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今日はいよいよ出発の日。
今回は4人旅とはならないようだ。
勇者の事を聞いた王様が、国境までは護衛を出すとの事。
それがまさかの近衛騎士隊、総勢100人!
王太子御一行様となりました。
ちなみにサインをしてから半月は経っている。
何故これだけかかったかと言うと、道中での宿を全て予約する為らしい。
後、先触れを出す事で、不審者が出なくなるそうな。
まぁ軍隊が進んでくるようなものだ。盗賊とか鳴りを潜めるだろうね。
チャンスと襲いかかってくるような蛮勇の持ち主はそうそういないだろうし、もし居ても返り討ちになる。
ヤバい時は悪魔も使うしね。
必ず宿に宿泊するため、長距離移動の日もあれば、隣町までという日もあるらしい。
俺は乗せてもらえるだけありがたいので、何も言いません。道も知らないしさ。
な~んて考えで出発したのだが。
初日に到着した街で取り囲まれています。
相手は……なんと一般市民!
歓声を聞くに、どうやら目当ては聖人様らしい。
へ~、聖人様って大人気なんだね…………って俺かよ!
近衛騎士の一人が市民から話を聞いて戻ってきて、王太子に報告してる。
「『市民の願いを叶え、アイドルという概念を作った聖人様、マジすげぇ!』と評判らしいぞ。
それで、ひと目見よう、自分の願いも叶えてもらいたい、この街にもアイドルを呼んで下さい、と集まっているらしい」
「え~~~?! どうすりゃ良い? 窓から手を振る?」
「いやそれは逆効果だ。姿が見えればもっとやってくるぞ」
「じゃあどうする?」
「このまま宿まで行く。宿は貸し切りだから他の客はいない。
近衛騎士が各出入り口を固めるから入る事は出来ないしな」
「な、なるほど」
それならとりあえず安心かな。
「言っておくが、部屋に入っても窓を開けたりするなよ?」
「えっ? なんで? 顔出して、帰ってね~って言った方が早くない?」
「確かに一般人なら『聖人様がそう言うのなら』と帰るだろう。
だが、本当に全員が一般人か? その中に暗殺者でも居たらどうする?
その場で狙い撃ちをしてくるか、部屋を確認したので夜間に侵入してくるかもしれないぞ?」
「あっ、はい。素直に部屋で大人しくしておきまーす」
怖えぇ……。
「まぁ、それを逆手に取って、他の使ってない部屋に罠をしかけるがな」
「どういう事?」
「その部屋だけ少しの間だけ窓を開けるんだ。
すると、その部屋には誰かが泊まっていると判るだろ?
実際にその部屋に泊まるのは近衛騎士だし、3人で寝ずの番をするから襲ってくれば返り討ちだ」
なるほどね。
で、頭の良い暗殺者は「その部屋は罠だな」と考えるけどどの部屋が正解かは判らない。
他の部屋に侵入しても近衛騎士の泊まっている部屋の可能性もある。
ここまで考えて、宿で襲うのは無理と考えるって寸法か。
「しかし、いくら近衛騎士を伴って先触れを出して来たとはいえ、ここまで市民に噂が流れるかね?」
「裏で何か企んでいるヤツが居る可能性があるって事?」
「その可能性もあるな。いつでも悪魔を召喚出来るようにしとけよ?」
「了ー解」
俺なんか狙う必要があるのかなぁ?
実は狙われてるのは王太子か姫様なんじゃね?
俺を出汁にして人を集めてさ、狙いを誤魔化してるとか。
ま、その辺は考えてるだろう。俺が言う程でもない。
俺が出来る事と言えば、王様に手紙を書くくらいだ。
陰謀が無かったなら、この街でもアイドルを営業させましょう、っていう手紙をね。
今回は4人旅とはならないようだ。
勇者の事を聞いた王様が、国境までは護衛を出すとの事。
それがまさかの近衛騎士隊、総勢100人!
王太子御一行様となりました。
ちなみにサインをしてから半月は経っている。
何故これだけかかったかと言うと、道中での宿を全て予約する為らしい。
後、先触れを出す事で、不審者が出なくなるそうな。
まぁ軍隊が進んでくるようなものだ。盗賊とか鳴りを潜めるだろうね。
チャンスと襲いかかってくるような蛮勇の持ち主はそうそういないだろうし、もし居ても返り討ちになる。
ヤバい時は悪魔も使うしね。
必ず宿に宿泊するため、長距離移動の日もあれば、隣町までという日もあるらしい。
俺は乗せてもらえるだけありがたいので、何も言いません。道も知らないしさ。
な~んて考えで出発したのだが。
初日に到着した街で取り囲まれています。
相手は……なんと一般市民!
歓声を聞くに、どうやら目当ては聖人様らしい。
へ~、聖人様って大人気なんだね…………って俺かよ!
近衛騎士の一人が市民から話を聞いて戻ってきて、王太子に報告してる。
「『市民の願いを叶え、アイドルという概念を作った聖人様、マジすげぇ!』と評判らしいぞ。
それで、ひと目見よう、自分の願いも叶えてもらいたい、この街にもアイドルを呼んで下さい、と集まっているらしい」
「え~~~?! どうすりゃ良い? 窓から手を振る?」
「いやそれは逆効果だ。姿が見えればもっとやってくるぞ」
「じゃあどうする?」
「このまま宿まで行く。宿は貸し切りだから他の客はいない。
近衛騎士が各出入り口を固めるから入る事は出来ないしな」
「な、なるほど」
それならとりあえず安心かな。
「言っておくが、部屋に入っても窓を開けたりするなよ?」
「えっ? なんで? 顔出して、帰ってね~って言った方が早くない?」
「確かに一般人なら『聖人様がそう言うのなら』と帰るだろう。
だが、本当に全員が一般人か? その中に暗殺者でも居たらどうする?
その場で狙い撃ちをしてくるか、部屋を確認したので夜間に侵入してくるかもしれないぞ?」
「あっ、はい。素直に部屋で大人しくしておきまーす」
怖えぇ……。
「まぁ、それを逆手に取って、他の使ってない部屋に罠をしかけるがな」
「どういう事?」
「その部屋だけ少しの間だけ窓を開けるんだ。
すると、その部屋には誰かが泊まっていると判るだろ?
実際にその部屋に泊まるのは近衛騎士だし、3人で寝ずの番をするから襲ってくれば返り討ちだ」
なるほどね。
で、頭の良い暗殺者は「その部屋は罠だな」と考えるけどどの部屋が正解かは判らない。
他の部屋に侵入しても近衛騎士の泊まっている部屋の可能性もある。
ここまで考えて、宿で襲うのは無理と考えるって寸法か。
「しかし、いくら近衛騎士を伴って先触れを出して来たとはいえ、ここまで市民に噂が流れるかね?」
「裏で何か企んでいるヤツが居る可能性があるって事?」
「その可能性もあるな。いつでも悪魔を召喚出来るようにしとけよ?」
「了ー解」
俺なんか狙う必要があるのかなぁ?
実は狙われてるのは王太子か姫様なんじゃね?
俺を出汁にして人を集めてさ、狙いを誤魔化してるとか。
ま、その辺は考えてるだろう。俺が言う程でもない。
俺が出来る事と言えば、王様に手紙を書くくらいだ。
陰謀が無かったなら、この街でもアイドルを営業させましょう、っていう手紙をね。
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