シンパパ底辺ダンジョン探索者さん、バグでスキルポイント獲得倍率が限界突破する ~全肯定してくれる愛娘と幸せになるために成り上がることにした~

なっくる

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第47話 テストプレイ

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「てすてす~、フェリナお姉ちゃん、見える?」

『少しノイズがありますね……フレームレートを調整してみましょう。
 FPSを40に下げて……うん、オッケーです!』

「はいっ、こんにちは! リーサだよ♪」

「おなじくミアじゃ。 よろしくの♪」

『……はうっ!?』

 リーサとミアの可愛らしさに、思わず鼻血を垂らすフェリナ。

 リーサの冒険着はいつもと同じ蒼黒の制服ブレザーだが、腰の部分に大きな黄色いリボンを付け、魔法学院の制服であったマントを羽織っている。
 全体的に魔法少女っぽさを意識したデザインだ。

「くくっ……闇の化身と言われた余に、純白の衣装を着せるなど、ユウ……お主中々のセンスをしておるな!」

 リーサと俺でデザインした冒険着が気に入ったのか、くるりと一回転するミア。
 すらっとした少女らしい体躯を真っ白なマントが包む。
 小麦色の肌が映えるよう、短め丈のインナーはへそ出しルック。
 白いショートパンツから伸びる生足の足元はこれまた白いスニーカー。

 ニカッ、と笑うミアの真紅の双眸が、強烈な印象を残す。

「今日はこの娘たちと一緒に、平和な公園を脅かすダンジョンを成敗したいと思います!」

 ナレーションを入れる俺。
 俺たちは配信テストを兼ね、児童公園に出現したGランクダンジョンにやってきていた。

 俺たち3人が胸に下げたアミュレットには手振れ補正機能付きのCCDカメラが埋め込まれており、鮮やかな映像をフェリナの事務所に設置した配信サーバーに送り込む。

 ついでにカメラを搭載したドローンをダンジョン内に飛ばしている。

 カメラアングルの切り替えは、フェリナのセンスにお任せだ。

『配信のタイムラグは5秒に設定しますので、いざという時はわたくしの方で映像を切り替えますね』

「頼む」

 見せられないシーン……はあまり発生しないとは思うが、いくらスパッツを履かせているとはいえリーサの冒険着はスカートである。

 きわどいアングルを配信する事は出来ないのだ、決して!!

「えへ♡」

「妖艶なアングルは、余に任せておくがよい!」

「……任せてええんかい!」

 すらりとした美脚をクロスさせ、胸とおへそを強調するミア。
 ……余談になるがミアは中々のスタイルと小悪魔的な雰囲気を持つにもかかわらず、とろけるロリボイスだ。
 一部の層にぶっ刺さるかもしれない。

『ほぅぅ……たまりませんね』

 ……既にぶっ刺さっているギルドマスターがいるが、気にしないようにしよう。

 コボコボッ

 おあつらえ向きに、コボルドの群れが現れた。

「よし! リーサ、ミア……キーワードは可愛くカッコよく、だ!」

「は~いっ☆」

「心得た!」

 俺たちのテストプレイが始まった。


 ***  ***

「リーサ、行ったぞ!」

 ガッ!

 コボルドの一体を、ショルダータックルで弾き飛ばす。

「まかせて!
 たあっ!」

 吹き飛んできたコボルドをリーサの上段蹴りが捉える。

 バキッ!

 すらりと伸びたリーサの美脚。

「えへっ☆」

 すかさずリーサがカメラに向かってウインクする。

『リーサちゃん! ナイス!!』

 フェリナのカメラワークもばっちりだ。

「くっ、不覚をとったか!?」

 カメラは次に、数体のコボルドに囲まれたミアを映す。

「ミアちゃん!?」

 焦るリーサ。
 ピンチの演出も重要である。

「任せろ!」

 ぶんっ

 俺は手に持っていたチタンブレードをぶん投げる。

 ドスッ!

 ミアに向けて剣を振り下ろさんとしていたコボルドの一体を、チタンブレードが貫く。

「いまだ!」

「やっちゃえミアちゃん!!」

「ふっ……この魔人ミアを舐めるでないぞ!」

 ぶわっ!

 ミアを中心に魔力の奔流が湧き上がり、純白のマントが巻き上がる。

 ちらり

 フェリナのカメラは、へそチラを捉えることも忘れない。

「来たれ……”闇の炎”よ!!」

 ブアアアアアアアアアアッ!!

 渦巻く炎がコボルドたちを飲み込み、チリに変えていく。

 ぱああああっ。

 モンスターを全滅させたからか、ダンジョンの壁が消え去っていく。

 リーサは固定カメラに向かって両手を合わせ、にっこりと笑う。

「わたしたちはこーして!
 街の平和を守っていますっ!」

「ダンジョンが出現して困っている方は……」

 俺の言葉に続き、ミアがフレームイン。

「近くのダンジョンバスターに相談するのじゃ……にゃっ♡」

「「!?!?!?」」

 魔王様渾身のねこちゃんポーズに衝撃を受ける俺とリーサ。

『……カット!!
 完璧ですっ!!!!』

 フェリナが大興奮している。

『今日撮った映像を元に、プロモーションビデオを作って動画サイトにアップしておきますね』

「ああ、頼む」

「ミアちゃん、楽しかったね!」

「ふむ、悪くないの!」

 じゃれ合うふたりをほっこりと眺める。

 まあ、ダンジョンバスターの動画投稿は初めての試みだ。
 少しでも再生されれば御の字だろう。

 そう考えていた俺は見誤っていた。
 本気になったフェリナのヤバさを。
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