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1章 王子サマの日常
第3王子 紀伊助②
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なぜ紀伊助が不喜処に通いつめるのかというと、
紀伊助は、生粋のモフラーである。
モフモフは正義。ゆずらない。
不喜処の動物達も紀伊助になついている。
いや、従えられている。
そこは動物の本能。
従うべき人がわかる。
たまに一匹狼よろしくイキがって紀伊助に歯向かってくる新入りの若造がいるが一発で終わる。
いや、最初の一発が不発に終わる。
紀伊助のようなチビのガキンチョ、首筋にひと噛みでカタぁつけてやる、
とばかりに飛び出そうと大地を蹴っ………るべき大地がないのである。
訳も分からず自由落下である。
そして、上を見上げると
穴の中を、冷めた目でニッコリ笑う幼児が見下している。
そしてだんだんと狭くなる穴。
あわてて脱出しようと大地を蹴………れずに、また落ちるのである。
そして紀伊助の凄い所は
一旦そのまま笑顔で穴を閉じ、暗闇にして、穴を深くする。
つまり
土の中なんて真の暗闇の中、いきなり底が抜けるのである。
上も下も分からない。
自分がどういう状態なのかも分からない。
パニックである。
もうムリ、逆らいません、絶対に。
の、出来上がりである。
一度順位づけしてしまえば
あとは動物、人間と違って裏切らない、絶対。
モフモフパラダイスの完成である。
そんな紀伊助の私物化が進んでいる不喜処であるが、
特にお気に入りが5匹いる。
まずはシロ。サモエド犬ばりのモッフモッフな白い犬。
次にクロ。ビロードのような手触りの黒豹。紀伊助を丸飲みできそうな大きさ。
チャチャ。前歯がキュートなカピバラさんである。
ブチ。世にも珍しい斑模様のアルパカさんである。
最後にアオ。微動だにしない貫禄を持つハシビロコウ。実はアオ、紀伊助がココにスカウトしてきている。
紀伊助の名付けセンスはこの際置いておくとして、
紀伊助の私物化が進む不喜処で、紀伊助自身に名付けられた者として
この5匹
5人衆ならぬ5モフ衆としてチームリーダーとなっている。
シロはイヌ科
クロはネコ科
チャチャはげっ歯類
ブチは偶蹄目。なんだったらウマ科も面倒見ている。
アオは鳥類。
ただ、アオは動かない。
種族的に動かない。
なので、実際のまとめ役はアカと名のついた軍鶏がやっている。
アカも最初、紀伊助に食って掛かった若造である。
その闘志が凄まじく、紀伊助が普段使わない
〝落とし穴限定・土砂崩れからのアリ地獄〞
というフルコンボを使って
生き埋めにし、フルボッコのズタボロにした。
それをしている間、
紀伊助は輝くばかりの笑顔だった、
とは、ブチ氏による証言である。
紀伊助は、生粋のモフラーである。
モフモフは正義。ゆずらない。
不喜処の動物達も紀伊助になついている。
いや、従えられている。
そこは動物の本能。
従うべき人がわかる。
たまに一匹狼よろしくイキがって紀伊助に歯向かってくる新入りの若造がいるが一発で終わる。
いや、最初の一発が不発に終わる。
紀伊助のようなチビのガキンチョ、首筋にひと噛みでカタぁつけてやる、
とばかりに飛び出そうと大地を蹴っ………るべき大地がないのである。
訳も分からず自由落下である。
そして、上を見上げると
穴の中を、冷めた目でニッコリ笑う幼児が見下している。
そしてだんだんと狭くなる穴。
あわてて脱出しようと大地を蹴………れずに、また落ちるのである。
そして紀伊助の凄い所は
一旦そのまま笑顔で穴を閉じ、暗闇にして、穴を深くする。
つまり
土の中なんて真の暗闇の中、いきなり底が抜けるのである。
上も下も分からない。
自分がどういう状態なのかも分からない。
パニックである。
もうムリ、逆らいません、絶対に。
の、出来上がりである。
一度順位づけしてしまえば
あとは動物、人間と違って裏切らない、絶対。
モフモフパラダイスの完成である。
そんな紀伊助の私物化が進んでいる不喜処であるが、
特にお気に入りが5匹いる。
まずはシロ。サモエド犬ばりのモッフモッフな白い犬。
次にクロ。ビロードのような手触りの黒豹。紀伊助を丸飲みできそうな大きさ。
チャチャ。前歯がキュートなカピバラさんである。
ブチ。世にも珍しい斑模様のアルパカさんである。
最後にアオ。微動だにしない貫禄を持つハシビロコウ。実はアオ、紀伊助がココにスカウトしてきている。
紀伊助の名付けセンスはこの際置いておくとして、
紀伊助の私物化が進む不喜処で、紀伊助自身に名付けられた者として
この5匹
5人衆ならぬ5モフ衆としてチームリーダーとなっている。
シロはイヌ科
クロはネコ科
チャチャはげっ歯類
ブチは偶蹄目。なんだったらウマ科も面倒見ている。
アオは鳥類。
ただ、アオは動かない。
種族的に動かない。
なので、実際のまとめ役はアカと名のついた軍鶏がやっている。
アカも最初、紀伊助に食って掛かった若造である。
その闘志が凄まじく、紀伊助が普段使わない
〝落とし穴限定・土砂崩れからのアリ地獄〞
というフルコンボを使って
生き埋めにし、フルボッコのズタボロにした。
それをしている間、
紀伊助は輝くばかりの笑顔だった、
とは、ブチ氏による証言である。
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