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135 ヘッジホ

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数日後、ヘッジホという名前の村に到着。

え? 道中?

何も無かったよ。
町並みは元居た国と変わらないし、聖人の事もそこまで知られていないせいで誰も寄ってこないし。
王族二人も身分を隠してるしバレてないので、そっち関係も無し。
寄った街でも領主の館に行くような事は無く、普通に宿に泊まってた。

つまり悲しいほどテンションが下がったんだ……。
近所の神社でお祭りだーっ! と気合入れて行ったら屋台が金魚すくい一店舗だけだった、みたいな。
期待していた分、落ち込みも大きいというか。そんな感じ。

いかんいかん。
気持ちを切り替えよう。


しかし…………ハズレっぽいんだよね。

だってさぁ、指輪が反応していないんだもん。
もしモノがあるなら締め付けてくるはず。

ただの偶然だったか。
こうなると更にテンションが下がる。
その一店舗が金魚すくいかと思って近づいたら、スーパーボールすくいだったくらい。
たい焼きやイカ焼きは?! 焼きそばや人形焼は?! 型抜きや怪しいくじは?!


落ち込んでいる俺を見かねたのか、王太子が口を開いた。

「どうせなら、悪魔を召喚して調べてもらったらどうだ?」
「でも反応無いんだよ? それに悪魔に反応して勇者が来たらどうするんだ?」
「悪魔なら微弱でも何か手がかりを発見するかもしれないだろ?
 勇者は前に言ったように、そう簡単には現れないだろ。
 もし来ても最低2~3日は猶予がある。その間に調べてしまえばいい」

……そうだね。
ウジウジしててもしょうがない。
他国まで来たんだ。調べるだけ調べてみるか。

そうなると誰を呼ぶか、だけど。
ま、やっぱり安定のアンドロマリウスだよな。
優秀だし、使用時間も長い。


って事でアンドロマリウスを召喚!

「ご無沙汰しております」
「うん、久しぶり。早速だけど、例のモノをさがして欲しいんだけど」
「……反応はありません。少なくとも周辺30km圏内にはありませんね」
「やっぱりそうか……」
「しかし、カードの反応があります。隠されているのか細かい場所までは分かりませんが」

意外な朗報だ!

「グラン! カードがあるってさ! どうしよう?!」
「落ち着け。同じ場に居るんだから聞いていた。
 そうだな……やはり村長に話を聞くのが早いだろう」
「国が違うけど、大丈夫?」
「そこは俺が上手い事話すから大丈夫だ」

ヨシ! 任せよう!
出来る人が出来る事をやる。間違いない!


近くに居た村人から村長の家を聞き、早速尋ねる。

「こんにちは」
「……こんにちは。えっと、何の用かな?」

村長さんは40代くらいの男性だった。
いかん。勝手に老人と思ってたわ。
だってラノベに出てくる村長と言えば基本老人でしょ?
一部には、召喚術が使えるからと若い女性が村長になった話もあったけどさ。

「私達は国の者です。秘密裏に問題を調査し、可能ならば解決するのが仕事です」
「は、はぁ……」
「信用されていないようですね。
 しかし、村の問題を我々に話す事でそちらに何かデメリットが?
 しかもそれを解決されて困りますか?」
「あ、後で金品を要求するとか……」
「なるほどなるほど。しかしですね。
 こちらは問題があった場合、逆に謝礼を払うつもりですよ?」
「な、なんで……?!」
「問題があるのは国や領主の管理が行き届いていないからです。
 それを解決するのに代金を請求するのはおかしいでしょう?
 勿論、個人的な問題の場合は謝礼は発生しません。当たり前ですよね?」
「そ、そうだな、あ、いえ、そうですね……」

なんか納得させた。
ウソっぽいが、丸々ウソじゃない辺りが姑息と言うか……。
国の者ってのは間違いではない。この国じゃないけどな。

問題が起きてる事も知った上で話してるし。悪魔に聞いた情報だけど。
カードのある所に事件あり。

カードが発見出来れば、謝礼も払っても良いし。
お金に変えられない価値があるからね。

しかし、よくもまあ、そんなにスラスラと言えるものだ。
こんなのも帝王学に含まれるのかねぇ?
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