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第54話 タイムアタック(前編)
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『エントリーNo16。
アカシ ユウ選手、リーサ選手、ミア選手、フェリナサポート
所定の位置へ移動願います』
スタジアムのバックヤードに設けられた控室に女性のアナウンスが流れる。
「よしっ!」
頬をぴしゃりと叩き、気合を入れる。
「頑張ろう、ユウ!」
「ふふ、余に任せるがよいぞ」
「サポートはお任せください!」
みんなの表情も頼もしい。
開会式の翌日、今日から本格的に競技が始まる。
最初に俺たちがエントリーしたのは、”タイムアタック”という種目だ。
「舞台となるのはCランクダンジョンです」
スタジアムの地下に封印された競技用ダンジョンに向かう道すがら、フェリナが競技規定を説明してくれる。
「使えるスキルポイントは合計4,000まで。
魔法陣に触れてから、ボスを倒すまでの時間で争います」
「装備やスキルの選択は自由なんだっけ?」
「はい、オリジナル魔法を含め、Bランクまでの装備・スキルが選択可能です。
ですが、増幅の腕輪+などの固有装備は使用不可というレギュレーションですね」
「え~!?」
リーサが抗議の声を上げるが、アレは強力すぎるからな。
制限が掛かるのは仕方ないだろう。
「余の”シルバーオーブ”は問題ないのか?」
些か心配そうな表情を浮かべているのはミアだ。
彼女が使っている固有装備のシルバーオーブは、体内に埋め込まれており使用禁止と言われても困る。
「ジャッジに確認しましたが、取り外せない装備は問題ないとこのとです。
ただ、タイムに2秒のペナルティが加算されますが」
「ふっ、その程度なら問題ないの!」
「その他の注意ポイントとしては……」
フェリナのほっそりとした指が愛用のタブレットの上を滑る。
「ダンジョンの壁を破壊するなどしてショートカットする事は禁止、途中でリタイアした場合は失格扱いになります。あと、オペレートに使える機材もジャッジが用意した共通機材ですね……ちっ」
「ふお、フェリナお姉ちゃんが怖い!?」
「おっと、失礼しました♪」
フェリナの事だから、色々な弾を用意していたのだろう。
その分俺たちが頑張ればいい事だ。
その他の注意事項を確認していると、競技エリアが見えて来た。
「競技規定にのっとり、身体検査をさせて頂きます」
「お願いします」
競技エリアに繋がるゲートの前には数人の係員がおり、固有装備を隠していないか検査が行われる。
「……問題ありません。競技エリアに入ってください」
係員からゼッケンを受け取り、胸元に取り付ける。
「よし、いくぞ!!」
「「「おお~っ!!」」」
俺たちが身に着けているのは、赤を基調とし、着物の意匠を取り入れた特製ジャージ。
日本代表のユニフォームである。
わああああああああっ!
攻略の様子はスタジアムのビジョンに映され、全世界に中継される。
俺はもう一度深呼吸すると競技エリアに足を踏み入れた。
*** ***
「よし、全員問題ないな」
「うんっ!」
「うむっ!」
無事に競技用Cランクダンジョンに転移した俺たち。
競技用とは言いつつ、中は何の変哲もない石壁のダンジョンだ。
撮影用のドローンが飛んでいることを除けば。
「よし、スキルポイントを配分するぞ」
もう時計は動き出している。
俺は事前に検討した通りに3人のステータスを設定する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・アカシアギルド
ランク:B
スキルポイント残高:200(-3800)
称号:ドラゴンスレイヤー
災害迷宮撃破褒章
■ステータス
HP :200/200
MP :0/0
攻撃力 :100(+50)
防御力 :100(+50)
素早さ :50
魔力 :0
運の良さ:50
■装備/スキル
武器:ダマスカスブレード(50×5回)
防具:ダマスカスメイル(50×5回)
特殊スキル:攻撃強化技10%(100×3回)
======
======
■個人情報
アカシ リーサ・レンフィード
年齢:11歳 性別:女
所属:明石 優のパートナー
ランク:H(ダンジョンバスター見習い)
■ステータス
HP :50/50
MP :100/100
攻撃力 :50(+50)
防御力 :50(+50)
素早さ :50
魔力 :100
運の良さ:50
武器:チタンボウガン+(50×3回)
防具:ファイバーブレザー+(50×3回)
特殊スキル:ファイアLV2(30×5回)、ブリザードLV2(30×5回)
エンチャント(50×1回)、フレア・バースト(150×1回)
======
======
■個人情報
アカシ ミア
年齢:13歳 性別:女
所属:F・アカシアギルド
ランク:E
スキルポイント残高:-
称号:まおう
■ステータス
HP :50/50
MP :100/100
攻撃力 :50(+50)
防御力 :50(+50)
素早さ :50
魔力 :100
運の良さ:50
武器:ハンドファング+(50×3回)
防具:ホワイトローブ+(50×3回)
特殊スキル:ウインドカッターLV2(30×5回)、カーズLV2(30×5回)
ダークバスター(200×1回)
固有装備:シルバーオーブ
======
合計3800ポイントを割り振り、残りは予備とする。
「俺が前衛でモンスターの攻撃を受け止めつつ、リーサたちが後衛から魔法で削る作戦だ。ふたりのオリジナル魔法はボス戦まで温存だぞ?」
「ラジャーだよ!」
「心得た。
……しかし、マナの使用制限か。中々に歯がゆいのう」
ミアの言う通り、今回は通常のダンジョン攻略ではなく競技である。
ボスモンスターにたどり着く前にスキルポイント切れになれば失格になってしまう。
『攻撃回数が不足した時は、モンスターを足止めしてスルーする事も必要かと。
そのあたりのオペレーションはお任せください』
「ああ。頼りにしてるぞ」
『ただ今の経過時間……55秒。
それでは、探索を開始してください』
「いくぞ!」
「「おおっ!」」
ダンジョンの奥に向かって駆けだす俺たち。
いよいよ最初の種目、タイムアタック競技が始まった。
アカシ ユウ選手、リーサ選手、ミア選手、フェリナサポート
所定の位置へ移動願います』
スタジアムのバックヤードに設けられた控室に女性のアナウンスが流れる。
「よしっ!」
頬をぴしゃりと叩き、気合を入れる。
「頑張ろう、ユウ!」
「ふふ、余に任せるがよいぞ」
「サポートはお任せください!」
みんなの表情も頼もしい。
開会式の翌日、今日から本格的に競技が始まる。
最初に俺たちがエントリーしたのは、”タイムアタック”という種目だ。
「舞台となるのはCランクダンジョンです」
スタジアムの地下に封印された競技用ダンジョンに向かう道すがら、フェリナが競技規定を説明してくれる。
「使えるスキルポイントは合計4,000まで。
魔法陣に触れてから、ボスを倒すまでの時間で争います」
「装備やスキルの選択は自由なんだっけ?」
「はい、オリジナル魔法を含め、Bランクまでの装備・スキルが選択可能です。
ですが、増幅の腕輪+などの固有装備は使用不可というレギュレーションですね」
「え~!?」
リーサが抗議の声を上げるが、アレは強力すぎるからな。
制限が掛かるのは仕方ないだろう。
「余の”シルバーオーブ”は問題ないのか?」
些か心配そうな表情を浮かべているのはミアだ。
彼女が使っている固有装備のシルバーオーブは、体内に埋め込まれており使用禁止と言われても困る。
「ジャッジに確認しましたが、取り外せない装備は問題ないとこのとです。
ただ、タイムに2秒のペナルティが加算されますが」
「ふっ、その程度なら問題ないの!」
「その他の注意ポイントとしては……」
フェリナのほっそりとした指が愛用のタブレットの上を滑る。
「ダンジョンの壁を破壊するなどしてショートカットする事は禁止、途中でリタイアした場合は失格扱いになります。あと、オペレートに使える機材もジャッジが用意した共通機材ですね……ちっ」
「ふお、フェリナお姉ちゃんが怖い!?」
「おっと、失礼しました♪」
フェリナの事だから、色々な弾を用意していたのだろう。
その分俺たちが頑張ればいい事だ。
その他の注意事項を確認していると、競技エリアが見えて来た。
「競技規定にのっとり、身体検査をさせて頂きます」
「お願いします」
競技エリアに繋がるゲートの前には数人の係員がおり、固有装備を隠していないか検査が行われる。
「……問題ありません。競技エリアに入ってください」
係員からゼッケンを受け取り、胸元に取り付ける。
「よし、いくぞ!!」
「「「おお~っ!!」」」
俺たちが身に着けているのは、赤を基調とし、着物の意匠を取り入れた特製ジャージ。
日本代表のユニフォームである。
わああああああああっ!
攻略の様子はスタジアムのビジョンに映され、全世界に中継される。
俺はもう一度深呼吸すると競技エリアに足を踏み入れた。
*** ***
「よし、全員問題ないな」
「うんっ!」
「うむっ!」
無事に競技用Cランクダンジョンに転移した俺たち。
競技用とは言いつつ、中は何の変哲もない石壁のダンジョンだ。
撮影用のドローンが飛んでいることを除けば。
「よし、スキルポイントを配分するぞ」
もう時計は動き出している。
俺は事前に検討した通りに3人のステータスを設定する。
======
■個人情報
明石 優(アカシ ユウ)
年齢:25歳 性別:男
所属:F・アカシアギルド
ランク:B
スキルポイント残高:200(-3800)
称号:ドラゴンスレイヤー
災害迷宮撃破褒章
■ステータス
HP :200/200
MP :0/0
攻撃力 :100(+50)
防御力 :100(+50)
素早さ :50
魔力 :0
運の良さ:50
■装備/スキル
武器:ダマスカスブレード(50×5回)
防具:ダマスカスメイル(50×5回)
特殊スキル:攻撃強化技10%(100×3回)
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======
■個人情報
アカシ リーサ・レンフィード
年齢:11歳 性別:女
所属:明石 優のパートナー
ランク:H(ダンジョンバスター見習い)
■ステータス
HP :50/50
MP :100/100
攻撃力 :50(+50)
防御力 :50(+50)
素早さ :50
魔力 :100
運の良さ:50
武器:チタンボウガン+(50×3回)
防具:ファイバーブレザー+(50×3回)
特殊スキル:ファイアLV2(30×5回)、ブリザードLV2(30×5回)
エンチャント(50×1回)、フレア・バースト(150×1回)
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■個人情報
アカシ ミア
年齢:13歳 性別:女
所属:F・アカシアギルド
ランク:E
スキルポイント残高:-
称号:まおう
■ステータス
HP :50/50
MP :100/100
攻撃力 :50(+50)
防御力 :50(+50)
素早さ :50
魔力 :100
運の良さ:50
武器:ハンドファング+(50×3回)
防具:ホワイトローブ+(50×3回)
特殊スキル:ウインドカッターLV2(30×5回)、カーズLV2(30×5回)
ダークバスター(200×1回)
固有装備:シルバーオーブ
======
合計3800ポイントを割り振り、残りは予備とする。
「俺が前衛でモンスターの攻撃を受け止めつつ、リーサたちが後衛から魔法で削る作戦だ。ふたりのオリジナル魔法はボス戦まで温存だぞ?」
「ラジャーだよ!」
「心得た。
……しかし、マナの使用制限か。中々に歯がゆいのう」
ミアの言う通り、今回は通常のダンジョン攻略ではなく競技である。
ボスモンスターにたどり着く前にスキルポイント切れになれば失格になってしまう。
『攻撃回数が不足した時は、モンスターを足止めしてスルーする事も必要かと。
そのあたりのオペレーションはお任せください』
「ああ。頼りにしてるぞ」
『ただ今の経過時間……55秒。
それでは、探索を開始してください』
「いくぞ!」
「「おおっ!」」
ダンジョンの奥に向かって駆けだす俺たち。
いよいよ最初の種目、タイムアタック競技が始まった。
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