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043 ベリアル

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もう1枚のカードは「ポーション」のカードだった。
これで同時にポーションが使える。
異世界だもん。連続で死にかけるなんて事もあるかもしれないしね。

早速ポーションのカードも登録しておこう。

さて、それよりも悪魔のカードだ。
まさかの王クラス! そして使役出来る悪魔は「ベリアル」!

有名だよね、ベリアル。
ソロモンカードじゃなくても知ってる人は居るんじゃないかな?
ラノベでも敵として出てたと思う。

王クラスは、召喚可能時間は1時間、次回召喚まで60時間。
つまりそれくらいぶっ壊れ性能って事。
早速見てみよう。

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ベリアル(宝瓶宮)
 姿:美しい天使(男)
 能力:教会や信者から信頼を得る事が出来る

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宝瓶宮って事はみずがめ座か。
姿は天使ね。悪魔なのに……。
そして男。天使って女性のイメージなんだけどなぁ。

問題の能力は……ん? あんまり強力じゃなさそうな気がする。
この程度の能力なのに大戦争を起こしてた?
大戦争は違う要員なんじゃないかなぁ?

とにかく呼び出してみよう。


登場したベリアル。
頭の上には天使の輪が浮かんでいて、背中には真っ白な翼。
顔はかなりの美形。どんな女性でも、いや男でも見入ってしまいそう。

だがな、ベリアルよ。
何で服装はサラリーマン風なんだよ!
グレー色のスーツ姿で、髪は7:3分け。
手にはビジネス鞄。
今から一流企業にでも出社するのか?!

「参上致しました、リョウスケ様」
「うん、ああ、うん。それは良いけど、何、その格好?」
「天使の格好ですが?」
「天使ってそんな格好なの?!」
「はい。昔は白い布を纏っていましたが。
 今は「ハレンチ」「見えそう」「ダサい」「セクハラ」等の意見が多く、このような格好になったとの事」

言われてみればそうだけどさぁ。
有名な絵画の、貝に載っている女性みたいな姿をしろって言われたら反対するだろうけど。
でもイメージってあるじゃん。
天使がスーツ姿ってのはどうかと思うぞ。

「ちなみに、頭の上の輪っかはLEDで出来て居まして、光量の調整も可能な高性能の物です。
 背中の翼も取り外しが可能で、衣服を着るのにも邪魔になりません」
「つける意味あるのかよ!!」
「天使の姿を模倣していますので」

そこまでして真似する必要は無いと思うんだけど。
だが、そういうこだわりなんだろう。もうツッコまない事に決めた。

「何という神々しい姿だ……」

はぁ?!
誰だ、そんな寝ぼけた事を言ってるのは!

振り返ると、この世界の人達全員が祈るようなポーズをしていた。
マジか! この姿が神々しいってか?!
ああっ、ツッコんでしまった!
いかん、平常心、平常心。

「この度はどのようなご用件で?
 いえ、勿論、要件など無くとも呼び出して頂いて良いのですが」
「あ、ああ。そうだった。
 昔ベリアルが何をしたか聞きたいんだけど」
「カードとしてこの地に着いた時の事でしょうか?」
「そう、それ」
「リョウスケ様を探そうとしておりました。
 しかし、カードの身。動ける事も無く。そこで周囲のモノに能力を使い、呼び寄せておりました。
 何故かたどり着いたモノは居ませんでしたが」

その後も詳しく説明してもらった。
ふ~む。
どうやら何かに能力を使ったっぽい。
例えばそれが大根だとしよう。
それを食べる虫や動物に影響が出るみたいだ。
それらは狂信者のようになり、能力を使われた大根を求めてこの地を目指すらしい。
で、運悪く、その地には人間の国があったと。

「その後、私のカードが人間に発見されました。
 そこで思ったのです。人間の方が探すのには向いているのではないかと。
 なので、私を手にした人間に能力を使いました。
 その人間は国を作り、王になったようですね。
 その頃には私も、探すのを諦めて寝ておりましたが」

衝撃事実発覚!!
スクープ! 建国時の王様は悪魔の能力を使って王の信頼度を上げていた!!
テッテレッテレッテー!!

いや、意図的ではないんだけどね。
まさか悪魔が建国に関わっていたとは……。
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