地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

第3王子 紀伊助①

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不喜処ふきしょ“・・・等括地獄とうかつじごく(一番軽い地獄)にあるエリアで、大火災が昼夜燃え、動物達に生きた(?)まま喰われる続ける場所である。

そのエリアに足繁く通うのが
第3王子の紀伊助きすけである。

彼の母親は、コロポックルである。

一時期、産土神達とも友好を図ろうとしたらしい。
ナゼか?
気まぐれか?

まぁ、逃げられては元も子もない気がするが。

でも、彼の存在で繋がりは残っている。
母親もたまに遊びにくる。

紀伊助は身体が小さい。

なんせ母親はコロポックル。
蕗の葉の下で雨宿りが出来る。
どうやって閻魔大王を受け入れたのか、地獄の七不思議に数えたい。

そう、紀伊助は身体が小さいというか、
見た目、幼児である。
そして力もそこまで強くない。
クリクリとして好奇心に満ちた大きな瞳、大きめの口でニッコリ元気に笑う。

純粋であどけない幼児。

これを装う。

罪人だらけの地獄で、幼児の笑顔など
最大のオアシスである。

大概の大人は騙される。
獄卒達など、わかかってても、騙される。

実際身体が小さく、見た目の可愛い幼児である。
コロッといく。
本人もそれをわかって狙っている。

そう、他の王子達は皆知っている。

コイツを怒らせるとコワイ。

だから他の王子達は紀伊助も自分達と同じと思って扱う。
やたらカマッテくる1人を除き、
扱いは多少雑。
男兄弟なんてそんなもん。

紀伊助はそれが嬉しかった。

身体が小さくても、能力で劣っているわけではないと。


紀伊助は土属性のためか、髪は黄色がかった茶色だ。
土属性といっても、大きな力があるあわけではなく、落とし穴程度だった。

しかしこの落とし穴、バカにできない。

フラフラした罪人達なんて、面白いように落ちていく。

もし、戦闘になっても相手の踏み込みのタイミングさえあえば
必ずコケさせられる。
そして
コケた先が穴なのだ。

そして穴があくならそれも塞げる。

落ちた穴が埋まっていく。

恐怖しかない。

だから紀伊助は人を観察するクセがついている。

踏み込みのタイミングなど相手をちゃんと見ていた所でそうそう合わせられるもんじゃない。
だから普段から練習する。

何気ない所でけつまずく。
あれ、ここ段差あった?
なんて所で足を取られる。

地獄では良く見られるこの光景、
なんでもない顔して、紀伊助が練習に使っている。

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