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053 スキルとかギフトとか何かそういうの
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そう言えば思い出したけど、この世界にはステータス画面って無かったんだよね。
魔力を測る事でレベルは判るけど、その他の事は判らないんだろうか?
他人のを見る『鑑定』ってのは無いって神様の手紙には書いてあった。
他人のは見れないけど、自分のは?
ステータス画面以外で知る方法ってのは無いのだろうか?
ほら、異世界物だと、大体出てくるのがスキルってやつ。
あんなのは無いんだろうか?
「聞きたいんだけど、個人の魔力って調べられるでしょ?
他に調べる事が出来る事って無いのか?」
「調べるって、例えば魔法道具とかを使って、という意味か?」
「そうだけど……それ以外に方法が?」
「いくらでもあるだろ。走って何m飛べるかとか、何kgまで持てるかとか」
あっ、確かに。
元の世界でも普通にしてる、筋力を数値化する方法だ。
いかん、異世界だからって、ステータスでしか知る方法が無いと思ってた。
決まった重さの物を持ち上げたりすれば、判明するじゃないか。
「兄様、ギフトがあるじゃないですか」
「ん? おお、そう言えばそうだったな」
「ギフト? スキルじゃなくて?」
「スキル? スキルってなんだ?」
「いや、知らないならいい。気にするな」
どうやらスキルってのは無いようだ。
その代わり、ギフトってのがあるらしい。
「で、そのギフトって何?」
「生まれた時に何らかの能力が神からもらえるというものだ。
教会で調べる事が出来る」
あ~、ラノベで読んだ事があるわ、そういうの。
何も貰えなかった主人公がイジメられるんだよね。
もしくは役立たずと言われてる物を貰ってイジメられるけど、それを活用して成り上がる話。
「どんなのが貰えるの?」
「俺が貰ったのは“塗装”だな」
「私は“掃除”でした」
はぁ?! 塗装に掃除?!
王太子が塗装仕事するの? 姫様が部屋の掃除するの?
いや、別に仕事にする必要は無いか。趣味でも良いんだし。
それにそういうのを想像していない方向で利用して活躍するんでしょ?
例えば、塗装だったら、敵の魔法陣に上書き出来るとか。
掃除だったら、脳のゴミとか無理やりこじつけして、洗脳を解くとか。
「何を考えてるか知らないが、ギフトには大した力は無いぞ」
「えっ?! そうなの?!」
「ああ。俺の“塗装”だが、持っていない者よりも多少上手く塗れる程度だ。職人には敵わない」
「マジで?!」
「当たり前だ。研鑽した者の方が上手いに決まっている。
だから“塗装”のギフトを持った熟練の塗装職人は人気があるぞ」
「その“塗装”ってギフトは他に使い道は無いのか?」
「この世界に人間が生まれると同時にギフトも誕生してと言われている。
そんな歴史のあるものだ。当然使い方も研究されている。他の使い道は無い」
そりゃそうだよね。研究くらいするよね。
調べずに、使える使えないって決めつけないわな。
「じゃあさ、使えないギフトってのもあるんでしょ?」
「……ギフトの説明からした方が良さそうだ。
言った通り生まれた時に神から授かる能力だ。だからギフト(贈り物)と呼ばれている。
神から授かった物に使えないとか文句を言うのか? それは神への冒涜になる」
神を信じてる人達からすれば、確かに文句は言えないよね。
「それから、どんなギフトを貰おうと、それに追随する人生を歩む必要は無いとされている。
今までに王でも“鍛冶”とか必要無いギフトをもらった人が居る。
その人は唯一の跡取りだったが、王になるのを諦めて鍛冶屋になるのか?
当然そんな事は無く、王になりちゃんと治めたぞ」
王族に生まれたからと、それ関係のギフトが貰える訳じゃないのね。
しかし、非常に分かりやすい例え話だ。
もし一般人から“王”なんてギフト持ちが生まれたら、王を交代するのかって事になってしまう。
「何ももらえなかった人は居たの?」
「俺の知る限りでは居ないな。もし居たとしても差別なんかしないぞ?
それどころか、研究の為に教会が引き取るだろう」
「研究の為に引き取る?! 人体実験?!」
「アホか。ヘタすれば、人よりも良い生活を送れるわ」
「何で?」
「神からの贈り物を、神を信じる教会が調べるんだぞ? 非道な事をする訳がない。
調べさせてもらうからと、高給を払う可能性も十分にある」
なるほどね~。
神を信じるからこそ、神からの贈り物にも敬意を払うと。
ラノベにある“ギフト至上主義”みたいなのは無理があるって事か。
「リョーさんは使徒なのに、ギフトの有効な使い方を知らないの?」
ははは、姫様。何言ってるの?
知る訳が無いじゃないか。出会っただけで使徒にされたんだよ?
「何も知らないなぁ」
「そうなの? じゃあ、使役してる悪魔も知らないのかな?」
なるほど!
カードの悪魔なら、俺の知らない事を知っていても不思議じゃない。
そういう事に詳しそうな悪魔を召喚して聞いてみるのも手だな。
魔力を測る事でレベルは判るけど、その他の事は判らないんだろうか?
他人のを見る『鑑定』ってのは無いって神様の手紙には書いてあった。
他人のは見れないけど、自分のは?
ステータス画面以外で知る方法ってのは無いのだろうか?
ほら、異世界物だと、大体出てくるのがスキルってやつ。
あんなのは無いんだろうか?
「聞きたいんだけど、個人の魔力って調べられるでしょ?
他に調べる事が出来る事って無いのか?」
「調べるって、例えば魔法道具とかを使って、という意味か?」
「そうだけど……それ以外に方法が?」
「いくらでもあるだろ。走って何m飛べるかとか、何kgまで持てるかとか」
あっ、確かに。
元の世界でも普通にしてる、筋力を数値化する方法だ。
いかん、異世界だからって、ステータスでしか知る方法が無いと思ってた。
決まった重さの物を持ち上げたりすれば、判明するじゃないか。
「兄様、ギフトがあるじゃないですか」
「ん? おお、そう言えばそうだったな」
「ギフト? スキルじゃなくて?」
「スキル? スキルってなんだ?」
「いや、知らないならいい。気にするな」
どうやらスキルってのは無いようだ。
その代わり、ギフトってのがあるらしい。
「で、そのギフトって何?」
「生まれた時に何らかの能力が神からもらえるというものだ。
教会で調べる事が出来る」
あ~、ラノベで読んだ事があるわ、そういうの。
何も貰えなかった主人公がイジメられるんだよね。
もしくは役立たずと言われてる物を貰ってイジメられるけど、それを活用して成り上がる話。
「どんなのが貰えるの?」
「俺が貰ったのは“塗装”だな」
「私は“掃除”でした」
はぁ?! 塗装に掃除?!
王太子が塗装仕事するの? 姫様が部屋の掃除するの?
いや、別に仕事にする必要は無いか。趣味でも良いんだし。
それにそういうのを想像していない方向で利用して活躍するんでしょ?
例えば、塗装だったら、敵の魔法陣に上書き出来るとか。
掃除だったら、脳のゴミとか無理やりこじつけして、洗脳を解くとか。
「何を考えてるか知らないが、ギフトには大した力は無いぞ」
「えっ?! そうなの?!」
「ああ。俺の“塗装”だが、持っていない者よりも多少上手く塗れる程度だ。職人には敵わない」
「マジで?!」
「当たり前だ。研鑽した者の方が上手いに決まっている。
だから“塗装”のギフトを持った熟練の塗装職人は人気があるぞ」
「その“塗装”ってギフトは他に使い道は無いのか?」
「この世界に人間が生まれると同時にギフトも誕生してと言われている。
そんな歴史のあるものだ。当然使い方も研究されている。他の使い道は無い」
そりゃそうだよね。研究くらいするよね。
調べずに、使える使えないって決めつけないわな。
「じゃあさ、使えないギフトってのもあるんでしょ?」
「……ギフトの説明からした方が良さそうだ。
言った通り生まれた時に神から授かる能力だ。だからギフト(贈り物)と呼ばれている。
神から授かった物に使えないとか文句を言うのか? それは神への冒涜になる」
神を信じてる人達からすれば、確かに文句は言えないよね。
「それから、どんなギフトを貰おうと、それに追随する人生を歩む必要は無いとされている。
今までに王でも“鍛冶”とか必要無いギフトをもらった人が居る。
その人は唯一の跡取りだったが、王になるのを諦めて鍛冶屋になるのか?
当然そんな事は無く、王になりちゃんと治めたぞ」
王族に生まれたからと、それ関係のギフトが貰える訳じゃないのね。
しかし、非常に分かりやすい例え話だ。
もし一般人から“王”なんてギフト持ちが生まれたら、王を交代するのかって事になってしまう。
「何ももらえなかった人は居たの?」
「俺の知る限りでは居ないな。もし居たとしても差別なんかしないぞ?
それどころか、研究の為に教会が引き取るだろう」
「研究の為に引き取る?! 人体実験?!」
「アホか。ヘタすれば、人よりも良い生活を送れるわ」
「何で?」
「神からの贈り物を、神を信じる教会が調べるんだぞ? 非道な事をする訳がない。
調べさせてもらうからと、高給を払う可能性も十分にある」
なるほどね~。
神を信じるからこそ、神からの贈り物にも敬意を払うと。
ラノベにある“ギフト至上主義”みたいなのは無理があるって事か。
「リョーさんは使徒なのに、ギフトの有効な使い方を知らないの?」
ははは、姫様。何言ってるの?
知る訳が無いじゃないか。出会っただけで使徒にされたんだよ?
「何も知らないなぁ」
「そうなの? じゃあ、使役してる悪魔も知らないのかな?」
なるほど!
カードの悪魔なら、俺の知らない事を知っていても不思議じゃない。
そういう事に詳しそうな悪魔を召喚して聞いてみるのも手だな。
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