カードゲームを持たされて異世界に送られた

お子様

文字の大きさ
25 / 186

025 世間話

しおりを挟む
ギルドマスターが人を使って王太子と連絡を取っている間、世間話をする事に。
世間話と言うか、主に俺についてだけどさ。

「お前くらいの能力があれば、普通は権力者に近づくもんだがな」
「そういうもんですか?」
「あぁ。もし雇われれば身分の証明にもなるし、給料も保証される」
「それって冒険者でも、ですか?」
「そうだな。有名になったヤツの半数は権力者に雇われてる」

へ~。
あれ?でもラノベじゃあ冒険者と貴族は合わないみたいな感じじゃなかった?

「権力者、貴族や王族は冒険者を雇うんですか?」
「何言ってんだ? 当たり前だろ?」
「えっと、自分の知るところでは、仲が悪いって感じなので」
「異世界だとそうなのか?
 貴族は自分の配下に常に兵士が居る。それは貴族というよりも領主に仕えているんだ」
「領主と貴族は別なんですか?」
「そうだ。勿論同じの所も沢山ある。だが、貴族が自分の領を民間に託して管理させているところもる。
 簡単に言えば、自分に仕えている一般人の家令とかにやらせている場合もあるって事だ」

なるほど。
そういうの合ったな。
自分は王都に居るから、領を別の人に任せるってヤツ。

「逆に、貴族だからと必ず領主な訳ではない。
 王都に居る文官なんかは、領は所有していない者が多い」
「あっ、それは判ります」
「で、兵士の話に戻すが、領主に仕えているって意味が判ったか?」
「はい」

つまり貴族直轄の兵というよりも、領を守る為に雇っている領兵って感じなのね。
なので最終的なトップは貴族になるけど、実質的なトップは家令の場合もある、と。

「その兵士は領の安全を守る為に居る。
 魔物に対処したり、賊を捕まえたり、災害のあった場所に派兵したり、街で起きる犯罪に対処したり」
「なるほど」
「だが問題もある。突然領主がある場所に行かなければならなくなったとしよう。
 その場合、勿論兵を連れて行く訳だが、兵の人数にも限りがある。
 さっき言ったような所で働いている人数を減らして回すにも無理がある」

そりゃ余分な人数を雇ってる訳にはいかないよね。
必要なきゃ給料がもったいない。

「そこで冒険者だ。日雇いすれば良いし、色々な事に対処出来る能力を持っている者が多い。
 冒険者を雇って、こちらを元々の業務に回して、そちらに就いていた者を領主が連れて行っても良い」
「確かに」
「そんな便利な冒険者だ。貴族と仲が悪い訳無いだろ?
 貴族からすれば、いつでも雇える人夫。冒険者からすれば、金払いの良い上客。
 お互い損が無い」

そう言われれば納得。
小説では何で嫌われてる設定だったんだっけ?

「えっと、思い出しました。
 嫌われてる理由が2~3個あったと思います」
「言ってみろよ」
「え~、暴力的で野蛮な人達だから。みたいな」
「戦争する貴族や王族の方が野蛮だけどな」
「そっちじゃなくてですね……魔物や動物を狩ってる方です」
「集団になれば領主が兵を出して狩るぞ?
 それに狩らなければ、肉なんか手に入らないだろ?」
「それをする職業をバカにしてるというか……そんな感じです」
「はぁ? 職業で差別すんのか? そいつらは飯食わないのか?
 食う飯を作ってるのは農家だし、肉を狩るのは猟師や冒険者、魚を捕るのは漁師。
 もしその職業をバカにする貴族なんか居たら、そいつ水以外入手出来なくなるぞ?」
「それはなぜ?」
「そういう産業に関わってる者が売らなくなるからだ。
 商人も商売が成り立たなくなるから、売ってもらいたい。だから、そんな貴族との付き合いを無くすようになる」
「そんなに産業側が強いんですか? 貴族なんだから脅せないんですか?」
「脅してどうするよ? 悪評が広まれば、自分の領から人が流出していくだろ。
 人が減れば税収も減る。自分の首を締めるだけだ」

まぁそうなんだけどね。
でもそういう職業の人って底辺みたいな扱いじゃないですか、小説って。

「良くも悪くも、貴族ってのは損得勘定で動いている。
 領民を守るのも税収を増やす為だ。冒険者ギルドと仲が良いのも便利に使える為。
 貴族が政略結婚をするのも、自分の領土を守る為と発展させる為だ」

うわ~、身も蓋もない話だ。
まぁ威張り散らしているより良いけどさ。

「じゃあ、悪い事をしているような貴族は居ないと?」
「そんな事は無い。年に何件かは逮捕者が出るな」
「マジですか。それはどんな罪で?」
「損得勘定に特化してるからな。だから裏切りは許さない。
 裏切ったヤツを家ごと潰そうとしたりして捕まるのが一番多い。
 偶にあるのは性犯罪だな。政略結婚の弊害だと思うぞ」

あ~、嫌いな相手と結婚させられたので、他に求めたと。
犯罪するくらいなら風俗に行けば良いのに。
あっ、そうか。身分のある人が風俗行ったら、それも悪い噂になるか。
大変だな、貴族も。犯罪者には同情はしないけど。

「じゃあ威張ってる貴族や貴族の息子とか、居ないんですか?」
「何をもって威張ってると言ってるのかわからんが、貴族は身分が上だから偉そうにしてるのが当然だぞ。
 息子もそういう教育をされているから、意味なく平民に偉そうにする事はない。
 それに所詮息子だからな。後を継ぐまではただの貴族の息子。
 後を継いだ時の権力を前借りして使えないし、そんな事をすれば悪評が広まり継げなくなるだろうな」
「これから会う王太子は?」
「勿論立場は上だが、ちゃんと教育されている。
 権力も普通はそこまで無いが、今回の場合は王からの指令を受けているから、権力は持ってる」
「本人の権力じゃなくて、命令を出した王の権力って事なんですね?」
「そういう事」

なるほどな~。勉強になる。
知識で持ってても、こういう細かい点は判らないからね。
アレと一緒。ネットの動画配信。そういう物があるのは知ってるけど、使い方が判らない物を動画で説明してくれるヤツ。
つい見てしまうんだよね。解説動画って。

噂をすればなんとやら。
なんと王太子がここにやってきた!
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~ 大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。 話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。 説明口調から対話形式を増加。 伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など) 別視点内容の追加。 剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。 高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。 特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。 冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。 2021/06/27 無事に完結しました。 2021/09/10 後日談の追加を開始 2022/02/18 後日談完結しました。 2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...