6 / 186
006 アンドロマリウス
しおりを挟む
キッチンでは人目につく可能性があるので、鍋を持って最初の部屋に戻った。
「あっ、そうだ。呼ぶ前に聞いておくけど、サイズってどうなの?」
ザガンは翼を持った牛って書いてあるし、ベリトは赤い馬に乗る赤い鎧を着た兵士だ。
この3畳ほどの部屋で呼び出せるのか?
「確かに双方とも大きいナ。この部屋で呼べばギュウギュウになるだろウ。牛だけニ」
「シャレは言わなくて良い!」
やっぱデカいのか。どうしようかな……。一人づつ呼べば良いかな?
それでも窮屈か。
馬に乗って出てきたら、天井に頭を打ちそうだ。
「それなら、部分召喚をすればいイ」
「部分召喚?」
「体の一部だけを召喚するのダ。勿論これも召喚扱いになるので、使用扱いになるがナ」
「それは大丈夫。ポンポンと呼ぶ事は無い……と思うから」
「ならば部分召喚が良いだろウ」
「どうやってするの?」
「やってもらいたい事を考えると同時に部分召喚と考えればOKダ」
ふむふむなるほど。
では早速。
部分召喚ってこんな感じなのか……。
カードが形を変えるのではなく、カードから人間の腕や牛の足が出てくるとは。
ベリトのカードから出てきた腕から光が放たれると、鍋はドロドロに溶けて金の板に変化した。
その後、牛の足から光が放たれ金貨に変化。
数えると32枚。めちゃ金持ちです。
金貨をインベントリに入れて、準備完了。
身分証を作りに行きましょうか!
「我はどうすル?」
「連れて出たいけど……そんな格好のモンスターっていうか動物って居る?」
「居ないナ」
「じゃあ連れて出たら……」
「大騒ぎだろうナ」
「マジか……この先も助言がもらいたかったんだが。
後、知らない土地だから、護衛も頼みたかったんだが」
「もうすぐ3時間になるから、自動的に送還されるゾ。
しかし、ふム……ならば侯爵・伯爵・騎士から誰かを呼べば良いだろウ。
侯爵なら12時間、伯爵や騎士なら24時間は一緒に居る事が出来るからナ」
「なるほど! オススメは?」
「そうだナ……サクスかアンドロマリウスが良いだろウ」
サクスね……あったあった。
姿は鳩か。これなら肩に乗せていても問題無さそうだ。
能力は、って、げっ……「視覚・聴覚・嗅覚等の五感を奪う」?! 怖い!!
保留保留。
アンドロマリウスは、と。
能力はバッチリだね。「盗人と盗品を奪い返す、裏取引や企みを看破」だから初めての交渉にはもってこいだ。
ただしな~、姿がな~。「大蛇を纏った人間(男)」って何?
服の代わりに大蛇を纏ってるのか?
う~ん、悩んだけどまずはアンドロマリウスを呼んでみよう。
で、大蛇がどうにか出来るんだったらそのままで。
どうにもならないのなら、送還してサクスを呼ぼう。
ちょっと無駄遣いみたいになるけど、しょうがない。
では、アンドロマリウス召喚!
「お呼び頂き、ありがとうございます、主殿」
「おおっ! ちゃんと服を着ている!」
「は? それは当たり前だと思いますが?」
「いや、説明に大蛇を纏ってるって書いてあったから、裸に大蛇なのかと思ってね。
で、大蛇ってそれ?」
「はい。その通りでございます」
大蛇。確かにデカい。何故かアンドロマリウスの後ろに隠れて、こちらをチラチラと見てるけど。
長さはそんなになく、3mくらいかな? だが太い。電柱並か?
「なんで隠れてるのかな?」
「恥ずかしいそうでございます」
「恥ずかしい?! 何で?!」
「シャイなものですから」
「シャイ! 大蛇がシャイ!!」
「はっ、すみません……」
「いや、謝らなくても良いんだよ。
ところで、これから街中に行く予定なんだけど……その大蛇さんはどうにかならないかな?
ほら、連れてると絶対に騒ぎになると思うんだ。
ああっ! 別に大蛇さんが悪いんじゃないんだよ?!」
大蛇が分かるくらいに落ち込んだ。
めちゃくちゃシュンとしている。俺が悪いんじゃないけど、凄い罪悪感だ。
どうしよう?
「大丈夫でございます。大蛇は小さくなる事も可能でございます」
そう言って手を振った瞬間、大蛇はヒモみたいになりアンドロマリウスのポケットに入っていった。
そして、首だけ出してこっちを見ている。
こうなると、ちょっと可愛いな。
「じゃあ同伴をお願いするね。……質問良いかな?」
「はい、何なりと」
「何で燕尾服っぽい格好なの?」
「これは執事でございます」
「執事……何故?」
「主殿にお会いするのに失礼な姿ではいけませんゆえ」
「そ、そうなんだ」
アンドロマリウスの考える失礼な姿じゃない格好って執事なんだ。
まぁビシっとしてるし、髪型もオールバック。角のメガネかモノクルがあれば完璧だけど、似合ってるわ。
「じゃあよろしく」
「了解しました」
「では我は戻るゾ」
「おっとそうだった。ありがとうなイポス」
イポスはカードに戻った。
これで準備は万端! いざ最初の街へゴー!
「あっ、そうだ。呼ぶ前に聞いておくけど、サイズってどうなの?」
ザガンは翼を持った牛って書いてあるし、ベリトは赤い馬に乗る赤い鎧を着た兵士だ。
この3畳ほどの部屋で呼び出せるのか?
「確かに双方とも大きいナ。この部屋で呼べばギュウギュウになるだろウ。牛だけニ」
「シャレは言わなくて良い!」
やっぱデカいのか。どうしようかな……。一人づつ呼べば良いかな?
それでも窮屈か。
馬に乗って出てきたら、天井に頭を打ちそうだ。
「それなら、部分召喚をすればいイ」
「部分召喚?」
「体の一部だけを召喚するのダ。勿論これも召喚扱いになるので、使用扱いになるがナ」
「それは大丈夫。ポンポンと呼ぶ事は無い……と思うから」
「ならば部分召喚が良いだろウ」
「どうやってするの?」
「やってもらいたい事を考えると同時に部分召喚と考えればOKダ」
ふむふむなるほど。
では早速。
部分召喚ってこんな感じなのか……。
カードが形を変えるのではなく、カードから人間の腕や牛の足が出てくるとは。
ベリトのカードから出てきた腕から光が放たれると、鍋はドロドロに溶けて金の板に変化した。
その後、牛の足から光が放たれ金貨に変化。
数えると32枚。めちゃ金持ちです。
金貨をインベントリに入れて、準備完了。
身分証を作りに行きましょうか!
「我はどうすル?」
「連れて出たいけど……そんな格好のモンスターっていうか動物って居る?」
「居ないナ」
「じゃあ連れて出たら……」
「大騒ぎだろうナ」
「マジか……この先も助言がもらいたかったんだが。
後、知らない土地だから、護衛も頼みたかったんだが」
「もうすぐ3時間になるから、自動的に送還されるゾ。
しかし、ふム……ならば侯爵・伯爵・騎士から誰かを呼べば良いだろウ。
侯爵なら12時間、伯爵や騎士なら24時間は一緒に居る事が出来るからナ」
「なるほど! オススメは?」
「そうだナ……サクスかアンドロマリウスが良いだろウ」
サクスね……あったあった。
姿は鳩か。これなら肩に乗せていても問題無さそうだ。
能力は、って、げっ……「視覚・聴覚・嗅覚等の五感を奪う」?! 怖い!!
保留保留。
アンドロマリウスは、と。
能力はバッチリだね。「盗人と盗品を奪い返す、裏取引や企みを看破」だから初めての交渉にはもってこいだ。
ただしな~、姿がな~。「大蛇を纏った人間(男)」って何?
服の代わりに大蛇を纏ってるのか?
う~ん、悩んだけどまずはアンドロマリウスを呼んでみよう。
で、大蛇がどうにか出来るんだったらそのままで。
どうにもならないのなら、送還してサクスを呼ぼう。
ちょっと無駄遣いみたいになるけど、しょうがない。
では、アンドロマリウス召喚!
「お呼び頂き、ありがとうございます、主殿」
「おおっ! ちゃんと服を着ている!」
「は? それは当たり前だと思いますが?」
「いや、説明に大蛇を纏ってるって書いてあったから、裸に大蛇なのかと思ってね。
で、大蛇ってそれ?」
「はい。その通りでございます」
大蛇。確かにデカい。何故かアンドロマリウスの後ろに隠れて、こちらをチラチラと見てるけど。
長さはそんなになく、3mくらいかな? だが太い。電柱並か?
「なんで隠れてるのかな?」
「恥ずかしいそうでございます」
「恥ずかしい?! 何で?!」
「シャイなものですから」
「シャイ! 大蛇がシャイ!!」
「はっ、すみません……」
「いや、謝らなくても良いんだよ。
ところで、これから街中に行く予定なんだけど……その大蛇さんはどうにかならないかな?
ほら、連れてると絶対に騒ぎになると思うんだ。
ああっ! 別に大蛇さんが悪いんじゃないんだよ?!」
大蛇が分かるくらいに落ち込んだ。
めちゃくちゃシュンとしている。俺が悪いんじゃないけど、凄い罪悪感だ。
どうしよう?
「大丈夫でございます。大蛇は小さくなる事も可能でございます」
そう言って手を振った瞬間、大蛇はヒモみたいになりアンドロマリウスのポケットに入っていった。
そして、首だけ出してこっちを見ている。
こうなると、ちょっと可愛いな。
「じゃあ同伴をお願いするね。……質問良いかな?」
「はい、何なりと」
「何で燕尾服っぽい格好なの?」
「これは執事でございます」
「執事……何故?」
「主殿にお会いするのに失礼な姿ではいけませんゆえ」
「そ、そうなんだ」
アンドロマリウスの考える失礼な姿じゃない格好って執事なんだ。
まぁビシっとしてるし、髪型もオールバック。角のメガネかモノクルがあれば完璧だけど、似合ってるわ。
「じゃあよろしく」
「了解しました」
「では我は戻るゾ」
「おっとそうだった。ありがとうなイポス」
イポスはカードに戻った。
これで準備は万端! いざ最初の街へゴー!
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる