君を必ず

みみかき

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二つの世界

1.ある日

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△▽
 私は夢を見た。

 青空の下、木々や芝生が青々と生い茂る公園にいる四人。五歳の梨愛りあと、三歳になったばかりの留稀るきと一緒に遊ぶ私。その様子を笑顔で見ている妻。

 体を動かすと額にうっすらと汗をかくような、春を感じさせる気温を爽やかな風がやわらげてくれていた。

 ひとしきり遊び、妻が作ってくれたお弁当を食べた。
 子供たちの大好物である玉子焼きや、タコの形をしたウインナー、具材がたっぷり入ったサンドイッチなど、まさにお弁当と呼ぶに相応しいお弁当であった。

 私といえば、おいしそうにお弁当を食べる家族を見ながら、休日なのをいいことに、缶のお酒を開けた。

「コウ、あんま飲みすぎないでよね」
「パパ、飲みすぎちゃだめだよ、夜はおうちでママのお誕生日ぱーてぃーなんだから!」

 妻や子供たちからの熱いメッセージを受け取り、ほどほどにしておくよと応えて、タコのウインナーを口に運んだ。

 太陽はちょうど私たちの真上に昇っており、いつもと変わらぬ明るさで私たちを照らしていた。

 休日の真昼間という遊ぶにはもってこいの時間帯であり、家族連れで賑わっていてもおかしくなさそうだが、私と私の家族以外は周りに誰もいなかった。

 木々のざわめきや、私たちの声以外は何も聞こえなかった。
 まるで、この世界には私たちだけしか存在しないかのような雰囲気であった。
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