73 / 186
073 サクス
しおりを挟む
言われるままにサクスを召喚した。
------------------------------------------------------------------------
サクス(双児宮)
姿:鳩
能力:視覚・聴覚・嗅覚等の五感を奪う(与える事も出来る。奪った物は100年後には返却される)
------------------------------------------------------------------------
……呼んでおいてアレだけど、これ、絶対に拷問する気だろ!
俺自身の安全の方が大事だから、止めないけど。
現れたのは普通の鳩。公園に居そうなヤツ。
今にもクルッポーと鳴きそう。
「ああっ! マイロード! そのような目で見ないで!
判ってます! 私が悪魔らしくない事は! ええ、豆でも食ってろと思われてるのでしょう!!」
「い、いや、そんな事思ってないぞ?」
「いえいえ、言われなくとも判ってますとも!
目の下の膨らみってなんだよ、気持ち悪い!とか思われてますよね! すみません!!」
「思ってない、思ってないから!!」
面倒くさいキャラだな!
自虐と言うか、自己否定と言うか。
「なんと優しい……マイロード、死力を尽くします!!
ささ、誰の五感を奪いますか?! この街の人間全てですか?!
何なら、海の中に居る動物の五感も可能ですよ!!」
「そこまでしなくて良いから!! えっと、アンドロマリウスに従って欲しいかな……」
「そ、そうですか? はっ! 私はまた暴走してマイロードに迷惑を?!」
「違うよ?! 違うからね?! 信用してるから!! 頑張ってね!!」
「マイロード…………。はい! 頑張ります!!」
面倒!! すごく面倒!!
「始めましょうか」
「おう! いつでも良いぜ!!」
サクスはアンドロマリウスの肩に飛び乗った。
執事の肩に鳩。う~ん、シュールな絵だ。
アンドロマリウスが家令と言われた者の背中を蹴る。
それだけで、家令は目を覚ました。
「う~ん……。ここ……は……どこだ?」
「貴方の企みは全て知っています」
「誰だ?! うん? 何故私は拘束されているのだ?!」
「黙りなさい。私の言う事を守らないのなら、貴方の五感を一つづつ奪います」
「五感を奪う?! 何を言っている!!」
「体感しないと判らないようですね。サクス、お願いします」
次の瞬間、サクスの目が赤く光る。
「貴方の触覚を奪いました」
「触覚? んん?! 何だ?! 今私は寝ているのか?! 感覚が無い!! 宙に浮いているのか?!」
「落ち着き静かになれば、返してあげましょう」
「クソ! ふざけるな!!」
そのまましばらくは暴れていたが、感覚が戻らない事に気づいたらしく静かになった。
しかし触覚が無くなるって、良く考えたら恐怖しか無い。
だって、触れてるか判らないんだろ?
座ってれば、尻や背中に圧を感じるから座っていると判る。
その感覚が無いって怖すぎるだろ。
「ふむ。やっと静かになりましたね。
ではこちらから貴方に質問します。それに正直に答えてください。
ウソを言う、黙る、等をすれば、五感を一つづつ奪います。素直に答えれば五感は一つづつ返します。
それだけです。判りましたね? 判ったのなら頷きなさい」
家令はロックのライブかってくらい首を縦に振った。
顔色はさっきまでは怒りからか赤かったのに、今は青を通り越して白い。
「では最初の質問です。
貴方は聖王国のスパイですね?」
「………………」
「答えないので、五感を奪います。そうですね、最初は優しく味覚を奪いましょうか」
それ、優しいか?
まぁ、今は飲食出来ないから、必要無いと言えば必要無いけども。
「あるじぃ。味覚から取るのは優しいからじゃないよ?」
「……フォルネウス、どうしてそう言うのかな?」
「顔に出てるってば!」
「マジか……。で、優しくないって何で?」
「今必要無いかどうかは関係無いの。沢山取っておけば、素直に答えても全部帰って来ないでしょ?」
……そういう事か!
質問が全部で3問だとして、最初に4つ奪えば、残り全て素直に答えても1つは返却されない事になる。
さすが、悪魔!
「貴方は聖王国のスパイですね?」
「……違う」
「そうですか。では次は……聴覚を……と思ったのですが、質問が聞こえなくなっては困りますね。
嗅覚にしましょうか」
「止めろ! 止めてくれ!!」
「素直に答えれば良いのですよ」
「こ、これは拷問だ!! 国際法に反している!!」
「国際法? この世界での国際法に書かれている拷問とは『自由を奪った状態で肉体的に痛めつけ強要する事』です。
良く見なさい。既に拘束はされていません。自由ですよ?
それに肉体は一切痛めつけていませんよ?」
さっき触覚を奪った時に、開放してたんだよね。
触覚が無かったから気づかなかったのだろうな。
しかし、よくこの世界の国際法なんか知ってたなぁ。
って言うか、国際法が制定されてる事が驚きだわ。
でも折角制定されてるけど、まさか五感を自由に出来るとは誰も想像してないから、抜け道だらけだ。
そんなヤツが居ると誰も想像出来ないけどな。
------------------------------------------------------------------------
サクス(双児宮)
姿:鳩
能力:視覚・聴覚・嗅覚等の五感を奪う(与える事も出来る。奪った物は100年後には返却される)
------------------------------------------------------------------------
……呼んでおいてアレだけど、これ、絶対に拷問する気だろ!
俺自身の安全の方が大事だから、止めないけど。
現れたのは普通の鳩。公園に居そうなヤツ。
今にもクルッポーと鳴きそう。
「ああっ! マイロード! そのような目で見ないで!
判ってます! 私が悪魔らしくない事は! ええ、豆でも食ってろと思われてるのでしょう!!」
「い、いや、そんな事思ってないぞ?」
「いえいえ、言われなくとも判ってますとも!
目の下の膨らみってなんだよ、気持ち悪い!とか思われてますよね! すみません!!」
「思ってない、思ってないから!!」
面倒くさいキャラだな!
自虐と言うか、自己否定と言うか。
「なんと優しい……マイロード、死力を尽くします!!
ささ、誰の五感を奪いますか?! この街の人間全てですか?!
何なら、海の中に居る動物の五感も可能ですよ!!」
「そこまでしなくて良いから!! えっと、アンドロマリウスに従って欲しいかな……」
「そ、そうですか? はっ! 私はまた暴走してマイロードに迷惑を?!」
「違うよ?! 違うからね?! 信用してるから!! 頑張ってね!!」
「マイロード…………。はい! 頑張ります!!」
面倒!! すごく面倒!!
「始めましょうか」
「おう! いつでも良いぜ!!」
サクスはアンドロマリウスの肩に飛び乗った。
執事の肩に鳩。う~ん、シュールな絵だ。
アンドロマリウスが家令と言われた者の背中を蹴る。
それだけで、家令は目を覚ました。
「う~ん……。ここ……は……どこだ?」
「貴方の企みは全て知っています」
「誰だ?! うん? 何故私は拘束されているのだ?!」
「黙りなさい。私の言う事を守らないのなら、貴方の五感を一つづつ奪います」
「五感を奪う?! 何を言っている!!」
「体感しないと判らないようですね。サクス、お願いします」
次の瞬間、サクスの目が赤く光る。
「貴方の触覚を奪いました」
「触覚? んん?! 何だ?! 今私は寝ているのか?! 感覚が無い!! 宙に浮いているのか?!」
「落ち着き静かになれば、返してあげましょう」
「クソ! ふざけるな!!」
そのまましばらくは暴れていたが、感覚が戻らない事に気づいたらしく静かになった。
しかし触覚が無くなるって、良く考えたら恐怖しか無い。
だって、触れてるか判らないんだろ?
座ってれば、尻や背中に圧を感じるから座っていると判る。
その感覚が無いって怖すぎるだろ。
「ふむ。やっと静かになりましたね。
ではこちらから貴方に質問します。それに正直に答えてください。
ウソを言う、黙る、等をすれば、五感を一つづつ奪います。素直に答えれば五感は一つづつ返します。
それだけです。判りましたね? 判ったのなら頷きなさい」
家令はロックのライブかってくらい首を縦に振った。
顔色はさっきまでは怒りからか赤かったのに、今は青を通り越して白い。
「では最初の質問です。
貴方は聖王国のスパイですね?」
「………………」
「答えないので、五感を奪います。そうですね、最初は優しく味覚を奪いましょうか」
それ、優しいか?
まぁ、今は飲食出来ないから、必要無いと言えば必要無いけども。
「あるじぃ。味覚から取るのは優しいからじゃないよ?」
「……フォルネウス、どうしてそう言うのかな?」
「顔に出てるってば!」
「マジか……。で、優しくないって何で?」
「今必要無いかどうかは関係無いの。沢山取っておけば、素直に答えても全部帰って来ないでしょ?」
……そういう事か!
質問が全部で3問だとして、最初に4つ奪えば、残り全て素直に答えても1つは返却されない事になる。
さすが、悪魔!
「貴方は聖王国のスパイですね?」
「……違う」
「そうですか。では次は……聴覚を……と思ったのですが、質問が聞こえなくなっては困りますね。
嗅覚にしましょうか」
「止めろ! 止めてくれ!!」
「素直に答えれば良いのですよ」
「こ、これは拷問だ!! 国際法に反している!!」
「国際法? この世界での国際法に書かれている拷問とは『自由を奪った状態で肉体的に痛めつけ強要する事』です。
良く見なさい。既に拘束はされていません。自由ですよ?
それに肉体は一切痛めつけていませんよ?」
さっき触覚を奪った時に、開放してたんだよね。
触覚が無かったから気づかなかったのだろうな。
しかし、よくこの世界の国際法なんか知ってたなぁ。
って言うか、国際法が制定されてる事が驚きだわ。
でも折角制定されてるけど、まさか五感を自由に出来るとは誰も想像してないから、抜け道だらけだ。
そんなヤツが居ると誰も想像出来ないけどな。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる