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124 アイドルの生まれた日

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「あの~、アイドルってなんです?」
「女の子達が、歌って踊る、それがアイドルだ!」
「えっ?! 私が歌って踊るんですか?!」
「その通り!!」
「でも私、歌った事も踊った事もありませんよ?!」
「大丈夫! 君は一人じゃない!」
「どういう事ですか?!」
「君と同じ悩みを持っている女の子を集めて、皆でやるんだ!
 名前は……『ISK18』だ!!」
「ISK18?!! それにはどういう意味が? 18人でやるんですか?」

単純に異世界だからI(い)S(せ)K(かい)にしただけ。
18は彼女の年齢から取った。
良いんだよ。本家も48とか46とかにしてるけど、選抜や選挙して表題曲やる人数は少ないんだから。

「名前は気にするな!」
「わ、判りました。で、でもですね! 私がそんなのやって有名になれるんですか?!」
「そこは大丈夫!」
「言い切る理由を教えて下さい!」
「それはね……俺自身がプロデュースするからだ!
 そしてバックにはこの国の王族がついている! これで失敗するはずがない!」
「えええっ?!」

ま、単純にネームバリューを利用するだけなんだけどね。
でもテレビもラジオも無い世界。
そんな中で有名なのは王族だろ? そして何故か有名になってる聖人。つまり俺。
これらが鳴り物入りで始めたとなれば、それなりの集客は期待できるのでは?
……もし失敗したら、最悪城の兵士をサクラとして観客に導入しよう。

「おいおい。大きい事言ってるが、大丈夫か?」
「大丈夫。お金なら俺が出す!」
「……どこにそんな金がある?」

ははは。足りなくなったら悪魔を使って金でも生み出すよ。
ヒジリに見つかる可能性もあるけど、アイドルをプロデュースしてるって言えば呆れて去っていくさ。

「とにかく! これは一大イベントだ!
 王都に言って王様とも話し合いをしなくちゃ!」
「戻るのか?」
「ああ。幸いここなら近いし。あっ、君も一緒に行くからね?」
「えええええっ?! わ、私もですかーーーーー?!」

センター候補が来なくてどうするよ。
センターでやれば間違いなく有名になれるはずだ。ドヘタじゃなければね。

「君には王都に着くまでに、歌とダンスを覚えてもらうからね」
「マジですかーーーー?!」

俺が知ってるのは48の一番最初にヒットしたヤツ。
忘年会で若手の男だけを集めて踊らされた古傷が痛むぜ。
まさかこんな所で役に立つ時が来ようとはね。神様もビックリだろう。
いや、驚かないか。逆に意図的な可能性もある。隠れて見てて笑ってたかも。




ここからの展開は早かった。

歌とダンスを教えながら王都に向かい、到着したらすぐに謁見。
「なにそれ、面白そう」
という簡潔な王様のコメントを頂き、その場で歌とダンスを披露させた。
あ~、モサちゃん、涙目だったなぁ。
そりゃ謁見の間でやらされればそうなるか。
でもそれで吹っ切れたようだ。結果ヨシ!

そして、王様の力も借りて近隣の街と王都にビラを配った。
それと同時に事務所も開設。事務所長には王太子を据え、姫様は宣伝部長に就任してもらい活動開始。
姫様を宣伝部長にしたのは、女性目線で男に媚びを売るような謳い文句を考えてもらう為。

そして今日。オーディションの日となった。
応募者は37人。多いような少ないような。
アイドルって何?という所から始まっているので、多いと思おう。
ダンスの概念があまり無さそうなので、歌を披露してもらう予定。

ちなみに公開オーディションにしている。入場無料。
かわいい女の子が集まってるとなれば、男が釣れるだろうという目論見から。
ついでに言えば、場所はお城の正門を入った所。
これは、普段入る事の無い城に入れるというのをウリにしたかったから。
お陰で立ち見がでる程盛況だぜ!!

さあパーティーの始まりだ!!
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