カードゲームを持たされて異世界に送られた

お子様

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147 やばーい

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「うむうむ。それが等価というものだよ」
「はい! 理解出来ました!
 やっぱり等価って大事ですよね! 錬金術師の話で勉強しましたもん!」

勉強って……。
まぁ、マンガだからってダメってのは大人の勝手な理屈で、実際に教訓になる事が書いてある事が多い。
駄女神と異世界に行く話にも教訓はあった……はず。
え~~~~と、「余分な物を持っていくな」かな?

「では、その方向で話をまとめるとしよう。
 しかし聖人様が“入手困難だが欲しい物”が無い場合はどうしようかね?」

かな~り踏み込んできたね。
ほとんど俺の目的を話しているようなニュアンスだけど、大丈夫かな?

「う~む。よし、こうしよう。
 1.“入手困難だが欲しい物”がある場合。それの入手に協力する」

「2.“入手困難だが欲しい物”が無い場合、“入手困難では無いが欲しい物”の入手に2回協力する。
 3.欲しい物が君自身と同じ物だった場合は、権利を譲る。
 3-1.権利を譲る事がどうしても出来ない場合は、聖人様が先手で行動する」

「4.この取り決めは王国が保証し、なおかつ厳正に守らせる。
 4-1.違反した場合、反逆罪程度の罪となる。
 ……これでどうだね?」

さて、勇者は何と回答するかな?

「……はい。問題無いです!」
「よし、決定だ。
 では書類を作成させるので少々待つように。
 それに双方がサインし、私が最後にサインして締結された事とする!」

勇者、判ってる?
かなーりヤバい書類だぞ?

ここの注意点は“王様は双方の事情を知っているが、勇者は自身の事しか知らない”という部分だ。
この時点で同等に話を出来ないんだよね。

それを判った上で王様は要点を濁して話を進めている。

俺と勇者は同じ物を神様から取ってくるように言われている。
それが“入手困難だが欲しい物”の意味だ。
そうなると、勇者は俺に権利を譲るなんて出来る訳が無い。自分の存在意義なのだから。
結果、1が不可能となる。

それは王様にも分かっている。
だからこそ不可能な条件を1に持ってきておいて、2の話をする。

受けさせたい条件がある場合、最初に難しい条件を出して、次に受けさせたい条件を提示するのは基本的な戦略。
これ、知ってても実行されるとなかなか回避は難しいんだよ。

しかも2もブラフで、本命は3-1だ。
俺に先行する権利を受け取らせた。
これは大きい。少なくとも国内の場合なら、4の条項があるので守らなくてはいけなくなる。

最後に、“反逆罪程度”と軽く言ってるけど。
反逆罪って、国家反逆罪の事だよね?
日本でも死刑になるうる犯罪だぞ?!
しかもここは異世界で王政の国。今から法律改正して死刑よりも重たい罪にする事も可能。
例えば拷問OKとか、死ぬような環境で一生労働とか。

当然こうなったら他国に逃げるだろうが、その場合はもうこの国には戻れない。
そうなると国内での俺の行動に邪魔は入らなくなる。

考え抜かれた策だ……。怖い。



そんな事を考えていると、書類が完成し持ってこられた。
何も考えずにサインする勇者。
そこに俺もサインする。
最後に王様がサインし、指輪で蝋で判を押した。

「これで締結された。双方、必ず守るように」
「はい!」
「了解しました」

元気だな、勇者。

「リョーさん、俺に任せてくださいよ! ドラゴンだろうと倒して来ますよ!」

違う、違うよ、勇者。
そんなレベルじゃないんだ。
有利になった俺が同情しちゃうレベルなんだよ。
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