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数時間後。
ここに捜し物がある事が確定した。

何故そう断言出来るかと言うと、俺の指輪だ。
指輪が締まり始めたのだ!

王太子が考察してくれた。

「捜し物は魔力を放出しているのだろう。
 指輪はそれを感知しているのだろうな。
 ミスリルは魔力を吸収すると教えただろ? だからここに埋まっていても判らなかった。
 だが、現在ミスリルの層に穴を開けようとしている。
 そこから漏れ出しているのではないか?」

納得出来る考察。
すげー正解っぽい。

「だが、それはマズいな」
「へ? 何が?」
「忘れてるのか? 勇者だよ」
「いや、覚えているけどさ。何?」
「捜し物が魔力を放出しているとすれば、勇者が感知する可能性があるんじゃないか?」

そういう事か!
ありそう! 確かにありそうだ!

「って事は、掘れば掘るほど勇者が感知してやって来る可能性が高くなる?!」
「そうじゃないと、今まで勇者はどうやって探していたんだ?」
「言われてみれば……」

俺の指輪のように、何かしら察知出来る物を持っている可能性が高い。
もしくはそういう能力やスキルやギフトを持っているかも。

「じゃ、じゃあ、掘らない方が良いのか?
 でもそうすると入手出来ない? あれ? どうしたら良いんだ?!」
「諦めて、来る前提で考えた方が良いだろ」
「な、なるほど。迎え撃つのか」
「そうだ。何か方法を考える方が効率的だ」

まあね。
いずれば掘り出さなきゃいけないんだ。

「王都に戻って、勇者を幽閉するってのは?」
「幽閉するのは王の力で可能だが、簡単に逃げ出さないか?」

確かに牢屋とかに入れても、鉄格子だろうが外壁だろうが破壊して出てきそうな気がする。
武器を取り上げていても、鉄格子なんか手刀で切断しそうだ。
外壁なんか頭突きでも壊せそう。

「じゃ、じゃあ、ここに来るまでに罠を仕掛ける?」
「突破するんじゃないか?」

落とし穴掘っても引っかからないか。
バリケード作っても役に立たないだろうな。

「どどどど、どうするんだよ?!」
「いや、俺に聞くなよ。手段はリョーの方が詳しいだろ?」
「どういう事?」
「使える魔法、罠、悪魔。それらの性能を知っているのは自分自身だろ?
 それらを加味して最適方法を考えれば良いだろ」

う~ん、確かにそうかもしれないけどさ。
でも俺の頭だぞ?
自慢じゃないが、そんなに賢くないって胸張って言える!
……うん、本当に自慢じゃないな。

どうしよう……。
よし、困った時の悪魔頼りだ!
間違いなく、悪魔の方が俺より賢いだろ。
良い知恵を授かろう。
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