地獄の王子サマ

プロローグ １

〝地獄〞現世での悪行を基に導かれる死後の世界。
その悪行(業カルマ)の深さにより８つのエリアに分かれ、筆舌にしがたい責め苦が行われる。

当然やってくる魂は悪人ばかりである。
そう、
自分のやってることを棚にあげ相手のどうでもいい事をあげつらい、責め立て(クレーマー)
自分は悪くないと抵抗を繰り返し(業務妨害)
備品を壊し武器を求め(器物損壊)
逃げ出そうとし(逃亡)
逆ギレをして相手を殴りつける(傷害暴行)。

つまり、その責め苦を行う方が弱ければ、
逆に刈られてしまう。
そう、業の清算を行う側も強者でなくてはならない。

そこで求められるのは、
クレーマーにも心が折れず、
ガキのように暴れる相手を取り押さえ、
足りない備品は迅速に対応し、
喧嘩早い相手も物理で黙らせる、
規則正しく仕事(責め苦)を行う軍隊のような組織だ。

何が言いたいのか、というと
地獄は意外とお役所だ、ということである。