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1章 王子サマの日常
第2王子 樹魅②
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獄卒達が現場でお仕事(責め苦)をし、誰にどのくらい行ったかを報告する。
その報告をもとに、どんな罪人がどのエリアにいるのか、どのくらい業が精算されたか、新しく入ってきた罪人の配置など、
個人情報盛り沢山。
ただでさえ魂に意地悪が染み付いた罪人である。
間違えようものなら、モンスタークレーマーの出来上がりである。
まぁ、それで暴れたら、業を増やしてやるのだが。
そんな情報管理が、まとめ役たる上司の仕事である。
今はITが導入され、データベース化されているのでだいぶ楽だが、
昔はすべて手書きで紙処理させるなど
ジャパニーズ社畜も真っ青の仕事量である。
それこそ地獄である。
いったいどれだけ罪人が居ると思っているのか。
そもそも、市町村単位の役所が行っている戸籍管理を
罪人というくくりで、一括管理である。
現世の役所なら、まぁ、人生80年管理するとしよう。
八大地獄といわれる地獄の中で、2番目に軽いといわれる黒縄地獄でさえ、責め苦が千年続く。
千年、罪人が居続けるのである。
過疎化問題、ナニソレ美味しいの?
こちとら来るのは、ほぼご高齢のモンスタークレーマー予備軍。
それが千年以上居続ける。
うん。オレ達の方が拷問じゃね?
そう思って仕方がない。
データベース化様サマ。
ありがとう、ビル・○イツ。神。
それでも量は膨大。
1人2人で終わるもんじゃない。
なので、獄卒にも事務方必要になってくる。
鬼だって、皆がみんな脳筋じゃないのだ。
そこは適材適所。
事務方は、今日も報告書を見ながら、カタカタと入力していく。
入力後の報告書を決済するのが、王子サマの部署の仕事である。
王子サマ達は基本的に所在を確定しておかないと、
とんでもない罪人が出たときに対処する王子サマ達をまず探さないといけない。
広い地獄のどこに居るかわからないんじゃ、
獄卒達の被害が増える一方だ。
なので、王子サマ達は、基本的に執務室で決済をしている。
王子サマ、偉い人なのである。
報告書も膨大なため、特に際立ったものに一言添えて報告される。
そうなると、自然と罪人達にも模範生とブラックリストが出てくる。
「等活地獄(地獄の中で一番軽いエリア)の太助さん、400年、ほぼ無抵抗でヤられ続けてますね。あと100年で、すぐ出られそうです」部下が口添えする。
樹魅は一目見ると
「ああ、彼、奥さんが不倫してて、情夫もろともヤっちゃった人ね。
んまぁ、仕事で出かけてたら、自分家で奥さんがコトにおよんでれば、ねぇ」
「しかも、その情夫、自分の弟子だったって話じゃないです?」
樹魅は思い出したように
「殺したことに悔いはない、って言い切ってココに来たからねぇ」
「え、その嫁と弟子、どうなったんすか?」
樹魅は、権限で個人情報を確認する。
「ん~、そっちは、衆合地獄(3番目の地獄)に行ってるね」
「ああああ~、邪淫系っすか」
「えー、でも殺されたのに、太助さんより重いんすか?」
「奥さん、3度目の結婚で、前の旦那2人、ヤってるからねぇ」
「「「うわ~~~」」」
「毒盛って金奪ってるよ。手に職つけて自立してる人狙って結婚してるね。そういう人は若い弟子いたり、ある程度小金貯めてたでしょ。確信犯だね。江戸じゃ、女性少なかったからねぇ、モテたんじゃない?」
「んじゃ、弟子の方は?」
「アイツ顔が良いからって、あちこちで女引っかけて犯してやがった。
しかも、1人、あんまり抵抗するんで、首絞めてヤってるね」
「「そりゃ、落ちるわ」」
「じゃあ、太助さん、ある意味、未来の被害者を救ったのでは?」
「まぁ、そういう側面も無くはないけど、
奥さんの不倫相手4人いて、見たのがたまたまアイツだったんだよね。
つまり、下手したら殺したのは善良な浮気相手っだたかもしれないからね~」
「「「善良な浮気相手というイミ………」」」
今日も地獄は平和である。
その報告をもとに、どんな罪人がどのエリアにいるのか、どのくらい業が精算されたか、新しく入ってきた罪人の配置など、
個人情報盛り沢山。
ただでさえ魂に意地悪が染み付いた罪人である。
間違えようものなら、モンスタークレーマーの出来上がりである。
まぁ、それで暴れたら、業を増やしてやるのだが。
そんな情報管理が、まとめ役たる上司の仕事である。
今はITが導入され、データベース化されているのでだいぶ楽だが、
昔はすべて手書きで紙処理させるなど
ジャパニーズ社畜も真っ青の仕事量である。
それこそ地獄である。
いったいどれだけ罪人が居ると思っているのか。
そもそも、市町村単位の役所が行っている戸籍管理を
罪人というくくりで、一括管理である。
現世の役所なら、まぁ、人生80年管理するとしよう。
八大地獄といわれる地獄の中で、2番目に軽いといわれる黒縄地獄でさえ、責め苦が千年続く。
千年、罪人が居続けるのである。
過疎化問題、ナニソレ美味しいの?
こちとら来るのは、ほぼご高齢のモンスタークレーマー予備軍。
それが千年以上居続ける。
うん。オレ達の方が拷問じゃね?
そう思って仕方がない。
データベース化様サマ。
ありがとう、ビル・○イツ。神。
それでも量は膨大。
1人2人で終わるもんじゃない。
なので、獄卒にも事務方必要になってくる。
鬼だって、皆がみんな脳筋じゃないのだ。
そこは適材適所。
事務方は、今日も報告書を見ながら、カタカタと入力していく。
入力後の報告書を決済するのが、王子サマの部署の仕事である。
王子サマ達は基本的に所在を確定しておかないと、
とんでもない罪人が出たときに対処する王子サマ達をまず探さないといけない。
広い地獄のどこに居るかわからないんじゃ、
獄卒達の被害が増える一方だ。
なので、王子サマ達は、基本的に執務室で決済をしている。
王子サマ、偉い人なのである。
報告書も膨大なため、特に際立ったものに一言添えて報告される。
そうなると、自然と罪人達にも模範生とブラックリストが出てくる。
「等活地獄(地獄の中で一番軽いエリア)の太助さん、400年、ほぼ無抵抗でヤられ続けてますね。あと100年で、すぐ出られそうです」部下が口添えする。
樹魅は一目見ると
「ああ、彼、奥さんが不倫してて、情夫もろともヤっちゃった人ね。
んまぁ、仕事で出かけてたら、自分家で奥さんがコトにおよんでれば、ねぇ」
「しかも、その情夫、自分の弟子だったって話じゃないです?」
樹魅は思い出したように
「殺したことに悔いはない、って言い切ってココに来たからねぇ」
「え、その嫁と弟子、どうなったんすか?」
樹魅は、権限で個人情報を確認する。
「ん~、そっちは、衆合地獄(3番目の地獄)に行ってるね」
「ああああ~、邪淫系っすか」
「えー、でも殺されたのに、太助さんより重いんすか?」
「奥さん、3度目の結婚で、前の旦那2人、ヤってるからねぇ」
「「「うわ~~~」」」
「毒盛って金奪ってるよ。手に職つけて自立してる人狙って結婚してるね。そういう人は若い弟子いたり、ある程度小金貯めてたでしょ。確信犯だね。江戸じゃ、女性少なかったからねぇ、モテたんじゃない?」
「んじゃ、弟子の方は?」
「アイツ顔が良いからって、あちこちで女引っかけて犯してやがった。
しかも、1人、あんまり抵抗するんで、首絞めてヤってるね」
「「そりゃ、落ちるわ」」
「じゃあ、太助さん、ある意味、未来の被害者を救ったのでは?」
「まぁ、そういう側面も無くはないけど、
奥さんの不倫相手4人いて、見たのがたまたまアイツだったんだよね。
つまり、下手したら殺したのは善良な浮気相手っだたかもしれないからね~」
「「「善良な浮気相手というイミ………」」」
今日も地獄は平和である。
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