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034 王都への道中(雑談2)
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「そう言えば、さっき貴族の子供の話が出ましたけど。
『俺は伯爵家だぞ! 逆らうなんて生意気だ!』とか言うような子供とか居ないんですか?」
「稀に居るな」
「そういう子はどうなるんです?」
「まず、家が潰れる」
はぁ?!
展開が早い!!
「子供をそういう風に教育したのは親だからな。親も権力というものを勘違いしていると判断される」
「家庭教師とかが教えているんじゃないですか? そっちの責任じゃ?」
「その家庭教師を選んだのは? 当然、親だ。見る目の無い貴族なんか不要じゃないか」
怖っ! 厳しっ!
「ははっ。まぁ、それは極端な例だ。
実際はその子供は病気になるくらいだ。家の格は落ちるだろうがね」
「また出た、病気! 幽閉が好きなの?って思うくらい出てくる!」
「家の恥だぞ? 実際貴族の場合は再教育した上で幽閉はしないよ」
「そうなの?」
「その代わり勘当されて放逐される。一般人になるって事だ。
生かされているよりも優しいだろ?」
貴族だからって偉そうにしてたヤツが権力ゼロになって放逐?
優しいかな? 生きていくのも辛そうだけど。
「そろそろ、街に到着します」
「お、そうか」
話をしてたら、もう夕方だった。
この国は街から街までの距離は、馬車で半日になるようになっているそうだ。
魔物が居る世界だから野宿とかしないようになっているんだってさ。
その限りではない場合は、その場所に砦を作って安全を確保出来るようになっているらしい。
空を飛ぶ魔物に対しては意味無いが、それでも安心感が違うね。
そのまま宿に直行。
着いたばかりなのに部屋がある不思議。
って思ったら、街に着く前に近衛騎士の一人が先行して予約してたらしい。
先触れって言うんだってさ。
俺の部屋は206か。
この世界でも2階の6号室なら206って言うんだね。
“ドラゴンの間”みたいな中二病的な部屋名じゃなくて良かった。
部屋に入るとベッドが3つ。
3人部屋か。これを一人で使うなんて贅沢だな。
もしかしたら満室なのかもね。空いてる部屋なら何でも良いって取ったのかも。
「入らないのか?」
「……現実逃避中です」
うん、判ってた。
薄々そうじゃないかな~とは思ってたよ。
王太子と同部屋ですね。
もう一人はアイザックさんですか。
「今更かもしれませんけど、何で同室なんです?」
「2つの理由がある。聞きたいか?」
「是非お願いします」
「1つはリョウスケ殿の心配だ。
一人部屋にしたら、自身の安全の為に悪魔を召喚するだろ?
その悪魔が何かのきっかけで暴走されては困る。なので召喚しなくとも良いように同室なのだ」
「もう一つの理由は?」
「私の安全の為だ。王太子だから狙われる事もある。
だが、襲う為に部屋に来ても、数秒耐えればリョウスケ殿が悪魔を召喚するだろう?
そうすれば確実に防げるだろ? まさか自分だけ助かろうとは考えないよな?」
「そりゃ王太子を助けないって選択肢は無いですよ。
同室なのに、自身だけ守って王太子に死なれたなんてなったら、この国に居られなくなるでしょうし」
「だから同室の方が良い。納得出来たか?」
「……俺のプライベートは?」
「何だ? 何かするのか?
もしかして華でも呼ぶつもりか? さすがにセキュリティの事もあるから許されないぞ?」
「華? 華って何です?」
「知らないのか? 春を売る女の事だ。隠語の類だな」
「呼びませんよ!」
俺を何だと思っているのか。
こんな状況で女遊び出来る程、能天気じゃないよ。
えっ? 状況が違うなら遊ぶのかって? はははは、ノーコメントで。
そんなの居るのか。メモメモ。
「部屋の事は決定事項だ。諦めろ。次回からは少しは考慮してやるから。
それよりも今後について会議をするぞ」
「今後? 会議?」
「謁見の事とかあるが、それよりも早急に決める事がある」
「何です?」
「俺たちの事だ」
はぁ? この3人の事?
何かあったっけ?
『俺は伯爵家だぞ! 逆らうなんて生意気だ!』とか言うような子供とか居ないんですか?」
「稀に居るな」
「そういう子はどうなるんです?」
「まず、家が潰れる」
はぁ?!
展開が早い!!
「子供をそういう風に教育したのは親だからな。親も権力というものを勘違いしていると判断される」
「家庭教師とかが教えているんじゃないですか? そっちの責任じゃ?」
「その家庭教師を選んだのは? 当然、親だ。見る目の無い貴族なんか不要じゃないか」
怖っ! 厳しっ!
「ははっ。まぁ、それは極端な例だ。
実際はその子供は病気になるくらいだ。家の格は落ちるだろうがね」
「また出た、病気! 幽閉が好きなの?って思うくらい出てくる!」
「家の恥だぞ? 実際貴族の場合は再教育した上で幽閉はしないよ」
「そうなの?」
「その代わり勘当されて放逐される。一般人になるって事だ。
生かされているよりも優しいだろ?」
貴族だからって偉そうにしてたヤツが権力ゼロになって放逐?
優しいかな? 生きていくのも辛そうだけど。
「そろそろ、街に到着します」
「お、そうか」
話をしてたら、もう夕方だった。
この国は街から街までの距離は、馬車で半日になるようになっているそうだ。
魔物が居る世界だから野宿とかしないようになっているんだってさ。
その限りではない場合は、その場所に砦を作って安全を確保出来るようになっているらしい。
空を飛ぶ魔物に対しては意味無いが、それでも安心感が違うね。
そのまま宿に直行。
着いたばかりなのに部屋がある不思議。
って思ったら、街に着く前に近衛騎士の一人が先行して予約してたらしい。
先触れって言うんだってさ。
俺の部屋は206か。
この世界でも2階の6号室なら206って言うんだね。
“ドラゴンの間”みたいな中二病的な部屋名じゃなくて良かった。
部屋に入るとベッドが3つ。
3人部屋か。これを一人で使うなんて贅沢だな。
もしかしたら満室なのかもね。空いてる部屋なら何でも良いって取ったのかも。
「入らないのか?」
「……現実逃避中です」
うん、判ってた。
薄々そうじゃないかな~とは思ってたよ。
王太子と同部屋ですね。
もう一人はアイザックさんですか。
「今更かもしれませんけど、何で同室なんです?」
「2つの理由がある。聞きたいか?」
「是非お願いします」
「1つはリョウスケ殿の心配だ。
一人部屋にしたら、自身の安全の為に悪魔を召喚するだろ?
その悪魔が何かのきっかけで暴走されては困る。なので召喚しなくとも良いように同室なのだ」
「もう一つの理由は?」
「私の安全の為だ。王太子だから狙われる事もある。
だが、襲う為に部屋に来ても、数秒耐えればリョウスケ殿が悪魔を召喚するだろう?
そうすれば確実に防げるだろ? まさか自分だけ助かろうとは考えないよな?」
「そりゃ王太子を助けないって選択肢は無いですよ。
同室なのに、自身だけ守って王太子に死なれたなんてなったら、この国に居られなくなるでしょうし」
「だから同室の方が良い。納得出来たか?」
「……俺のプライベートは?」
「何だ? 何かするのか?
もしかして華でも呼ぶつもりか? さすがにセキュリティの事もあるから許されないぞ?」
「華? 華って何です?」
「知らないのか? 春を売る女の事だ。隠語の類だな」
「呼びませんよ!」
俺を何だと思っているのか。
こんな状況で女遊び出来る程、能天気じゃないよ。
えっ? 状況が違うなら遊ぶのかって? はははは、ノーコメントで。
そんなの居るのか。メモメモ。
「部屋の事は決定事項だ。諦めろ。次回からは少しは考慮してやるから。
それよりも今後について会議をするぞ」
「今後? 会議?」
「謁見の事とかあるが、それよりも早急に決める事がある」
「何です?」
「俺たちの事だ」
はぁ? この3人の事?
何かあったっけ?
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