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134 書く事
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手紙も送ったし、この街も出発だね。
翌日出発したのだが、まさかの事が。
どの街に行っても人集りが!
なんでこんなに人気なんだろう?
その原因はやっぱり俺だった。
そして予想通り、アイドルが原因。
どうやらオーディションの為に、どの街にもオーディションのパンフレットを配っていたらしい。
アイドルとは何? 可愛い娘が集まってるの? と有名に。
それらがどんどん膨らんでいき、国が主体の凄いグループだ!って事になってる様子。
そして……それを始めてまとめている、つまり総合プロデューサーが聖人様だ!と。
ここまで大げさになってるとは思わなかった。
驚いたのが、聖人って事よりも総合プロデューサーって事の方が有名な事。
その事に不思議がってると、近衛騎士さんがチラシを持ってきた。
そのチラシには……アイドルの活動報告と予定が書かれていた。
活動報告は、どこでいつライブをしたとか、近々新曲が発表されますとか。
予定には、何月何日にどの街でライブしますって書いてある。
ここに書かれている“ライブ予定”が人気の秘密らしい。
このように各地を回る興行というかイベントみたいなのが、この世界には無いらしい。
あっても王都にある劇場でやるだけ。
地方に住んでいる人は、王都まで行かないと見る事が出来ないのだ。
それを地方に住んでいても見れるようにした聖人様マジパネぇ!と。
すみません。そんなつもりじゃ無かったんです!
一人の女性の悩みを解決する為、もっと言えばカードを貰いたい為だったんです!
王様がハマるのは想定外だったんです!
…………ふふふ。
だが、俺は解決策を思いついたのだ!
それは姫様が手紙を書いている時に思いついたのを考察して実現したもの。
ズバリ! 手紙を書く!
いや、ちょっと違うな。え~と、配布物? 広報? な、なんかそんな感じ。
簡単に言えば、俺が皆に言う言葉を紙に描き、それを領主さんとか町長さんが皆に発表するって事。
文章を作る。
これは実は効率的に一番良い方法だった。
例えば「失恋しました。どうしたら良いでしょう?」という質問があったとする。
向かい合って質問されていたら、その場ですぐに回答を閃き回答しなければならない。
そうすると「しょうがないんじゃない? その容姿と性格だし」と失言する可能性がある。
だが、文章で送られてきた物なら? そう、内容を吟味して回答出来るのだ!
そして、下書きを後から見て、一度冷静になった頭で内容を変更する事も可能。
実はこれ、俺がメールやSNSでやってた事。
作った文章をすぐに送信せずに、ちょっと時間を置き、もう一度見直して納得したら送信してた。
お陰で炎上するような事は無かったし、実名投稿だったとしても自分の意見だと胸張って言える内容にしていた。
話が逸れたが、更に良い事もある。
それは俺が書けない事だ! いや、自慢じゃないな、これは。
しかし書けない事で、姫様に代筆してもらっているんだけども、そのお陰で姫様から添削が入る。
「言い回しが変」とか「意味が判らない」とか「もう一言必要」とか。
どんどん立派な文章になっていくのだよ。
そしてそして、これに王太子も巻き込んだ。
最終審査を王太子がやるのだ!
これで完璧な物が完成する!
問題は、完璧過ぎてまた俺の評価が知らない所で上がるんじゃないか?という事だけ。
ま、まぁ、悪い評判じゃないんだから、ヨシとしよう!
そうして各街で歓待されつつも、上手くかわして国境に向けて移動した。
出発してから27日後。
ようやく国境に到着。
近衛騎士の護衛もここまでとなる。
「報告します! 勇者の立ち寄った痕跡はありません!
国境警備隊に手配書を渡し、指示を出しておきました!」
「ありがとう。この後は戻るのか?」
「いえ! このまま戻られるまでこの場で待機する事になっております!」
王太子が近衛騎士と話をしている。
どうやら近衛騎士は戻らずに待っていてくれるようだ。
確かにあの騒ぎの中、俺達だけで王都に戻るのは危険かもしれない。
王様の気遣い、ありがたく受け取っておこう。
ちなみに、、、ここまで護衛してくれたお礼として、俺が飯でも奢ろうとしたら断られた。
「護衛するのは職務ですので。仕事の報酬は給料として頂いております。
保護対象から金品を受け取るのは賄賂とも取られますので、必ずお断りをさせて頂いております。
そのお気持ちだけで十分です。ありがとうございます」と言われた。
そう言われればそうなんだろうけど。
ちょっと堅いんじゃないだろうか?
まぁ、受け取らないくらい堅い人じゃないと、近衛騎士にはなれないんだろう。
なにせ王様や王族を守るという、重要な仕事をしている人達だ。
簡単に賄賂を受け取るような人じゃ困るよね。
越境は簡単に出来た。
こちらの国の国境では勿論有名人なので、ほぼスルー。
あちらの国の国境では、簡単な検査で済んだ。
これも王族の力なのだろうな。
他国の王族だからって、軽々しく扱えないもんね。
さあ、知らない国だ!
何があるのかな? 文化とかも違うのかな? 楽しみだ!
国境付近は近いからかなんの代わり映えもしないけどね。
翌日出発したのだが、まさかの事が。
どの街に行っても人集りが!
なんでこんなに人気なんだろう?
その原因はやっぱり俺だった。
そして予想通り、アイドルが原因。
どうやらオーディションの為に、どの街にもオーディションのパンフレットを配っていたらしい。
アイドルとは何? 可愛い娘が集まってるの? と有名に。
それらがどんどん膨らんでいき、国が主体の凄いグループだ!って事になってる様子。
そして……それを始めてまとめている、つまり総合プロデューサーが聖人様だ!と。
ここまで大げさになってるとは思わなかった。
驚いたのが、聖人って事よりも総合プロデューサーって事の方が有名な事。
その事に不思議がってると、近衛騎士さんがチラシを持ってきた。
そのチラシには……アイドルの活動報告と予定が書かれていた。
活動報告は、どこでいつライブをしたとか、近々新曲が発表されますとか。
予定には、何月何日にどの街でライブしますって書いてある。
ここに書かれている“ライブ予定”が人気の秘密らしい。
このように各地を回る興行というかイベントみたいなのが、この世界には無いらしい。
あっても王都にある劇場でやるだけ。
地方に住んでいる人は、王都まで行かないと見る事が出来ないのだ。
それを地方に住んでいても見れるようにした聖人様マジパネぇ!と。
すみません。そんなつもりじゃ無かったんです!
一人の女性の悩みを解決する為、もっと言えばカードを貰いたい為だったんです!
王様がハマるのは想定外だったんです!
…………ふふふ。
だが、俺は解決策を思いついたのだ!
それは姫様が手紙を書いている時に思いついたのを考察して実現したもの。
ズバリ! 手紙を書く!
いや、ちょっと違うな。え~と、配布物? 広報? な、なんかそんな感じ。
簡単に言えば、俺が皆に言う言葉を紙に描き、それを領主さんとか町長さんが皆に発表するって事。
文章を作る。
これは実は効率的に一番良い方法だった。
例えば「失恋しました。どうしたら良いでしょう?」という質問があったとする。
向かい合って質問されていたら、その場ですぐに回答を閃き回答しなければならない。
そうすると「しょうがないんじゃない? その容姿と性格だし」と失言する可能性がある。
だが、文章で送られてきた物なら? そう、内容を吟味して回答出来るのだ!
そして、下書きを後から見て、一度冷静になった頭で内容を変更する事も可能。
実はこれ、俺がメールやSNSでやってた事。
作った文章をすぐに送信せずに、ちょっと時間を置き、もう一度見直して納得したら送信してた。
お陰で炎上するような事は無かったし、実名投稿だったとしても自分の意見だと胸張って言える内容にしていた。
話が逸れたが、更に良い事もある。
それは俺が書けない事だ! いや、自慢じゃないな、これは。
しかし書けない事で、姫様に代筆してもらっているんだけども、そのお陰で姫様から添削が入る。
「言い回しが変」とか「意味が判らない」とか「もう一言必要」とか。
どんどん立派な文章になっていくのだよ。
そしてそして、これに王太子も巻き込んだ。
最終審査を王太子がやるのだ!
これで完璧な物が完成する!
問題は、完璧過ぎてまた俺の評価が知らない所で上がるんじゃないか?という事だけ。
ま、まぁ、悪い評判じゃないんだから、ヨシとしよう!
そうして各街で歓待されつつも、上手くかわして国境に向けて移動した。
出発してから27日後。
ようやく国境に到着。
近衛騎士の護衛もここまでとなる。
「報告します! 勇者の立ち寄った痕跡はありません!
国境警備隊に手配書を渡し、指示を出しておきました!」
「ありがとう。この後は戻るのか?」
「いえ! このまま戻られるまでこの場で待機する事になっております!」
王太子が近衛騎士と話をしている。
どうやら近衛騎士は戻らずに待っていてくれるようだ。
確かにあの騒ぎの中、俺達だけで王都に戻るのは危険かもしれない。
王様の気遣い、ありがたく受け取っておこう。
ちなみに、、、ここまで護衛してくれたお礼として、俺が飯でも奢ろうとしたら断られた。
「護衛するのは職務ですので。仕事の報酬は給料として頂いております。
保護対象から金品を受け取るのは賄賂とも取られますので、必ずお断りをさせて頂いております。
そのお気持ちだけで十分です。ありがとうございます」と言われた。
そう言われればそうなんだろうけど。
ちょっと堅いんじゃないだろうか?
まぁ、受け取らないくらい堅い人じゃないと、近衛騎士にはなれないんだろう。
なにせ王様や王族を守るという、重要な仕事をしている人達だ。
簡単に賄賂を受け取るような人じゃ困るよね。
越境は簡単に出来た。
こちらの国の国境では勿論有名人なので、ほぼスルー。
あちらの国の国境では、簡単な検査で済んだ。
これも王族の力なのだろうな。
他国の王族だからって、軽々しく扱えないもんね。
さあ、知らない国だ!
何があるのかな? 文化とかも違うのかな? 楽しみだ!
国境付近は近いからかなんの代わり映えもしないけどね。
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