜好がマチガッタ方向に突き進んだ邪淫系の業が加わった者が落ちてくる。
絶世の美男美女が、自分を誘うから、フラフラとついて行けば、葉っぱが刃でできている繁みに誘導されて傷だらけ血だらけ、転んだら終わり、そして美男美女には手が届かん、そんな責め苦が二千年続く。
ちなみに、刑期は、一階層下るごとに、前階層の倍になっていく。
第一階層 等活地獄 500年
第二階層 黒縄地獄 千年
第三階層 衆合地獄 二千年
第四階層 叫喚地獄 四千年
第五階層 大叫喚地獄 八千年
第六階層 灼熱地獄 一万六千年
第七階層 大焦熱地獄 三万二千年
第八階層 阿鼻地獄(無限地獄) 六万四千年
並べると、第一階層の等活地獄がカワイク見えてしまう。
ちなみに
焔矢と炎乃香が火を撒き散らしながら、お散歩するのが第六階層の灼熱地獄で
炎の竜巻を撒き散らしながら、鬼ごっこをするのが、第七階層の大焦熱地獄である。
焦げ散らかしても、誰も文句が出ないはずである。
むしろ
責め苦に利用している節すらある。
視察3日目、衆合地獄に行く日である。
「ッチ」
あからさまに、舌打ちをする紀伊助。
今日の出で立ちは、はちみつ大好き黄色いクマの着ぐるみである。
リュックまでコーディネート、はちみつ壺型である。
どこで買ったんだ。
今日はどんなツッコミが来るかとワクワクしながら待っていたというのに、
樹魅に覇気がない。
期待はずれの紀伊助だった。
「オハヨー!」
そこに焔矢がやって来た。
「「「何故、ボクサー?」」」
樹魅、紀伊助、剛磨の声が揃った。
紀伊助はハッとして
「樹魅、誰が何着ても何も言わないって言ったのに!焔矢にはツッコミするの?!」
「いや、アンタも思わず声出たでしょ!普段ツッコミなんてしない、剛磨でさえ出たんだよ?!
ってか、焔矢、昨日に続き、今日も半裸って、アンタ露出狂?」
樹魅の心の声が出ると、焔矢は
「燃え尽きるボクサーと、燃え尽くせるオレ、カッコいい!」
「燃え尽きるの意味が違ぁぁう!!
今日行くのは衆合地獄なんだよ、そんな格好して、どうなっても知らんよ。
もう、あそこの地獄、行かなくてもいい気がしてきた。
仕切ってる奴らがヤツらだし。はぁ~、メンドクサイ」
紀伊助は、可哀想なモノを見る目で焔矢を見ていた。
地獄の第三階層、衆合地獄である。
ココは、殺生、盗みに加えて、性嗜好がマチガッタ方向に突き進んだ邪淫系の業が加わった者が落ちてくる。
絶世の美男美女が、自分を誘うから、フラフラとついて行けば、葉っぱが刃でできている繁みに誘導されて傷だらけ血だらけ、転んだら終わり、そして美男美女には手が届かん、そんな責め苦が二千年続く。
ちなみに、刑期は、一階層下るごとに、前階層の倍になっていく。
第一階層 等活地獄 500年
第二階層 黒縄地獄 千年
第三階層 衆合地獄 二千年
第四階層 叫喚地獄 四千年
第五階層 大叫喚地獄 八千年
第六階層 灼熱地獄 一万六千年
第七階層 大焦熱地獄 三万二千年
第八階層 阿鼻地獄(無限地獄) 六万四千年
並べると、第一階層の等活地獄がカワイク見えてしまう。
ちなみに
焔矢と炎乃香が火を撒き散らしながら、お散歩するのが第六階層の灼熱地獄で
炎の竜巻を撒き散らしながら、鬼ごっこをするのが、第七階層の大焦熱地獄である。
焦げ散らかしても、誰も文句が出ないはずである。
むしろ
責め苦に利用している節すらある。
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