~異世界スマホ開発記~ 元社畜、天才美少女達と魔法世界をデジタル化、ガチャ課金要素満載の最強スマホができたので、異世界上級から搾取します

なっくる

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第2部 異世界デジタル革命そのに(アルカディアを強化しよう)

第38話 皇国大収穫祭、ほのかな恋模様

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 おはよう! マルティナよ! 今日はいよいよ皇国大収穫祭ね! お天気はいいし、夜には少し雪も降るみたい。ロマンチックでいいじゃない……うん、計画通りね。

 今日はお昼に学院正門で待ち合わせ! さすがにもう寒いので、わたしもタイツ。
 私服なので、ふわふわのシャギーニットにベージュのスカート、ハイカットのスニーカー。全部二ホン皇国のカインマクビーっていうお店で買ったの! え?途中で裏切りそう……って何のことよ? いやー、二ホン皇国のファッションはレベル高いわー! こちらにも、少しずつ輸入されているけど、ここまでコーデを揃えている娘はまれね!

 これはもう、マルティナちゃん、ツキア女子のファッションリーダーといっても過言じゃないのでは?

 お、ポーラと遥がやってきたわね……む、ポーラはカウチンセーターにデニムパンツ……眼鏡もコンタクトにして、メンズコーデとは……そのくせ胸が大きいとか、ギャップで攻める気ね……油断ならないわ。

 遥は……もこもこダッフルコートに厚底ローファー……なっ、パンダ耳型のイヤーマフ……ですって? 胸にはブルミ君を抱いているし……かわいいの純粋結晶ね……恐ろしいわ。

「……すまん、少し遅れた」
「みんな、おはよーっす! おお、私服JK、JCが! ここも天国っすか!」

 お、ナオヤとジュンがやってきたわね……そしてジュンは相変わらずね。さっそくポーラに絡まれているわ。ほんと仲いいわねあの二人。

 ナオヤは……渋めの赤セーターにジャケット、マフラーね。 へへっ、少しだけかっこいいじゃない。なにか嬉しくなったわたしは、ナオヤの背中を強めに叩く。少し迷惑そうだけど、いつも暴言を言ってくるんだから、これぐらい良いでしょう?

 さあ、皇都に繰り出そう!

 **  **

 皇都の皇宮広場から、港へ伸びる大通り。今日だけは歩行者天国となっており、たくさんの屋台が並んでいた。

「あ! これ、おいしいのよ! クラーケンの網焼き! おじさん、2つね!」
 わたしたちは、屋台をめぐりながら、ツキア皇国名物食べ歩きツアーを敢行していた。

「う、吸盤が緑色ではないか……これは食い物なのか?」
 失礼な! スルーガー湾産、深海クラーケンは絶品なんだから! めったに食べれない逸品なのよ!

「まずは、食べてみなさいって! はい、あーん」
「お、おう……んん、美味いじゃないか……」
「でしょ? シーサンペント醤油の香りが最高よね」
「……なんだ、その怪しげな調味料は」

「ふふ、マルティナさん、自然に”あーん”するとは、策士ですね」
「くっ……なんすか先輩、リア充っすか……盟友だと思ってたのに」
「あらあら、ジュンさん。私たちも買い食いしましょう……こちらにマーマンの白子で作った珍味が……ねっとりと……ふふ、共食いですね」
「ポーラちゃん、そういう言い方はやめてほしいっす!」

 おおう、そういえば、”あーん”になっていたわね、ポーラ。冷静な突っ込みありがとう。

 あれ、ハルカはどこに行ったのかな……
「おじさん! わたし、あの”皇国巡洋艦ダイキャストモデル”が欲しいな」
「お、お嬢ちゃん、それはディスプレイ用で……射的用の銃では……」
「えい! (ブルミ君こっそり衝撃波)」
「なに!? 倒れた!? お嬢ちゃん、何者だ?」
「ぶい!」

 ふふ、はしゃいでるわね。 やり過ぎないようにあとで言っておかないと。

 **  **

「いやー、食べたっすね~」
「ジュンさん、これで今夜もセルフサービスがギンギンですね」
「そういう言い方やめて!?」

 わたしたちは、買い食いツアーに満足し、港に向かって歩いていた。そろそろ暗くなるころ。家々の軒先に、収穫祭を祝う、色とりどりの明かりがともる。明かりの色は、様々な精霊を表しており、皇都の夜景が七色に染まる。わたしは、この光景が大好きだった。

「まったく、あの二人は騒がしいな……マルティナ、遥は満足できたか?」

「そーね、今年の収穫祭は、二ホン皇国からココ〇チが出店していたから、大満足よ!」
「祭りの時までチェーン店かよ……」

「わたしは、”皇国巡洋艦ダイキャストモデル”をとれたから、だいまんぞく! これ、魔導機関が内蔵されていて、思考制御で操縦できるんだって! 海で浮かべてみたい!」
「……えらく高度なおもちゃだな」

 はしゃぐ遥は、たたたっと港の方に走っていった……んー、今日のハルカ、ヤケにはしゃいでるわね……もしかして、使

 ナオヤと二人になったわたしは、港の方にゆっくりと歩いていく。

「わたしね……御師様がいなくなった後も、神童って祭り上げられて……いつからかなぁ……周りの友達や、大人がわたしに壁を作ってると気づいたのは……なんかよそよそしいのよね。それか、取り入っておこうって人ばかりで」
 幻想的な周囲の光景にあてられたのか、思わず昔の思い出が声に出てしまう。

「ふむ、なるほどな、天才ゆえの悩み、か」
 学院の後輩みたいにか……ナオヤが小さくつぶやくのが聞こえた。ふふ。

「だから、ある意味、上から目線だけど、対等に接してくれるアナタに会って、とても嬉しかったの」

 遠慮せずに接してくれるの、長い事ポーラだけだったもんね……なんか、小さいときに戻ったみたいで、楽しいな。

「ふむ、この俺が、お前の化けの皮をはがしたというわけだな。 ふっ、俺たちにはお前がポンコツ淫ピなのはバレているぞ。 お前の分身であるマールちゃんも同様だ」

「ちょっ! ポンコツはともかく、淫ピはないでしょ!?」
「……ポンコツはいいのか……?」
「でもまあ、すましているより、今のお前の方がよっぽど魅力的だがな!」

 なでなで……

 な! いきなりナオヤは恥ずかしいことを言うと、わたしの頭を撫でてくれた。
 カッと頬が熱くなる……くぅ、大人の余裕を見せてくれちゃって……これがいつもハルカにしている、ナデナデ攻撃ね……おもわず、ほおが緩むのが抑えきれない……ずるい


 いつの間にか、わたしたちは港に着いていた。 波止場には大勢の夫婦、カップルが集まり、海から立ち上る”精霊の息吹”を見つめている。この季節、エーテル粒子が海水に冷やされ、このような幻想的な光景を見せてくれるらしい。 理屈はともかく、すてきよね。

「お、そうだ。 マルティナ、お前今日が誕生日なんだろ? プレゼントを買ってきたぞ。 遠慮なく受け取れ」

「え!? うそ、なんでナオヤ、今日が誕生日だって知ってんの!?」
 突然のサプライズに、驚愕の叫びをあげてしまうわたし……混乱してきた。

「……いやお前、マールちゃんのプロフィールに自分の個人情報を入れてたじゃないか……自分の胸のサイズまで……気をつけろよ」

 !! しまった! このわたし、一生の不覚……ポンコツ呼ばわりに反論できないかもしれない……

「ま、まあ、この半年世話になったしな、受け取ってくれ」
 ナオヤは恥ずかしそうにプレゼントを手渡してくれた……何だろう?

「わあ! 素敵な髪飾り!」

 薄い青に輝く宝石が、星形の髪飾りの中央に埋め込まれている……とても、きれい。

「……その宝石はな、俺たちの世界では”アクアマリン”といって、知恵と勇気を象徴する宝石だ。お前にぴったりだと思ってな」

 ふああ……そこまで、考えてくれていたなんて……素敵じゃない…………これは、ここで言っちゃっていいかな?

 わたしは、バッグの中に入れた、ナオヤへのプレゼントを手に取る。

 ……ふと、視線を横に向けると、はしゃぐのをやめ、こちらを優しく見つめるハルカが見えた。

 ……んー、そうね……ここでハルカに気を使ってもらうのは、フェアじゃないわね!

 わたしはそう決心すると、ナオヤへのプレゼントを取り出した。

「ありがとう、ナオヤ! 大切にするわ!」
「そして、わたしからのプレゼントだけど、コーチのミカゲストーンを織り込んだ、七色に光る魔導マフラーよ! アナタが安そうなマフラーをしてるから、わたしが用意してあげたの!」

「むっ! 失敬な! これでもブランドものだぞ! ってまたゲーミングアイテムかよ! まあ、貰っておくが……」

 ! まあ、また機会はいくらでもあるわ!

 わたしがハルカに向かってウインクすると、彼女は目を見開いて驚いていた。

 さーて、夜間営業のケーキバイキングに行きますか! 甘いモノは別腹よ!

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