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077 せんせい、しつもんです
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アンドロマリウスが他の悪魔を連れて旅立った。
転移魔法なので、そんなに時間はかからないと思うけど、居ないとして考えよう。
今居る護衛っていうか悪魔はフォルネウスとデカラビア。
……ちょっと不安。どちらも水の近く限定だし。
アンドロマリウス達が戻ってくるまで、ここに居よう。
「どうだ、デカラビア。領主さんと良い話が出来た?」
「はいっす! やっぱり自分の力が漏れてたみたいですね!」
やっぱりそうか。
って事は連れて行くと水が出なくなるな。
「どうにか出来ないのか?」
「出来ますよぉ! 水脈をこっちに動かせば良いんですよぉ!」
水脈を動かす?!
また大掛かりな事を……。
「新たに水脈を作る訳じゃないので、他の所のを持ってくる形ですけど! 問題無いですよねっ!」
「……いや、それはそれで問題だろ」
つまり他の地域で、突然水が出なくなる可能性があるって事だろ?
正に我田引水。
「う~ん……じゃあこうしよう。
デカラビアは自分の力が漏れたせいでこうなってるので、責任持って自力で水を掘り出してくれ」
「え~~っ! ここの水脈って、結構深い所にあるんですよ?
あっ、それを表面に移動させろって事ですよね?」
「違うよ。罰として自力でそこまで掘って、って事」
「マジですか~?!」
「マジ」
「俺だけ罰ってなんですか~?! シトリの時は罰なんか無かったってフォルネウスに聞きました!」
そう言われればそうだったねぇ。
「良い事を聞いた。シトリにも後に罰を与えよう。デカラビアが『自分だけなんてズルい』って言ってたって伝えるよ」
「止めて! 絶対怒られる!」
「え? 怒られるの?」
「そうです! あっちは大公、自分は侯爵! あっちの方が位が上!」
「関係あるのか?」
「マイマスターの前では全員が同じなんですけどね! 控えの間では関係してます!
自力で堀りますから、言わないでくださいね!!」
「判った」
言わないけどさ、バレバレじゃない?
だって、今見てると思うんだよね。
デカラビアはフォルネウスから離れ、水を掘りに行った。
領主さんとも話をしたが、現状ある井戸を繋げてくれるならOKと了承を貰った。
新たに井戸を掘ってももう水は出ないけど、今までがラッキーだったと思うそうだ。
もし市民から苦情が出れば、最近掘った井戸を街の物とし、使用には税を徴収するってさ。
文句言うやつは金払えって事ですね。
さて、要件も終わったのでヒマになってしまった。
領主さんも打ち合わせがあるからと帰ってしまい、ここには俺と姫様とフォルネウスだけ。
移動するには不安過ぎるメンツ。
他の悪魔を召喚するか?
そう考えてたらフォルネウスから声をかけられた。
「あるじぃ、ヒマなの? 魚でも取ってくる?」
「おお、良いねぇ。適当に頼むわ」
「ちょっと待って。漁業権ってのがあるから、勝手に漁は出来ないのよ?」
「そうなのか?」
「そうよ。領主に頼めば良かったけど、もう帰っちゃったしね」
むむむ。どうしようか。
「チョット待ってて。そこの漁師に聞いてみるわ」
「あっ、お願い」
さすが姫様。機転が利くね。
「判ったわよ」
「ご苦労さん。どうだった?」
「個人で食べる程度の物を、道具を使わずに取る分には構わないんですって。
でも潜って取るのはダメ」
「えっ? それって結局無理じゃない?」
「釣り竿なら良いみたいよ」
ああ、なるほど。
道具って網とか船の事か。
「せんせ~い、悪魔は道具に入りますか?」
「誰が先生よ! ……悪魔は道具には入らないんじゃない?」
「じゃあ問題無いな! フォルネウス取ってきてくれ!」
「うん!」
フォルネウスはすぐに潜って見えなくなった。
そして1分後には立派なカニを咥えて戻ってきた。
受け取ると、また潜っていく。
カニか~。
そう言えば、異世界ではカニやタコは食わないって設定が多いな。
きっと姫様も食わないだろう。
俺1人でカニパーティー!
「立派なカニね。美味しそう」
「な、なんだと?!」
「あ、あれ? 食べないの?」
「いや、食べるけど……。カニ、食べるの?」
「当たり前じゃない! 高級食材なのよ! もしかして1人で食べる気なの?!」
「そそそ、そうじゃなくて! カニとか食べない食文化かと思って」
「え? 普通に食べるわよ?」
「タコは?」
「タコ? 王都は海から遠いけど、生で食べられるなら食べたいわね」
マジか?!
よく考えたら、地球でもスペインやイタリアでも食べられてた記憶がある。
タコを使ったカルパッチョとか。
ラノベのせいで日本限定だと思い込んでたわ……。
転移魔法なので、そんなに時間はかからないと思うけど、居ないとして考えよう。
今居る護衛っていうか悪魔はフォルネウスとデカラビア。
……ちょっと不安。どちらも水の近く限定だし。
アンドロマリウス達が戻ってくるまで、ここに居よう。
「どうだ、デカラビア。領主さんと良い話が出来た?」
「はいっす! やっぱり自分の力が漏れてたみたいですね!」
やっぱりそうか。
って事は連れて行くと水が出なくなるな。
「どうにか出来ないのか?」
「出来ますよぉ! 水脈をこっちに動かせば良いんですよぉ!」
水脈を動かす?!
また大掛かりな事を……。
「新たに水脈を作る訳じゃないので、他の所のを持ってくる形ですけど! 問題無いですよねっ!」
「……いや、それはそれで問題だろ」
つまり他の地域で、突然水が出なくなる可能性があるって事だろ?
正に我田引水。
「う~ん……じゃあこうしよう。
デカラビアは自分の力が漏れたせいでこうなってるので、責任持って自力で水を掘り出してくれ」
「え~~っ! ここの水脈って、結構深い所にあるんですよ?
あっ、それを表面に移動させろって事ですよね?」
「違うよ。罰として自力でそこまで掘って、って事」
「マジですか~?!」
「マジ」
「俺だけ罰ってなんですか~?! シトリの時は罰なんか無かったってフォルネウスに聞きました!」
そう言われればそうだったねぇ。
「良い事を聞いた。シトリにも後に罰を与えよう。デカラビアが『自分だけなんてズルい』って言ってたって伝えるよ」
「止めて! 絶対怒られる!」
「え? 怒られるの?」
「そうです! あっちは大公、自分は侯爵! あっちの方が位が上!」
「関係あるのか?」
「マイマスターの前では全員が同じなんですけどね! 控えの間では関係してます!
自力で堀りますから、言わないでくださいね!!」
「判った」
言わないけどさ、バレバレじゃない?
だって、今見てると思うんだよね。
デカラビアはフォルネウスから離れ、水を掘りに行った。
領主さんとも話をしたが、現状ある井戸を繋げてくれるならOKと了承を貰った。
新たに井戸を掘ってももう水は出ないけど、今までがラッキーだったと思うそうだ。
もし市民から苦情が出れば、最近掘った井戸を街の物とし、使用には税を徴収するってさ。
文句言うやつは金払えって事ですね。
さて、要件も終わったのでヒマになってしまった。
領主さんも打ち合わせがあるからと帰ってしまい、ここには俺と姫様とフォルネウスだけ。
移動するには不安過ぎるメンツ。
他の悪魔を召喚するか?
そう考えてたらフォルネウスから声をかけられた。
「あるじぃ、ヒマなの? 魚でも取ってくる?」
「おお、良いねぇ。適当に頼むわ」
「ちょっと待って。漁業権ってのがあるから、勝手に漁は出来ないのよ?」
「そうなのか?」
「そうよ。領主に頼めば良かったけど、もう帰っちゃったしね」
むむむ。どうしようか。
「チョット待ってて。そこの漁師に聞いてみるわ」
「あっ、お願い」
さすが姫様。機転が利くね。
「判ったわよ」
「ご苦労さん。どうだった?」
「個人で食べる程度の物を、道具を使わずに取る分には構わないんですって。
でも潜って取るのはダメ」
「えっ? それって結局無理じゃない?」
「釣り竿なら良いみたいよ」
ああ、なるほど。
道具って網とか船の事か。
「せんせ~い、悪魔は道具に入りますか?」
「誰が先生よ! ……悪魔は道具には入らないんじゃない?」
「じゃあ問題無いな! フォルネウス取ってきてくれ!」
「うん!」
フォルネウスはすぐに潜って見えなくなった。
そして1分後には立派なカニを咥えて戻ってきた。
受け取ると、また潜っていく。
カニか~。
そう言えば、異世界ではカニやタコは食わないって設定が多いな。
きっと姫様も食わないだろう。
俺1人でカニパーティー!
「立派なカニね。美味しそう」
「な、なんだと?!」
「あ、あれ? 食べないの?」
「いや、食べるけど……。カニ、食べるの?」
「当たり前じゃない! 高級食材なのよ! もしかして1人で食べる気なの?!」
「そそそ、そうじゃなくて! カニとか食べない食文化かと思って」
「え? 普通に食べるわよ?」
「タコは?」
「タコ? 王都は海から遠いけど、生で食べられるなら食べたいわね」
マジか?!
よく考えたら、地球でもスペインやイタリアでも食べられてた記憶がある。
タコを使ったカルパッチョとか。
ラノベのせいで日本限定だと思い込んでたわ……。
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